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1、舞踏会
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「カミラ、用意は出来ましたか?」
「はい、お母様。でも、本当に舞踏会に行かなくてはいけないのですか?」
「当然です。今日は貴方の社交界デビューなのですから、背筋を伸ばしなさい」
「はい、お母様……」
カミラ・ガルシアはガルシア家の長女だった。今日は18才になって初めての舞踏会だ。と、言ってもカミラは人見知りで内向的だったので今まで舞踏会に出たことはない。つまり、初めての舞踏会だった。
王宮まで馬車で向かう。
「カミラ、王様や女王様に失礼の無いように」
「はい、お父様」
王宮に着くと、きらびやかな令嬢達が華やかな会話を繰り広げていた。
「お母様、お父様、やはり私、行きたく有りませんわ」
「そんな事言わずに、頑張りなさい」
「はい、お母様」
カミラが馬車を降りると、辺りの目が集まるのを感じた。
カミラは身長が180cmはあり、ヒールの低い靴を選んだがそれでも、人混みから頭が飛び出してしまう。
「恥ずかしいです、お母様」
「カミラ、背を伸ばしなさい」
「はい」
王と女王への挨拶を終え、舞踏会が始まった。
カミラは壁に張り付いて、楽しそうに踊る人々を眺めていた。
「カミラ様は踊られないのですか?」
「コリー王子様!?」
壁の花と化していたカミラは固まった。
「私と一緒に踊りませんか?」
「私でよろしいのですか?」
「ええ」
コリー王子は巧みにカミラをリードした。
辺りから囁く声が聞こえる。
「まあ、素敵」
「でも、背の高さが……」
コリー王子は160cmくらいしかなく、背の高いカミラといると、その背の低さが目立った。
「コリー様、気になりませんの? 私、背が高くてみっともないですから」
「そんなことはありませんよ。見た目で何か言いたい人たちには好きに言わせておけば良いのです」
二人は踊り終わると、バルコニーに出た。
「コリー様は背筋が伸びていて、格好良いですわね」
「カミラ様も背を伸ばせば良いと思いますよ」
「私を誘ったのは何故ですの?」
「せっかくの舞踏会で、素敵な女性が壁の花になっていたら声をかけるのは当然でしょう」
「素敵だなんて、恐れ多いです」
コリー王子はカミラに微笑んでから、手を振って舞踏会の会場へ戻っていった。
「コリー王子は身長を気にしないのですね」
カミラは、つないでいた手をじっと見つめた。
「はい、お母様。でも、本当に舞踏会に行かなくてはいけないのですか?」
「当然です。今日は貴方の社交界デビューなのですから、背筋を伸ばしなさい」
「はい、お母様……」
カミラ・ガルシアはガルシア家の長女だった。今日は18才になって初めての舞踏会だ。と、言ってもカミラは人見知りで内向的だったので今まで舞踏会に出たことはない。つまり、初めての舞踏会だった。
王宮まで馬車で向かう。
「カミラ、王様や女王様に失礼の無いように」
「はい、お父様」
王宮に着くと、きらびやかな令嬢達が華やかな会話を繰り広げていた。
「お母様、お父様、やはり私、行きたく有りませんわ」
「そんな事言わずに、頑張りなさい」
「はい、お母様」
カミラが馬車を降りると、辺りの目が集まるのを感じた。
カミラは身長が180cmはあり、ヒールの低い靴を選んだがそれでも、人混みから頭が飛び出してしまう。
「恥ずかしいです、お母様」
「カミラ、背を伸ばしなさい」
「はい」
王と女王への挨拶を終え、舞踏会が始まった。
カミラは壁に張り付いて、楽しそうに踊る人々を眺めていた。
「カミラ様は踊られないのですか?」
「コリー王子様!?」
壁の花と化していたカミラは固まった。
「私と一緒に踊りませんか?」
「私でよろしいのですか?」
「ええ」
コリー王子は巧みにカミラをリードした。
辺りから囁く声が聞こえる。
「まあ、素敵」
「でも、背の高さが……」
コリー王子は160cmくらいしかなく、背の高いカミラといると、その背の低さが目立った。
「コリー様、気になりませんの? 私、背が高くてみっともないですから」
「そんなことはありませんよ。見た目で何か言いたい人たちには好きに言わせておけば良いのです」
二人は踊り終わると、バルコニーに出た。
「コリー様は背筋が伸びていて、格好良いですわね」
「カミラ様も背を伸ばせば良いと思いますよ」
「私を誘ったのは何故ですの?」
「せっかくの舞踏会で、素敵な女性が壁の花になっていたら声をかけるのは当然でしょう」
「素敵だなんて、恐れ多いです」
コリー王子はカミラに微笑んでから、手を振って舞踏会の会場へ戻っていった。
「コリー王子は身長を気にしないのですね」
カミラは、つないでいた手をじっと見つめた。
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