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14闇が迫る
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いや。いやだーーいや。いやだ!こんなところーーー絶対、逃げてやるーーーーーここは監獄!いいえ地獄!!
東雲玲於奈はその名と同じ夜明けの微かな光がほの白く浮かんでいる方角を目指して、ひた走った。
天井も遠くに見える窓も通り過ぎる幾つもの広間も何もかも蒼い空気に浸っている。
上履きは無い。素足で冷たい大理石の廊下を走る。あと少しですっかり明るくなってしまうだろう。
迷路の蜘蛛の巣になった屋敷から玲於奈は逃げようと必死だった。
朝。裏手の駐車場に止まっているクリーニング専門のトラックの荷台に乗ろう。町まで行くだろう。数か月も計画を練ったのだ。
最初、ここへ来ることが決まった時はあんなに浮かれ喜んでいたのに!
未華子の家から戻ると『セント・アガサ・バレエ団』では校長が突然倒れて次の公演が中止になった。
もともと12月でもないのに『くるみ割り人形』を上演するのは間が抜けている。
休み時間のレッスン場の隅で玲於奈はソーイングセットから針と糸を出して新しく降ろしたトウシューズにリボンを縫い付けていた。
「あーあ。今年は本公演無くなって気が抜けたねえ」
「まあ。でも仕方ないよ。なんか資金繰り大変みたいだわ」
「まさか。ここに限ってそれは無いと思うわ」
「だと、いいけど」
幾人か残った他の団員たちのひそひそ声がはっきり耳に届く。
本公演が流れてむしろ有難い。玲於奈はそう思う。
なにしろより大事な裏公演があるのだから。
昼間の通常レッスンに加えて夜の特別レッスンがある。
毎日が忙しく疲労もピークだった。
カフェテリアで樹里と待ち合わせた。
「どうよ。調子は?」
「樹里はいつも元気ね。もう、くたくた。昼寝したい」
「なんでよ」
「はあ!?裏公演がもう直ぐじゃない。パ・ドゥ・トロアの合わせもあるし。
ダメ出しばっかだし。昼のレッスン休みたい。
ねえ、それ全部食べる気?体重測ってる?」
樹里は、キノコのクリームパスタと野菜サラダの一鉢。ゼリーに無花果を並べている。
「美味しいわよ。ここのパスタ、ローカロリーに出来てるんですって」
一目で樹里は太ったと判る。「そうはいってもーーーー次のレッスンに響くでしょ?」ダイレクトに太ったと教えようか迷った。玲於奈自身はサラダと珈琲が昼ご飯だ。
「もう、裏公演のは仕上がってるのよ。バリエーションひとつだけだし。
何回も踊ったエスメラルダ。もう同じのばっかで飽きたわ」
「十八番だね」
「まあね。だから楽勝。鞠も同じかんじ」
「あの子は何?」
「黒鳥。テクニックみせまくりの強気なバージョンになってる。来週から舞台でリハだね」
玲於奈はずっと心の底にあった不安を口に出した「ねえ。本当に大丈夫だと思ってる?」
「は?なに?」
「私たちにパトロンがつくわけでしょ?その人たちってどんなかな?」
「ハハハハ。心配性だね、玲於奈。今までの先輩たちのこと知らないの?
ロイアルとかオペラ座、ジョンクラ、その他にもたくさん海外の団にねじ込んでもらえるんだよ」
玲於奈は溜息をついた。そこが心配なのだ。
実力だけが総ての世界なのだから有名バレエ団に入ってもすぐ化けの皮が露呈するだろう。
「そこでやっていけるかな?」
暫く上手そうにパスタを食べていた樹里は「うん。でも。ものは考えよう。
誰だってミストレスにはなれるわけよ」
ぞっとした。それだけは嫌だったから。
「あ。嫌だんだ?玲於奈。直ぐ顔に出る」
「うん。わざわざ海外行く意味ないじゃない」
「私はそれでもいいかなぁ。海外でやってましたって箔が付くでしょ?
帰国してからもいいところで『教え』をできるじゃん。
もっとも私にバレエ教師はむいてなさそうだけど」
「考えちゃうわ。自分の年齢。今、15だったらいいのに」
「舞台に立つ方がいい?地方のお教室なんかの先生になったら、
そうできるよね。40過ぎたって。
玲於奈はさあ。自分がどれだけか解ってないんだね」
「それどういう意味?」
「けなしたんじゃないよ。玲於奈のレベルは国外でも通用するよ。ここで一番だと思うけどな。鏡を良く見なさいよ。ヘップ・バーン似だよ。頭小さいし。目鼻立もくっきりしてる。膝から下が長いし甲も高い。一目見た感じ東洋人じゃないしさぁ」
「褒め過ぎ!本気で思ってる?もう21だよ。オバハンだよ。」
「それ、言うか」樹里はけらけら笑い出した。
玲於奈も一緒に笑った。
樹里と話していると元気がでる。
「ありがと。樹里。久しぶりに笑った」
無花果の皮をむきながら「あたしね」と真顔になる「未華子の分まで頑張らないとって思うんよ」
「だね」
あの夜の事が蘇る。
一言も口に出したりしてなかった。
共通の記憶。共通の秘密。
無花果をそのままほおばった。果汁飛んでパーカーの襟を汚し「ぎゃ~イヤだぁ」立ち上がった樹里が可笑しくてお腹を抱えて笑った。
殺人パーティーの記憶は遠くへ消えていった。
相変わらず、セクハラ指導はそのままだ。
翔と組めるのは嬉しいけど。
どう思ってるんだろう?翔にとって私は『玩具』くらいの価値しかないんだろうか?
くるみ割りが元の姿に戻った王子役が翔で、ドロッセルマイヤーが葛西。
葛西は組む時後ろから私の両手に自分の手を添えるだけのシーンで両胸に手を乗せる。
レオタードの上からぎゅっと揉まれる。
本番もこれでいくそうだ。
うそでしょう?
普段セクハラ三昧だってお客にも外部にもバレるじゃない。
おまけに変なシーンが入る。
葛西と翔の二人にリフトされた私を前後から彼らが挟む形になるのだが、そこで脚を180度開脚して太腿を二人が持ちあげる。
秘所とお尻に二人の顔が来る。
「やめて!!」
舐められるかと思って態勢を崩してしまった。
だって前後から匂いを嗅ぐんだもの!
リフト失敗して葛西の怒声が飛ぶ。
「これ。本公演でそのままやるんですよね?」
「当たり前でしょ。そのためのレッスンしてるんだから。本番では本当に舐めるから安心してよ」ボトルのミネラルオーターを一口飲んで翔が答える。
「うそ」
「途中の振りはこれから変更する。ラストだけしっかりやっとこう。ここだ。玲於奈。上手の奥から斜めにシェネで横断する。下手の端で翔が待っている。
二人。そのまま、プロムナードーーー最後は倒れる玲於奈を翔がホールド。起き上がってポーズ。
これで終わり。ここのシェネは13回連続でアレグロだ。絶対音に遅れるなよ」
玲於奈はほっとした。なんだかんだいっても最後はまともな振りになってる。
舞台でのリハーサルが始まった。
何故なの?
用意された玲於奈が着る衣装は本来クララが着るエンパイヤスタイルのスカートの丈がとても短い。ひざ丈くらいだ。
中にこれも短いドロワーズを履く。裾飾りのレースがスカートからちらちら見えている。
その上胸元がローカット過ぎる。薄く滑らかな肩が露わになって胸の谷間も結構目立つ。
用意されたファンデーションには信じられない事に胸を
『寄せて上げる』ブラパットが仕込んである。子役のクララがなんで?
化粧をしてヘアアイロンで縦ロールにした髪の付け根に左右に水色のリボンを結んだ。
うん。頭は決まってる。
ショールを羽織って、手荷物のトートバックを片手に小ホールへ急いだ。
衣装にまごついて遅刻しそうだ。
ホールに着いて玲於奈の眼に飛び込んで来たのは舞台の真ん中に設置してあるお姫様趣味のベッドだった。
帰りたいなーーーーーー嫌な予感しかしないーーーーー
東雲玲於奈はその名と同じ夜明けの微かな光がほの白く浮かんでいる方角を目指して、ひた走った。
天井も遠くに見える窓も通り過ぎる幾つもの広間も何もかも蒼い空気に浸っている。
上履きは無い。素足で冷たい大理石の廊下を走る。あと少しですっかり明るくなってしまうだろう。
迷路の蜘蛛の巣になった屋敷から玲於奈は逃げようと必死だった。
朝。裏手の駐車場に止まっているクリーニング専門のトラックの荷台に乗ろう。町まで行くだろう。数か月も計画を練ったのだ。
最初、ここへ来ることが決まった時はあんなに浮かれ喜んでいたのに!
未華子の家から戻ると『セント・アガサ・バレエ団』では校長が突然倒れて次の公演が中止になった。
もともと12月でもないのに『くるみ割り人形』を上演するのは間が抜けている。
休み時間のレッスン場の隅で玲於奈はソーイングセットから針と糸を出して新しく降ろしたトウシューズにリボンを縫い付けていた。
「あーあ。今年は本公演無くなって気が抜けたねえ」
「まあ。でも仕方ないよ。なんか資金繰り大変みたいだわ」
「まさか。ここに限ってそれは無いと思うわ」
「だと、いいけど」
幾人か残った他の団員たちのひそひそ声がはっきり耳に届く。
本公演が流れてむしろ有難い。玲於奈はそう思う。
なにしろより大事な裏公演があるのだから。
昼間の通常レッスンに加えて夜の特別レッスンがある。
毎日が忙しく疲労もピークだった。
カフェテリアで樹里と待ち合わせた。
「どうよ。調子は?」
「樹里はいつも元気ね。もう、くたくた。昼寝したい」
「なんでよ」
「はあ!?裏公演がもう直ぐじゃない。パ・ドゥ・トロアの合わせもあるし。
ダメ出しばっかだし。昼のレッスン休みたい。
ねえ、それ全部食べる気?体重測ってる?」
樹里は、キノコのクリームパスタと野菜サラダの一鉢。ゼリーに無花果を並べている。
「美味しいわよ。ここのパスタ、ローカロリーに出来てるんですって」
一目で樹里は太ったと判る。「そうはいってもーーーー次のレッスンに響くでしょ?」ダイレクトに太ったと教えようか迷った。玲於奈自身はサラダと珈琲が昼ご飯だ。
「もう、裏公演のは仕上がってるのよ。バリエーションひとつだけだし。
何回も踊ったエスメラルダ。もう同じのばっかで飽きたわ」
「十八番だね」
「まあね。だから楽勝。鞠も同じかんじ」
「あの子は何?」
「黒鳥。テクニックみせまくりの強気なバージョンになってる。来週から舞台でリハだね」
玲於奈はずっと心の底にあった不安を口に出した「ねえ。本当に大丈夫だと思ってる?」
「は?なに?」
「私たちにパトロンがつくわけでしょ?その人たちってどんなかな?」
「ハハハハ。心配性だね、玲於奈。今までの先輩たちのこと知らないの?
ロイアルとかオペラ座、ジョンクラ、その他にもたくさん海外の団にねじ込んでもらえるんだよ」
玲於奈は溜息をついた。そこが心配なのだ。
実力だけが総ての世界なのだから有名バレエ団に入ってもすぐ化けの皮が露呈するだろう。
「そこでやっていけるかな?」
暫く上手そうにパスタを食べていた樹里は「うん。でも。ものは考えよう。
誰だってミストレスにはなれるわけよ」
ぞっとした。それだけは嫌だったから。
「あ。嫌だんだ?玲於奈。直ぐ顔に出る」
「うん。わざわざ海外行く意味ないじゃない」
「私はそれでもいいかなぁ。海外でやってましたって箔が付くでしょ?
帰国してからもいいところで『教え』をできるじゃん。
もっとも私にバレエ教師はむいてなさそうだけど」
「考えちゃうわ。自分の年齢。今、15だったらいいのに」
「舞台に立つ方がいい?地方のお教室なんかの先生になったら、
そうできるよね。40過ぎたって。
玲於奈はさあ。自分がどれだけか解ってないんだね」
「それどういう意味?」
「けなしたんじゃないよ。玲於奈のレベルは国外でも通用するよ。ここで一番だと思うけどな。鏡を良く見なさいよ。ヘップ・バーン似だよ。頭小さいし。目鼻立もくっきりしてる。膝から下が長いし甲も高い。一目見た感じ東洋人じゃないしさぁ」
「褒め過ぎ!本気で思ってる?もう21だよ。オバハンだよ。」
「それ、言うか」樹里はけらけら笑い出した。
玲於奈も一緒に笑った。
樹里と話していると元気がでる。
「ありがと。樹里。久しぶりに笑った」
無花果の皮をむきながら「あたしね」と真顔になる「未華子の分まで頑張らないとって思うんよ」
「だね」
あの夜の事が蘇る。
一言も口に出したりしてなかった。
共通の記憶。共通の秘密。
無花果をそのままほおばった。果汁飛んでパーカーの襟を汚し「ぎゃ~イヤだぁ」立ち上がった樹里が可笑しくてお腹を抱えて笑った。
殺人パーティーの記憶は遠くへ消えていった。
相変わらず、セクハラ指導はそのままだ。
翔と組めるのは嬉しいけど。
どう思ってるんだろう?翔にとって私は『玩具』くらいの価値しかないんだろうか?
くるみ割りが元の姿に戻った王子役が翔で、ドロッセルマイヤーが葛西。
葛西は組む時後ろから私の両手に自分の手を添えるだけのシーンで両胸に手を乗せる。
レオタードの上からぎゅっと揉まれる。
本番もこれでいくそうだ。
うそでしょう?
普段セクハラ三昧だってお客にも外部にもバレるじゃない。
おまけに変なシーンが入る。
葛西と翔の二人にリフトされた私を前後から彼らが挟む形になるのだが、そこで脚を180度開脚して太腿を二人が持ちあげる。
秘所とお尻に二人の顔が来る。
「やめて!!」
舐められるかと思って態勢を崩してしまった。
だって前後から匂いを嗅ぐんだもの!
リフト失敗して葛西の怒声が飛ぶ。
「これ。本公演でそのままやるんですよね?」
「当たり前でしょ。そのためのレッスンしてるんだから。本番では本当に舐めるから安心してよ」ボトルのミネラルオーターを一口飲んで翔が答える。
「うそ」
「途中の振りはこれから変更する。ラストだけしっかりやっとこう。ここだ。玲於奈。上手の奥から斜めにシェネで横断する。下手の端で翔が待っている。
二人。そのまま、プロムナードーーー最後は倒れる玲於奈を翔がホールド。起き上がってポーズ。
これで終わり。ここのシェネは13回連続でアレグロだ。絶対音に遅れるなよ」
玲於奈はほっとした。なんだかんだいっても最後はまともな振りになってる。
舞台でのリハーサルが始まった。
何故なの?
用意された玲於奈が着る衣装は本来クララが着るエンパイヤスタイルのスカートの丈がとても短い。ひざ丈くらいだ。
中にこれも短いドロワーズを履く。裾飾りのレースがスカートからちらちら見えている。
その上胸元がローカット過ぎる。薄く滑らかな肩が露わになって胸の谷間も結構目立つ。
用意されたファンデーションには信じられない事に胸を
『寄せて上げる』ブラパットが仕込んである。子役のクララがなんで?
化粧をしてヘアアイロンで縦ロールにした髪の付け根に左右に水色のリボンを結んだ。
うん。頭は決まってる。
ショールを羽織って、手荷物のトートバックを片手に小ホールへ急いだ。
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