【完結】他の人が好きな人を好きになる姉に愛する夫を奪われてしまいました。

山葵

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11 アリシア視点

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 サイード王子との婚約をする前、2人で会った時にアリシアはサイード王子から

「実は我が国は、一夫多妻で、私はすでに2人の妻が居る。私の第1王子妃は、隣国からの第3王女で、第2王子妃は、我が国の貴族の娘だ。2人共、政略結婚になる。3人目からは、私の好きにして良いと言われている。私が、自分から妻にしたいと思ったのはアリシア、貴殿だけだ。」

 はぁ!?妻が2人?私は、正妃になれるんじゃなかったの!?第3王子妃?何よ、それっ!?

 怒りで顔が赤くなるのに気が付き気付かれないように下を向く。

「アリシア、どうか私と一緒になって欲しい。あの日、私は貴殿に一目惚れしたのだ!
私の中では、妻はアリシアだけだ!」

「・・・サイード王子、私を1番に愛してくれますか?私を幸せにしてくれますか?」

「勿論だよアリシア!君だけを愛している!!」

「嬉しい!私も、サイード王子が好きです。必ず幸せにして下さいね!約束ですよ!」

「ありがとう!必ず幸せにすると誓おう!」

 王子が2人を愛していないのなら、まぁ良いかっ♪

「サイード王子、お願いが有るのですが…私の家族には一夫多妻で、2人の王子妃が居る事は黙っていて下さいませんか?知ると、きっと私の事を思って婚約に反対をすると思うのです…。私もサイード王子と結婚したい…お願い致します」

「アリシアが、それで良いのなら私は言わないよ」

「ありがとうございます。
王家の方にも伝えないように、サイード王子から、お願いして頂いても宜しいですか?」

「分かった!余計な事は伝えないように話しておくよ」

まぁ王族からの婚姻の申し込みなんだもの、伯爵家が断われるはずもないし、反対も出来ないんだけれど、皆には、私が3番目なんて、知られるわけにはいかないわ!1番目なら兎も角、3番目なんて…私のプライドが許さないわ!!

サイードは、私にメロメロなんだから、3番目と言っても、1番目みたいなものよ!

と、自分の都合の良い様に考えていた。

***

その一方で

「アリシア 行かないでくれ!君と離れるなんて俺には出来ない…2人で何処かに逃げよう!」

「何を言ってるのエドワード…私の結婚は国も絡んでいるのよ…。そんな事をしたらモルト家もワイス家も終わりよ…。私達2人のせいで家族が大変な目に有ってしまうわ…そんな事…出来ないわ…。」

「ごめん…分かっているんだ。そんな事は出来ないと…でも、あと少しで君が居なくなってしまうと思うと…堪らなくなるんだ…」

「エドワードはシンシアが居るじゃない?シンシアの事は好きではないの?」

「・・・好きだよ…でも、君が1番なんだ!どちらかを選べと言われたら俺はアリシア 君を躊躇わずに選ぶ!」

「ありがとうエドワード!とても嬉しいわ」


 まったく何なの この男は?シンシアにも良い顔をしているの知っているのよ!
 
 私を愛してる!と言っているわりには、シンシアと婚約解消をする気もないし、ヘタレなのか?

 大体にして駆け落ちなんて冗談じゃない。
私は、王子妃になるのよ!駆け落ちなんかしたら、ただの平民になっちゃうじゃない!?

 こっちは本気じゃないのに気が付かないで、エドワードもシンシアも本当に お馬鹿ねぇ~。
 気が付かないと言えば、サイード王子も私にメロメロで、まったく浮気に気が付かないのよねぇ~。
本当に皆、お馬鹿で良かったわ~。

 モテる女は罪ねぇ~!うふふ♪
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