【R18】闇堕ちバレリーナ~悲鳴は届かない~

月島れいわ

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1破かれたタイツ

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朧月夜の春。
周囲は美しく整えられた広大な庭が広がっていた。
豊かな木々の香りが漂っていた。

白い壁の大きな建物の中で深夜まで灯りが灯っている部屋があった。




いや。いやああ。いやなのに……アソコが熱い。疼くの。
どうしてて…あっああああ!!




特別レッスンの時間。

羽織のパーカーやマフラー、飲み物のボトルなどが入った荷物はロッカーを使わずトートバックに入れて全部持ってくる。レッスン場の隅に置く。バックの中には大事なお守りのウサギのぬいぐるみがあった。チュチュを着ているフレンチピンクのいウサギだ。


右手で掴んだバーの上に右足をのせ、左の片足で立つ。
前に前屈するパンシェで左腕も上半身も軸の左足に添える。
小さな頭も床に近づけ体の力を一気に脱力させる。
脱力して、深呼吸する。
沢山のダンサーが躍ったリノリウムの床の匂いが微かにしている。

静かに上体をあげて右腕を前に伸ばし指先も美しく形づくる。
左脚をグッと上へ上へとあげる。
アラベスクのポーズ。

極上のラインでバレリーナの肢体が木製のバー小鳥の様に止まる。
呼吸して丹田とつま先にだけ力を入れる。

「きゃっ!」

行き成り後ろから無防備な腰をガッと捕まれてしまった。
「調子よさげだな、玲於奈」
バレエ教師の勅使河原だ!
最悪。
ここではセクハラなどという言葉では括れない、
いやらしい事をされる。
それでも我慢するしかない。

何故ならーーーー


「や、やめてください。もう、お願いです」無駄だと判っても言わざるをえない。
後ろからハイレグのレオタードの尻に手を入れられ一気にビリビリとヨーロピアンピンクのタイツを破かれた。
はっと息を呑む。
後ろからサポートするダンサーの位置で勅使河原は玲於奈を抱き
左手はレオタードの上から玲於奈の胸を掴んで揉んだ。
躰は細いのにCカップもある乳房はバレエダンサーとしてコンプレックスでしかない。
高校時代に美容外科で脂肪吸引をしてもらうつもりだった。
しかし玲於奈の父の経営する会社が不渡りを出し突然傾いた。
勿論、生活自体も苦しくなり整形手術など論外になってしまった。

「こ、これいじょうは嫌っ。校長にいいますから!」
男の右手はファンデーションもつけていない股間に滑り込み太い指が芋虫の様に華襞の間を這う。
ビリビリとあっけなく破かれてゆくタイツはだらりと垂れて深く犯される度に揺れた。

睫毛の長い大きな瞳をぎゅっと瞑った。
小鹿を思わせる細い肢体が小刻みに震える。

玲於奈と勅使河原の真ん前は壁一面が鏡だ。
耳に男の息がかかって玲於奈はぞっとした。

ウゥッ!

ぐっと頤に手が添えられ上へ持ち上げられた。

「ちゃんと鏡を見ろ!いつも注意してるだろ。はははっ。もう濡れ出しだ。気持ちいいか?」

グチュグチュ クチュクチュと隠微な音が玲於奈の耳に響く。
心臓の奥から身体の末端まで血潮が巡り真っ白な肌が朱に染まる。

お願い誰も来ないで!玲於奈は必死で願った。
きっと勅使河原はドアに施錠して来ただろう。
でも。でも違ったら。こんなことされているのを誰にも見られるわけにいかない。
もう無理。
いや。
いやああ。
何でわたしのアソコはこんなになっているの?溢れてるーーー嫌なのに。
吐き気がするのに何で!?弄ばれる乳房の先端が固く尖る。

『セント・アガサ・バレエカンパニー』に入団して以来、月日を経るほどに
こんな非道は日常と化していった。

下半身を指で犯されている玲於奈に勅使河原の怒号が飛ぶ。

「アン・オーだ!腕あげろ!肘を張って。ふらふらするな!」
細い両腕を左右に開き上へと伸ばされた。

バレエの腕の正しい型のひとつだ。

「指先まで丁寧に!肩、落とせ!どうした『解りました先生』と言え!!」
ぐっと男の指が二本、襞奥へ入れられ弱いスポットを擦り上げた。
「きゃーーーわ、わかりましたーーセ、先生」
「鏡を見ろ!そうだ。その顔だ。『恥じらいの乙女、オーロラ姫』役を掴んだな。はははは」

殺してやりたい。
教師なんて嘘。そんなに技術があるわけでもなし。
勅使河原を雇って教師をさせている校長の判断が意味不明だとみんな噂している。
日焼けしたスポーツジムのトレーナーみたい。


入団した時は心底嬉しかった。
120倍の競争率に勝った。
高校をあと一年で卒業という初夏にオーディションがあったのだ。

白い髪をシニヨンにした老婆は元有名バレエ団のプリマ西園寺貴子。
バレエを真剣にやっている者なら誰もが知っている名だ。
西園寺団長の訓辞は今も心に残っている。
『美の為に余計なものはすべて棄てなさい。選ばれた者しか真の舞踏家にはなれません。普通の倖せを願ってはなりません。あなたたちは芸術にすべてを捧げるのです」

日々の生活が不幸のどん底だった玲於奈には心に刺さる言葉だった。
これから好きなだけ上を目指してバレエに専念する。


憧れのカンパニーに就職できて玲於奈の前途は光しかなかったーーーーそれなのに。

都心から新幹線と在来線を乗り継いで着いた寒村から車で20分ほどの敷地に幾つもの練習スタジオや学科を学ぶ校舎。医師の常駐する医務室。
事務室から栄養管理の行き届いた食堂。娯楽室も大きなラウンジもある。
舞台装置も万全の小ホールも備えている。

玲於奈は寮に入った。
ぱっとみがロココ調で床も壁も白く家具も何もかもラグジュアリーだった。
「夢みたい。お姫様が住むお城みたいよ」
ほんの数か月前数少ない高校の友人に嬉しい報告のラインを送ったのが遠い過去に思える。
バレエ漬けになって連絡を取り合う友人もいなくなった。


寮の部屋に戻ったのは12時近かった。
隣のブースのベッドにはルームメイトの未華子が眠っていた。
レースの蚊帳の中で眠っている様子はオーロラ姫の様だ。
物凄い資産家の娘らしい。
幾つもトウシューズがカーテンレールに吊るされていた。

――ああ。私のも乾かさなくちゃ。やっとの思いで大きなバッグからシューズを取り出し5足を同じようにレールに吊るした。
順番に履いて一番コンディションの良いシューズを本番まえに作るためだ。
ふらふらだったがシャワーを思いっきり浴びる。
すべでの穢れを洗い流すように何度も何度も体を洗った。
シャワーの飛沫を浴びながら叫んで泣いた。
「もう無理っ!ママっ!!ムリムリよお」



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