公爵夫人は愛されている事に気が付かない

山葵

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怒涛の如くアーノルドは1日半で残りの仕事を終わらせた。

財務省内部で歓喜の雄叫びがあがり、屍の様だった男達が家路を急いだ。

アーノルドは流石に1ヶ月は休みをもぎ取る事は出来なかったが3日間の休みを貰った。

帰宅してから次の日の夕方までリリアナを寝室から出さなかったが、ダヤン達は毎度の事と気にする事もない。


「またライラから手紙だと!?嫌な予感しかしない…そのまま送り…「返せませんし、旦那様宛ではなく、奥様宛です」

ライラ様が帰国されてから3ヶ月が過ぎていた。
私に手紙なんて、どうされたのかしら?

「それこそ今のリリアナには良くない物だ。やはり送り返そう」

呆れ顔のダヤンは、私に手紙を差し出した。

「アーノルド、少し黙って…まぁライラ様はご懐妊されたそうよ!うふふ、どうやら本当に同じくらいに産まれそうね」

手紙には謝罪の言葉と公爵の溺愛ぶり自慢?とご懐妊の報告。そして私が同じ頃に妊娠していそうだと…そうだったら産まれてくる子供達を仲良くさせましょうね♪みたいな…。

「そんなに嬉しい事が書いてあったの?」

「コイラルド公爵のライラ様への溺愛はアーノルドに負けず劣らず凄いと思って」

「私のリリアナを想う気持ちの方が公爵より大きいから!私は、その気持ちだけは誰にも負けないと思っている」

「うふふ、ありがとう。私は、貴方に愛されて変わったわ。私なんて…と卑屈になっていた私を貴方は救い出してくれた。貴方と結婚していなければ、今の私は居なかったわ。お兄様やお姉様と何時も比べられている気がして、顔を上げて歩けなかったでしょう。諦めずに婚姻を申し込んでくれて、ありがとう。私を選んでくれて、ありがとう。私を愛してくれて、ありがとう。貴方を愛しているわ、アーノルド」

「私こそ結婚してくれて、ありがとう。ルノワールを産んでくれて、私に家族を授けてくれて、ありがとう。リリアナ、君を諦めずに結婚出来た事、君を伴侶に出来た事が私の幸せだ。これからも共に歩んで行きたい。私のリリアナ、君を心から愛している」

ダヤンとマリナは、黙って部屋を出て行った。


その後、私達の間に3人の子が生まれ、2男2女の親となった。
4人は、似ている所も有るが、それぞれ別の個性を持つ。
私は、その全てが可愛く愛らしく感じる。


お兄様、お姉様に卑屈になっていたリリアナはもういない。

リリアナはアーノルドに愛され変わった。

「アーノルド、愛しているわ」

「私も愛しているよ」

「あーまたお父様とお母様がキスしているわー」

「おかぁちゃま、ぐらんも、ぐらんもちゅーしてー」

今日もグライマス公爵家には愛が溢れている。




END

*****
最後まで読んで頂き ありがとうございます。

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