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番外編 月光の貴公子 (1)
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さてと。
日記帳を閉じインク壺に蓋をして立ち上がるとカーテンの降りてない窓辺に寄った。
侍女達は退室して夫が来る気配もない。
今日は大事な隣国の大使と会談があると聞かされていた。
大使はサードと同い年で留学した大学も同じだった。
仕事は半分。
後は男同士の尽きない話で夜も更けるのだろう。
「あのサードと仲良くできるお友達ってどんな方かしら。ふふ。似た者同士か、その反対ね」
今夜の月はなんて美しいのか。静まった湾が銀色に輝き微かな波の音がするだけだった。
――――ちょっとだけ。ちょっとだけ外の空気を吸って来るわ。誰にも見つかるまい。
ユージェニーは自分の身に纏った高貴な位が、まるで重たいマントの様に思える時がある。
時には、すっかり脱ぎ去ってしまいたくなる。
連日のパーティーで疲れた最近は特にそうだった。
深窓の姫君として育てられたユージェニーは本物の魔女でもある。
それはサードと一部の側近だけが知っている事実。
魔女として思う存分自由も不道徳も満喫した事のある少女にとって今の宮廷暮らしは籠の鳥に等しい。
それでも愛する夫がいるから大抵は我慢できる。
信頼できる侍女達も傍にいる。味方になってくれる頼もしい執事も。
でも……
「うう。胸がざわざわする。月の灯で踊りたいだけ踊ってみたい!誰にも邪魔されないで。たった一人で」
ひたひたと絹の上履きのままクローゼットの扉を開け中へと進んだ。
沢山のドレスが並ぶ衣裳部屋は他にあるがこの不自然な場所に造られた小さめのクローゼットは仕掛けがあるのだ。奥に扉がある。
その向こうには縦横無尽に様々な部屋に通じる通路があった。
普段この扉には外側から鍵がかかっている。
かけたのはサードだ。
「そなたにあちこち出歩かれては困るからな。
オレの部屋と行き来するときだけ使うんだ。
他は迷路になってる。帰れなくなるやもしれん。絶対ひとりで行くな」
そこはサードの手抜かり。行くなと言われれば『行ってみよう!』と思うのがユージェニーだった。
外側から鍵を開けてしか通れない扉の左奥に中から外へ出られる扉を見つけたのだ。
しかも鍵は自分のヘアピンとペン先を駆使して一週間ねばって開けてしまった。
「姫様、寝汗が酷うございますね」心配顔のエリスに
クスリと笑って「ええ。この頃悪夢を見るのよ。大きなビスケットに追いかけられるの」
眉間に皺を寄せて「まあ。甘いものをお控えになったのが原因かしら」
「そうよねえ」曖昧な返事をして笑いをかみ殺した。
秘密の扉から城の地下へと通じている廊下と螺旋階段を発見した。
にゃあ……
「ま。フォースったら!ついてきちゃったわ」
愛猫の黒猫が薄物しか纏っていないユージェニーの細い足首にすりすりしている
「いいわ。黒猫は魔女の使い魔ですもんね。今夜は一緒に楽しんじゃいましょ」
螺旋階段を降りると回廊が延々続いていた。
回廊の外は砂地で樹木も無い。
石造りの天使像が点々と在るだけだ。
月明りのする方へと歩いた。
うわあああっ!す、すごい!素敵!感嘆の声を挙げずにはいられなかった。
途方もなく巨大な白亜の円柱が支える真っ白な広間に出た。
床は総て大理石。
左手は組んだ岩場に溢れる湯が沸きだしている。
波になって打ち寄せ大理石の半分を洗っていた。
壁際の白石をくり抜いた椅子やテーブル。異教の神々が彫られている。
なかなかノーブルね。ひとつひとつ観て廻る。
「温泉ね。もう。ここは廃墟なんだわ。誰も歩いた跡が無いもの。
何百年間ここは秘密の場所だったんだわ。ねえ。フォース!」
ユージェニーはくるくると踊った。脱いだ上履きを手近な椅子の上に置いて、フォースを抱き上げた。
思わず頬擦りする。それはフォースが嫌がる事のひとつだったが今夜は大人しくされるがままだった。
「おまえもこんな素敵な場所にこれて嬉しいのね!さあ!あなたのためにワルツを踊りましょう!そうよ。始めの出だしの、音にアクセントをつけて。ほら!足を濡らすと気持ちいい!ほほほ」
ユージェニーは自分が第一后であることも、魔女であることも、
人妻であることさえ忘れ、
ただの少女になって踊った。
ふと、足首に何かひっかけて平均を失い転んでしまった。
圧し潰されるまえにフォースは遠くへ逃れた。
「酷いわ。主を置いて逃げるなんて」
踊り疲れた少女は乾いたその場に座った。
え。
えええ……っ!!!!
ユージェニーは自分の足首がどろりとした感触の手らしきもに捕まれているのに気が付いた。
驚きを通り越すと声がでなかった。
恐怖は次に来た。
――――きゃあああ!やあああっあ!!やめてえ!!あっちへお行き!!
その手にはカエルのような水かきがあった。
ぶわわわわと水面に同じ長い髪の毛が円く広がった。
青銅色の顔が現れた。
縮れた海藻の髪の毛を半身に絡ませたその男は壁に彫られた神々の面影そのままだった。
顔色の悪さが美々しさを引き立てているようだ。
不思議な魅力と恐怖にユージェニーは固まったまま動けない。
敵意は感じない。
でも好意があるわけでもない。
どれくらい見つめ合ったか。
深い眼は澄んでゆらゆらと海面の輝きを放っている。
わ。悪い者ではない……で、でも。
「あ、あのう。手を離して?わたくしの言葉わかる?通じて?」
きゃっ!
離すどころか手は右足のふくらはぎまで滑ってそのまま太腿に伸びた。
いつの間にか湿り気を含んだユージェニーの薄物の夜着は濡れてぴたりと素肌に張り付いていた。
ユージェニーは青年の両目を見据えて身じろぎも出来なかった……いや、しなかった。
このまま海から上がって来た異形の魔物の魅力に憑りつかれた。
左のふくらはぎにもぺたりと青銅色の手が這った。
水かきがある他は人間と同じく長い指の綺麗な男の手をしていた。
どうしても二人はお互いの瞳から自分の瞳を離せない。
ユージェニーは着いた肘をじりじりと後退さるも異形の男は何倍も大きな体躯で
ゆっくり少女の半身へ乗りあげようとしていた。
顔を半分覆う長い前髪が垂れて雫がユージェニーの脚にも平たい腹にも腕にも胸元にもぱらぱらと雨になって落ちた。
頭の中は真っ白だ。何も考えられない麻痺状態と恐怖と好奇心と不思議な親近感、
それに強烈に男はナルシスティックな濃い濃度の魅力を身体じゅうから発散させてユージェニーを圧した。
青銅の顔に先の尖った耳が髪の間から覗いている。
指と指との間に薄い粘膜の水かき。
青銅の胸板に腰の辺りには鱗がつらつらと煌めいてる。
大空の満月が紅色に変わって行く。
青銅の水かきの両手の指とユージェニーの両手とが、
しっかと組まれ大きく開きユージェニーの躰は濡れた床に磔にされた
あ……
いつの間にかユージェニーの一番女らしい部分に薄い生地越しに固く大きくなった男の杭が充てられていた。
ゆっくりそれを男は擦り附けて来た。微かに腰が動く。
ただそれだけなのにソコを要にとてつもなく熱い感覚が
ユージェニーの身体中を駆け手足の指一本一本まで痺れの連続が襲った。
それは強烈な悦楽の痺れだった。
ダンスの相手に合わせ微かに腰も一緒に揺れだす。
すっかり床に仰向けた少女は魔物であろう男のなすがままに身を任せるしかなかった。
瞳は一層に見開かれ瞳孔が大きくなってゆく。
唇は小刻みにぱくぱくと空くが酸素を求める魚の様に声が出せない。
男の愛撫は唯のふたつ。
巨根を花襞に擦り付けること。
雫を肌に堕とすこと。
たったそれだけで少女の声の無い唇が喘ぐ。どうしようもなく襞奥から蜜が溢れる。
魔力に魅入られたユージェニーは我を忘れて切に願った―――早く。早く……早く……はやく……
それを男は許さなかった。
舌がユージェニーの秘部をひと舐めした次の瞬間には
舌先が十重二十重と割れて増え細長い蛇になったかと思うと磯巾着と変貌して
膨らみかけた蕾にも割れ目にも吸い付き吸引を繰り返した。
その間も奥へ奥へと這い込む無数の蛇の舌先が蠢く。
ズルズルジュルジュルと音が散った。
……もう、もう、ううう……っ
長い舌は固く小さな尻にも伸びほっそりとしたユージェニーの肢体に蔦の絡まり根付いたか如くだ。
許容範囲を超えた刺激を与えられているのに昇華できずに悶え苦しむ。
あああああ……
ぺたりと両の乳房にぬらぬらした男の手が掛かり手のひらが乳首を強く擦った。
何時まで続くのか解らない悦楽の繰り返しが頂点へと昇り詰める。
うっ!!うううっうう……い、いいやあああ……い…い
一思いに挿入され、
声を取り戻したユージェニーは悲鳴をあげた。
最も弱い処を何度も何度も突いて来る熱杭が世界の中心になった。
男は少し自分の身体を浮かしてユージェニー自身の肢体が弓なりになる余地を与えた。
破瓜の痛みに似て非なるものだった。
男の下で苦悶にのたうった。
どくどくと子宮の奥深くへ冷たい精液が注がれる。
不意に―――これが子種になるかもしれないという恐怖に襲われた瞬間ユージェニーは本来の自分を取り戻した。
「やめてぇ!あっちへ行って!おやめ!いやああ」
さっきまで逞しい青銅色の胸板が下から首へと鱗が浮かび光り出した。
奇怪な呻きを挙げて男の首も顔も変化してブルブル震えだしている。
ユージェニーはさっきまで愛し合っていた身体を引きはがそうと必死になった。
顎や首元を必死に押しやろうとするも甲斐が無い。
少女と男では体躯も腕力も違い過ぎた。
あれ程魅力的だった男の首から上が豹変してぬめぬめと光る鱗に覆われた魚になった。
両眼は左右に別れ、歯の無い裂けた口がぱっくりと現れた。
波が引くように男はユージェニーの躰から後退して水中へと沈んでいった。
暫くして、ザボンと大きく跳ねる巨大な魚の尾ひれが遠くで光った。
日記帳を閉じインク壺に蓋をして立ち上がるとカーテンの降りてない窓辺に寄った。
侍女達は退室して夫が来る気配もない。
今日は大事な隣国の大使と会談があると聞かされていた。
大使はサードと同い年で留学した大学も同じだった。
仕事は半分。
後は男同士の尽きない話で夜も更けるのだろう。
「あのサードと仲良くできるお友達ってどんな方かしら。ふふ。似た者同士か、その反対ね」
今夜の月はなんて美しいのか。静まった湾が銀色に輝き微かな波の音がするだけだった。
――――ちょっとだけ。ちょっとだけ外の空気を吸って来るわ。誰にも見つかるまい。
ユージェニーは自分の身に纏った高貴な位が、まるで重たいマントの様に思える時がある。
時には、すっかり脱ぎ去ってしまいたくなる。
連日のパーティーで疲れた最近は特にそうだった。
深窓の姫君として育てられたユージェニーは本物の魔女でもある。
それはサードと一部の側近だけが知っている事実。
魔女として思う存分自由も不道徳も満喫した事のある少女にとって今の宮廷暮らしは籠の鳥に等しい。
それでも愛する夫がいるから大抵は我慢できる。
信頼できる侍女達も傍にいる。味方になってくれる頼もしい執事も。
でも……
「うう。胸がざわざわする。月の灯で踊りたいだけ踊ってみたい!誰にも邪魔されないで。たった一人で」
ひたひたと絹の上履きのままクローゼットの扉を開け中へと進んだ。
沢山のドレスが並ぶ衣裳部屋は他にあるがこの不自然な場所に造られた小さめのクローゼットは仕掛けがあるのだ。奥に扉がある。
その向こうには縦横無尽に様々な部屋に通じる通路があった。
普段この扉には外側から鍵がかかっている。
かけたのはサードだ。
「そなたにあちこち出歩かれては困るからな。
オレの部屋と行き来するときだけ使うんだ。
他は迷路になってる。帰れなくなるやもしれん。絶対ひとりで行くな」
そこはサードの手抜かり。行くなと言われれば『行ってみよう!』と思うのがユージェニーだった。
外側から鍵を開けてしか通れない扉の左奥に中から外へ出られる扉を見つけたのだ。
しかも鍵は自分のヘアピンとペン先を駆使して一週間ねばって開けてしまった。
「姫様、寝汗が酷うございますね」心配顔のエリスに
クスリと笑って「ええ。この頃悪夢を見るのよ。大きなビスケットに追いかけられるの」
眉間に皺を寄せて「まあ。甘いものをお控えになったのが原因かしら」
「そうよねえ」曖昧な返事をして笑いをかみ殺した。
秘密の扉から城の地下へと通じている廊下と螺旋階段を発見した。
にゃあ……
「ま。フォースったら!ついてきちゃったわ」
愛猫の黒猫が薄物しか纏っていないユージェニーの細い足首にすりすりしている
「いいわ。黒猫は魔女の使い魔ですもんね。今夜は一緒に楽しんじゃいましょ」
螺旋階段を降りると回廊が延々続いていた。
回廊の外は砂地で樹木も無い。
石造りの天使像が点々と在るだけだ。
月明りのする方へと歩いた。
うわあああっ!す、すごい!素敵!感嘆の声を挙げずにはいられなかった。
途方もなく巨大な白亜の円柱が支える真っ白な広間に出た。
床は総て大理石。
左手は組んだ岩場に溢れる湯が沸きだしている。
波になって打ち寄せ大理石の半分を洗っていた。
壁際の白石をくり抜いた椅子やテーブル。異教の神々が彫られている。
なかなかノーブルね。ひとつひとつ観て廻る。
「温泉ね。もう。ここは廃墟なんだわ。誰も歩いた跡が無いもの。
何百年間ここは秘密の場所だったんだわ。ねえ。フォース!」
ユージェニーはくるくると踊った。脱いだ上履きを手近な椅子の上に置いて、フォースを抱き上げた。
思わず頬擦りする。それはフォースが嫌がる事のひとつだったが今夜は大人しくされるがままだった。
「おまえもこんな素敵な場所にこれて嬉しいのね!さあ!あなたのためにワルツを踊りましょう!そうよ。始めの出だしの、音にアクセントをつけて。ほら!足を濡らすと気持ちいい!ほほほ」
ユージェニーは自分が第一后であることも、魔女であることも、
人妻であることさえ忘れ、
ただの少女になって踊った。
ふと、足首に何かひっかけて平均を失い転んでしまった。
圧し潰されるまえにフォースは遠くへ逃れた。
「酷いわ。主を置いて逃げるなんて」
踊り疲れた少女は乾いたその場に座った。
え。
えええ……っ!!!!
ユージェニーは自分の足首がどろりとした感触の手らしきもに捕まれているのに気が付いた。
驚きを通り越すと声がでなかった。
恐怖は次に来た。
――――きゃあああ!やあああっあ!!やめてえ!!あっちへお行き!!
その手にはカエルのような水かきがあった。
ぶわわわわと水面に同じ長い髪の毛が円く広がった。
青銅色の顔が現れた。
縮れた海藻の髪の毛を半身に絡ませたその男は壁に彫られた神々の面影そのままだった。
顔色の悪さが美々しさを引き立てているようだ。
不思議な魅力と恐怖にユージェニーは固まったまま動けない。
敵意は感じない。
でも好意があるわけでもない。
どれくらい見つめ合ったか。
深い眼は澄んでゆらゆらと海面の輝きを放っている。
わ。悪い者ではない……で、でも。
「あ、あのう。手を離して?わたくしの言葉わかる?通じて?」
きゃっ!
離すどころか手は右足のふくらはぎまで滑ってそのまま太腿に伸びた。
いつの間にか湿り気を含んだユージェニーの薄物の夜着は濡れてぴたりと素肌に張り付いていた。
ユージェニーは青年の両目を見据えて身じろぎも出来なかった……いや、しなかった。
このまま海から上がって来た異形の魔物の魅力に憑りつかれた。
左のふくらはぎにもぺたりと青銅色の手が這った。
水かきがある他は人間と同じく長い指の綺麗な男の手をしていた。
どうしても二人はお互いの瞳から自分の瞳を離せない。
ユージェニーは着いた肘をじりじりと後退さるも異形の男は何倍も大きな体躯で
ゆっくり少女の半身へ乗りあげようとしていた。
顔を半分覆う長い前髪が垂れて雫がユージェニーの脚にも平たい腹にも腕にも胸元にもぱらぱらと雨になって落ちた。
頭の中は真っ白だ。何も考えられない麻痺状態と恐怖と好奇心と不思議な親近感、
それに強烈に男はナルシスティックな濃い濃度の魅力を身体じゅうから発散させてユージェニーを圧した。
青銅の顔に先の尖った耳が髪の間から覗いている。
指と指との間に薄い粘膜の水かき。
青銅の胸板に腰の辺りには鱗がつらつらと煌めいてる。
大空の満月が紅色に変わって行く。
青銅の水かきの両手の指とユージェニーの両手とが、
しっかと組まれ大きく開きユージェニーの躰は濡れた床に磔にされた
あ……
いつの間にかユージェニーの一番女らしい部分に薄い生地越しに固く大きくなった男の杭が充てられていた。
ゆっくりそれを男は擦り附けて来た。微かに腰が動く。
ただそれだけなのにソコを要にとてつもなく熱い感覚が
ユージェニーの身体中を駆け手足の指一本一本まで痺れの連続が襲った。
それは強烈な悦楽の痺れだった。
ダンスの相手に合わせ微かに腰も一緒に揺れだす。
すっかり床に仰向けた少女は魔物であろう男のなすがままに身を任せるしかなかった。
瞳は一層に見開かれ瞳孔が大きくなってゆく。
唇は小刻みにぱくぱくと空くが酸素を求める魚の様に声が出せない。
男の愛撫は唯のふたつ。
巨根を花襞に擦り付けること。
雫を肌に堕とすこと。
たったそれだけで少女の声の無い唇が喘ぐ。どうしようもなく襞奥から蜜が溢れる。
魔力に魅入られたユージェニーは我を忘れて切に願った―――早く。早く……早く……はやく……
それを男は許さなかった。
舌がユージェニーの秘部をひと舐めした次の瞬間には
舌先が十重二十重と割れて増え細長い蛇になったかと思うと磯巾着と変貌して
膨らみかけた蕾にも割れ目にも吸い付き吸引を繰り返した。
その間も奥へ奥へと這い込む無数の蛇の舌先が蠢く。
ズルズルジュルジュルと音が散った。
……もう、もう、ううう……っ
長い舌は固く小さな尻にも伸びほっそりとしたユージェニーの肢体に蔦の絡まり根付いたか如くだ。
許容範囲を超えた刺激を与えられているのに昇華できずに悶え苦しむ。
あああああ……
ぺたりと両の乳房にぬらぬらした男の手が掛かり手のひらが乳首を強く擦った。
何時まで続くのか解らない悦楽の繰り返しが頂点へと昇り詰める。
うっ!!うううっうう……い、いいやあああ……い…い
一思いに挿入され、
声を取り戻したユージェニーは悲鳴をあげた。
最も弱い処を何度も何度も突いて来る熱杭が世界の中心になった。
男は少し自分の身体を浮かしてユージェニー自身の肢体が弓なりになる余地を与えた。
破瓜の痛みに似て非なるものだった。
男の下で苦悶にのたうった。
どくどくと子宮の奥深くへ冷たい精液が注がれる。
不意に―――これが子種になるかもしれないという恐怖に襲われた瞬間ユージェニーは本来の自分を取り戻した。
「やめてぇ!あっちへ行って!おやめ!いやああ」
さっきまで逞しい青銅色の胸板が下から首へと鱗が浮かび光り出した。
奇怪な呻きを挙げて男の首も顔も変化してブルブル震えだしている。
ユージェニーはさっきまで愛し合っていた身体を引きはがそうと必死になった。
顎や首元を必死に押しやろうとするも甲斐が無い。
少女と男では体躯も腕力も違い過ぎた。
あれ程魅力的だった男の首から上が豹変してぬめぬめと光る鱗に覆われた魚になった。
両眼は左右に別れ、歯の無い裂けた口がぱっくりと現れた。
波が引くように男はユージェニーの躰から後退して水中へと沈んでいった。
暫くして、ザボンと大きく跳ねる巨大な魚の尾ひれが遠くで光った。
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