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第一章
番外編2:アンバーは反省し大人(?)の魔王になる ※
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北の果て、滅びの国の魔王城の周辺地域の人々は、このところのある心配から魔王の住まう魔王城の方向を仰ぎ見て、溜息を吐くことが日課となっていた。
理由はひとつ。
近隣国でその名を知られた「赤竜を連れた勇者」が魔王城から、戻ってこないからである。
十年間、通ってるの?と聞きたくなる程に魔王城にアタックしていた、「赤竜を連れた勇者」は、ついに魔王を倒すのではなく「和解」したのだ!と嘯く者がいる。
いや、そうではない。
魔王と「赤竜を連れた勇者」は、泥沼の殺し合いを繰り広げ、ついには同士討ちとなり果てたのだ!彼に肩にいつもいた赤竜が、空を行くのを見た!きっと新たな勇者を探しているのだ!と結論ずける者もいる。
はいはい!と手を上げる村人曰く。
ひとまず、魔王も魔人も静かでこちらには何の問題もないのだから、ひと時の平和を大切に生きようよ!と正論を宣う彼に、「それはそうだな」と皆が納得のいかない思いを飲み込む。そうしてまた、彼らは今日も魔王城を見上げて、溜息を吐くのだ。
そんなある日の事だった。
魔王城からほど近い、人族の住まう集落に、ここでしか購入できない果物を購入に来ていた、オレンジ髪の青年は、そんな噂話を耳にして、ぷはっと笑い出した。
彼の肩には、赤い竜が「馬鹿馬鹿しい」といった呆れ顔で息を吐いている。
「おや?あんたも赤竜を使役しているのかい?もしや、アンタがかの有名な『赤竜を連れた勇者』じゃないのかい?」
「違う違う!そもそも赤竜を使役なんてあるはずないだろう。この方は、俺の友人兼相談役だ」
滅相もないと顔色を変えるオレンジ髪の青年に、店主が残念そうに表情を陰らせた。
「そうかい……勇者様は、ご存命なのだろうかね……。この世を魔族から守ってくれるのは、勇者様しかいないというのに」
店主の言葉に、オレンジ髪の青年と肩に乗った赤竜が顔を見合わせて、二人して何とも言えない笑いを噛みしめる様な、言いたいけど言えないというような、微妙な顔をして「ひとまず」と口を開いた。
「あ~~~……。もう、大丈夫でショ」
「大丈夫?」
「ああ。魔王も勇者も尻に敷く、魔人もひれ伏す大賢者様が、今や魔王城に君臨なされているからなあ」
「へ?」
「魔王様も勇者様も、大賢者様のご機嫌伺いに忙しくて、その他の事は頭っからぶっ飛んでるよ」
「はい?」
何を言われているのか全く理解できないと、首を捻る気のいい店主に等価を支払い、購入品を担ぎ上げるなり、ケイはにやりと笑った。
「大賢者様がいる限り、この世の平穏は約束されてる。心配いらないよ?」
・・・
魔王城に住まう大賢者様は今、腕を組んでの仁王立ちで、盛大にお怒り中である。
彼の前には、大理石の床に正座した、魔王と勇者が神妙な顔をして、大賢者ーミカを見上げている。
あるはずのない耳を垂れて、尻尾を巻いて、二人して泣きつくように瞳を潤ませる、そんな魔王と勇者を見下ろし、角をにょっきりと出していたミカを、本物の角を持つ、ひとつ角と、ふたつ角と、みつ角が物陰から見つめる。
「……放浪の大賢者様は、魔王様を越えたよもやの大魔王様だったのですね?」
「ひとつ角……お前は失言が多すぎる。口にチャックをつけろ」
「……ふたつ角より立派な二本の立派な角か見える」
みつ角の声が聞こえたのか、本物魔王ががギラリと三魔人を睨みつけて来るので、三人は一目散にそこから逃げ出した。
「あんの野郎ども……」
「アンバー。まだ発言を許していないよ?」
「はいっ!!」
「もっと、怒られろマオー」
「セルリアンもだよ」
「―――はい」
二人してしゅんと頭を垂れる、魔王と勇者を前に、角を出した大賢者様のお怒りは未だ納まる兆候すら見受けられない。
現在、この魔王城の実質的なトップは、放浪の大賢者ーミカ殿であるのだ。
「君達は、俺を……どうしたいんだい?」
「どうもこうもない、愛でまくりたい!」
「証明が必要なら、今すぐ!」
「―――ずっと生殺しなのに……?」
アンバーに続くセルリアンの言葉に、堪らずぼそりと溢してしまったらしいミカの顔が、自分の溢した言葉を理解したのか、真っ赤に染まる。
「「ミカ……?」」
アンバーとセルリアンの声が重なる。
真っ白な髪に真っ赤な顔。
ミカのそんな姿に、二人の喉がごくりと鳴る。
「ミカ……」
アンバーがミカの名を呼び、セルリアンがミカを担ぎ上げ攫って行く。
いつもならばここでアンバーが声を上げ、二人の小競り合いが始まるはずだというのに、文句を言いたいだろうに、今は我慢する!と顔に書いてあるアンバーが、セルリアンの先を走っていく。このところ三人で共に使っている魔王の居室の扉を蹴破ったアンバーに遅れてやってきたセルリアンが、少々乱暴にミカを寝台に投げ出すと、着ていた上衣をかなぐり捨てた。
「セルリアン―――?!」
「ごめん。もう、無理」
いつもとのあまりの違いにとっさの対応が遅れたミカの唇は、噛り付くようにセルリアンの唇に貪られ、もう、声も出せない。着衣は破る勢いではぎ取られ、両腕を頭の上で拘束されて、あられもない姿を晒すミカの喉元に、アンバーが噛り付く。
「お前が悪い!ミカ……!」
自分達は、獲物を喰い尽くす飢えた獣のようだと、アンバーは思う。
ミカの喉元を、鎖骨を噛み、所有印を散らしながら、セルリアンを推しのけ、甘く蕩ける唇を味わう。
「アンバーが、正しい」
溜まらず反り返ったミカの胸の赤く染まった尖りを口に含み、舌で転がしながら呟くと、兆し始めたミカのモノが目に入り、セルリアンは躊躇なくそれを口に含む。
息を吐く間もなく、二人の手に、唇に、翻弄されるミカは、文句を言いたくても言葉も出せず、二人の手に慣らされた体は甘く痺れ、抵抗することなどもう、出来はしない。
「……ん!、ァ―――っ!まって、あ?!」
「待たない。待たせてゴメンね?……ミカ……」
ミカの唇を舐めて、宥める様に耳元に囁くアンバーは、ミカの下肢を慰めているセルリアンに向かい、仕方がないと口を開いた。
「兄の立場として―――ホントはぜって~に許さんが、ミカの為だ。最初は、譲ってやる」
「アリガトウゴザイマス、お兄様」
「ふたり……とも、ま、ああ!」
既に勃ちあがりふるりと震えるミカのモノを舌と口腔で味わいながら、セルリアンがゆっくりと後孔を指で撫で、つぷりと緩くそのまま侵入させた。
「―――んっヤ……ん!」
ミカのソコは、二人して毎日指で慣らしているので、容易くセルリアンの指を受け入れてくれて、もう見知ったポイントを突く彼の指を、きゅうきゅうと締め付け始める。
「アンバーと二人して―――随分と慣らしたから、もう、大丈夫だね」
「さっさと挿れて、さっさと交代しろ!」
「煩いお兄様だ……」
興奮に上気した息を整える事もせず、下衣を寛がせて、自分のモノを露わにしたセルリアンが、そそり立つ自分自身を軽く扱いて、ミカの後孔にあてがった。
あと一息で、ミカの中に―――。
数年前、ミカを見つけ出したあの血塗れの森の中で、それこそ抱き潰したと言っていい程にミカを抱いた記憶など、今のセルリアンからは吹っ飛んでいた。
今、初めてミカを抱くような、そんな感覚に打ち震えながら、腰を進めようと彼が動いたその瞬間だった。
「師匠~~~~!!やっと師匠の大好物のラッキーオレンジが大量に手に入りましたよ~~!!」
ドカン!と魔王の居室の扉を開き、大きな麻袋を担いだケイが赤竜エルドと共に燦然と登場したのだが、如何せん、タイミングが最悪だった。
まさか、真っ昼間っから、シケ込んでいるなど、ケイには思いもよらなかったのだ。何故ならば、先刻買い物に出る前まで、一触即発って位に、大喧嘩中の三人だったのだから。
彼は、これを邪魔する意図も悪気も一片たりともない。
ケイはただ……最近「俺に何かが足りないのか……」と塞ぎ込んでいる、世界一大切な師匠を喜ばせたくて、笑って欲しくて、大好物のラッキーオレンジを大量に買い込んで来た。ただ、それだけだったのだが―――。
目の前のでっかい寝台の上で、組み伏せられたミカの目が、ケイを見つけて点になっている。
目の前のでっかい寝台の上で、ミカを組伏している魔王とセルリアンの目が、その視線だけで心臓を食い破る程の、凶暴な目で睨みつけて来る。
俺の命は今終わった。とケイは自覚し、エルドは防御姿勢を取った。
彼らの逃げ道は、ない。
・・・
久しぶりに爆発炎上した魔王城の姿に、周辺地域の人々は「ああ!勇者様はまだご存命だ!」と喜びの声を上げた。
「魔王城が爆発したことに安堵する日が来るとは思わなかったよ」
「ははは……スゴかったデスね……アレ……」
数日ぶりにまたもラッキーオレンジを購入しに来た常連客のオレンジ髪の青年に、笑い話を披露した店主は、腕を吊って傷だらけで笑う青年と、肩に乗った赤竜までもが翼に大怪我を負っている事を察して、お見舞いだと、高価な桐箱入りのラッキーオレンジをオマケしてくれた。
「そのケガ……やっぱり、あんたが『赤竜を連れた勇者』なのかい?」
「俺は断じてあんな化け物ではない!!」
ケイの叫びは、遠く魔王城に住まう地獄耳の勇者に届いていた。
理由はひとつ。
近隣国でその名を知られた「赤竜を連れた勇者」が魔王城から、戻ってこないからである。
十年間、通ってるの?と聞きたくなる程に魔王城にアタックしていた、「赤竜を連れた勇者」は、ついに魔王を倒すのではなく「和解」したのだ!と嘯く者がいる。
いや、そうではない。
魔王と「赤竜を連れた勇者」は、泥沼の殺し合いを繰り広げ、ついには同士討ちとなり果てたのだ!彼に肩にいつもいた赤竜が、空を行くのを見た!きっと新たな勇者を探しているのだ!と結論ずける者もいる。
はいはい!と手を上げる村人曰く。
ひとまず、魔王も魔人も静かでこちらには何の問題もないのだから、ひと時の平和を大切に生きようよ!と正論を宣う彼に、「それはそうだな」と皆が納得のいかない思いを飲み込む。そうしてまた、彼らは今日も魔王城を見上げて、溜息を吐くのだ。
そんなある日の事だった。
魔王城からほど近い、人族の住まう集落に、ここでしか購入できない果物を購入に来ていた、オレンジ髪の青年は、そんな噂話を耳にして、ぷはっと笑い出した。
彼の肩には、赤い竜が「馬鹿馬鹿しい」といった呆れ顔で息を吐いている。
「おや?あんたも赤竜を使役しているのかい?もしや、アンタがかの有名な『赤竜を連れた勇者』じゃないのかい?」
「違う違う!そもそも赤竜を使役なんてあるはずないだろう。この方は、俺の友人兼相談役だ」
滅相もないと顔色を変えるオレンジ髪の青年に、店主が残念そうに表情を陰らせた。
「そうかい……勇者様は、ご存命なのだろうかね……。この世を魔族から守ってくれるのは、勇者様しかいないというのに」
店主の言葉に、オレンジ髪の青年と肩に乗った赤竜が顔を見合わせて、二人して何とも言えない笑いを噛みしめる様な、言いたいけど言えないというような、微妙な顔をして「ひとまず」と口を開いた。
「あ~~~……。もう、大丈夫でショ」
「大丈夫?」
「ああ。魔王も勇者も尻に敷く、魔人もひれ伏す大賢者様が、今や魔王城に君臨なされているからなあ」
「へ?」
「魔王様も勇者様も、大賢者様のご機嫌伺いに忙しくて、その他の事は頭っからぶっ飛んでるよ」
「はい?」
何を言われているのか全く理解できないと、首を捻る気のいい店主に等価を支払い、購入品を担ぎ上げるなり、ケイはにやりと笑った。
「大賢者様がいる限り、この世の平穏は約束されてる。心配いらないよ?」
・・・
魔王城に住まう大賢者様は今、腕を組んでの仁王立ちで、盛大にお怒り中である。
彼の前には、大理石の床に正座した、魔王と勇者が神妙な顔をして、大賢者ーミカを見上げている。
あるはずのない耳を垂れて、尻尾を巻いて、二人して泣きつくように瞳を潤ませる、そんな魔王と勇者を見下ろし、角をにょっきりと出していたミカを、本物の角を持つ、ひとつ角と、ふたつ角と、みつ角が物陰から見つめる。
「……放浪の大賢者様は、魔王様を越えたよもやの大魔王様だったのですね?」
「ひとつ角……お前は失言が多すぎる。口にチャックをつけろ」
「……ふたつ角より立派な二本の立派な角か見える」
みつ角の声が聞こえたのか、本物魔王ががギラリと三魔人を睨みつけて来るので、三人は一目散にそこから逃げ出した。
「あんの野郎ども……」
「アンバー。まだ発言を許していないよ?」
「はいっ!!」
「もっと、怒られろマオー」
「セルリアンもだよ」
「―――はい」
二人してしゅんと頭を垂れる、魔王と勇者を前に、角を出した大賢者様のお怒りは未だ納まる兆候すら見受けられない。
現在、この魔王城の実質的なトップは、放浪の大賢者ーミカ殿であるのだ。
「君達は、俺を……どうしたいんだい?」
「どうもこうもない、愛でまくりたい!」
「証明が必要なら、今すぐ!」
「―――ずっと生殺しなのに……?」
アンバーに続くセルリアンの言葉に、堪らずぼそりと溢してしまったらしいミカの顔が、自分の溢した言葉を理解したのか、真っ赤に染まる。
「「ミカ……?」」
アンバーとセルリアンの声が重なる。
真っ白な髪に真っ赤な顔。
ミカのそんな姿に、二人の喉がごくりと鳴る。
「ミカ……」
アンバーがミカの名を呼び、セルリアンがミカを担ぎ上げ攫って行く。
いつもならばここでアンバーが声を上げ、二人の小競り合いが始まるはずだというのに、文句を言いたいだろうに、今は我慢する!と顔に書いてあるアンバーが、セルリアンの先を走っていく。このところ三人で共に使っている魔王の居室の扉を蹴破ったアンバーに遅れてやってきたセルリアンが、少々乱暴にミカを寝台に投げ出すと、着ていた上衣をかなぐり捨てた。
「セルリアン―――?!」
「ごめん。もう、無理」
いつもとのあまりの違いにとっさの対応が遅れたミカの唇は、噛り付くようにセルリアンの唇に貪られ、もう、声も出せない。着衣は破る勢いではぎ取られ、両腕を頭の上で拘束されて、あられもない姿を晒すミカの喉元に、アンバーが噛り付く。
「お前が悪い!ミカ……!」
自分達は、獲物を喰い尽くす飢えた獣のようだと、アンバーは思う。
ミカの喉元を、鎖骨を噛み、所有印を散らしながら、セルリアンを推しのけ、甘く蕩ける唇を味わう。
「アンバーが、正しい」
溜まらず反り返ったミカの胸の赤く染まった尖りを口に含み、舌で転がしながら呟くと、兆し始めたミカのモノが目に入り、セルリアンは躊躇なくそれを口に含む。
息を吐く間もなく、二人の手に、唇に、翻弄されるミカは、文句を言いたくても言葉も出せず、二人の手に慣らされた体は甘く痺れ、抵抗することなどもう、出来はしない。
「……ん!、ァ―――っ!まって、あ?!」
「待たない。待たせてゴメンね?……ミカ……」
ミカの唇を舐めて、宥める様に耳元に囁くアンバーは、ミカの下肢を慰めているセルリアンに向かい、仕方がないと口を開いた。
「兄の立場として―――ホントはぜって~に許さんが、ミカの為だ。最初は、譲ってやる」
「アリガトウゴザイマス、お兄様」
「ふたり……とも、ま、ああ!」
既に勃ちあがりふるりと震えるミカのモノを舌と口腔で味わいながら、セルリアンがゆっくりと後孔を指で撫で、つぷりと緩くそのまま侵入させた。
「―――んっヤ……ん!」
ミカのソコは、二人して毎日指で慣らしているので、容易くセルリアンの指を受け入れてくれて、もう見知ったポイントを突く彼の指を、きゅうきゅうと締め付け始める。
「アンバーと二人して―――随分と慣らしたから、もう、大丈夫だね」
「さっさと挿れて、さっさと交代しろ!」
「煩いお兄様だ……」
興奮に上気した息を整える事もせず、下衣を寛がせて、自分のモノを露わにしたセルリアンが、そそり立つ自分自身を軽く扱いて、ミカの後孔にあてがった。
あと一息で、ミカの中に―――。
数年前、ミカを見つけ出したあの血塗れの森の中で、それこそ抱き潰したと言っていい程にミカを抱いた記憶など、今のセルリアンからは吹っ飛んでいた。
今、初めてミカを抱くような、そんな感覚に打ち震えながら、腰を進めようと彼が動いたその瞬間だった。
「師匠~~~~!!やっと師匠の大好物のラッキーオレンジが大量に手に入りましたよ~~!!」
ドカン!と魔王の居室の扉を開き、大きな麻袋を担いだケイが赤竜エルドと共に燦然と登場したのだが、如何せん、タイミングが最悪だった。
まさか、真っ昼間っから、シケ込んでいるなど、ケイには思いもよらなかったのだ。何故ならば、先刻買い物に出る前まで、一触即発って位に、大喧嘩中の三人だったのだから。
彼は、これを邪魔する意図も悪気も一片たりともない。
ケイはただ……最近「俺に何かが足りないのか……」と塞ぎ込んでいる、世界一大切な師匠を喜ばせたくて、笑って欲しくて、大好物のラッキーオレンジを大量に買い込んで来た。ただ、それだけだったのだが―――。
目の前のでっかい寝台の上で、組み伏せられたミカの目が、ケイを見つけて点になっている。
目の前のでっかい寝台の上で、ミカを組伏している魔王とセルリアンの目が、その視線だけで心臓を食い破る程の、凶暴な目で睨みつけて来る。
俺の命は今終わった。とケイは自覚し、エルドは防御姿勢を取った。
彼らの逃げ道は、ない。
・・・
久しぶりに爆発炎上した魔王城の姿に、周辺地域の人々は「ああ!勇者様はまだご存命だ!」と喜びの声を上げた。
「魔王城が爆発したことに安堵する日が来るとは思わなかったよ」
「ははは……スゴかったデスね……アレ……」
数日ぶりにまたもラッキーオレンジを購入しに来た常連客のオレンジ髪の青年に、笑い話を披露した店主は、腕を吊って傷だらけで笑う青年と、肩に乗った赤竜までもが翼に大怪我を負っている事を察して、お見舞いだと、高価な桐箱入りのラッキーオレンジをオマケしてくれた。
「そのケガ……やっぱり、あんたが『赤竜を連れた勇者』なのかい?」
「俺は断じてあんな化け物ではない!!」
ケイの叫びは、遠く魔王城に住まう地獄耳の勇者に届いていた。
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