【完結】勘違いしないでくれ!君は(仮)だから。

山葵

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「父上が僕の婚約者を決めると言うから、咄嗟にクリスと結婚したい!と言ったんだ。ああ勘違いしないでくれ!君は(仮)だ。(仮)の婚約者だから本気にしないでくれ。学園を卒業するまでには僕は愛する人を見付けるつもりだよ」

そう笑顔で私に言ったのは第5王子のフィリップ様だ。
末っ子なので兄王子4人と姉王女に可愛がられ甘えん坊の駄目王子に育った。

「なぜ私を婚約者にしたいと言ったのですか?今から国王陛下に取り消しに行ってください!」

「嫌だよ!そんな事をしたら、強引に婚約者を決められて好きな人と結婚が出来ないじゃないかっ!」

「それでは私に傷が付くのは良いのですか!?3年後迄には殿下は私と婚約を解消されるのですよね?」

「ああ慰謝料は、たぁーぷり払うよ。そんなにプリプリしないで。(仮)とは言え、僕の婚約者に選ばれたんだよ!?光栄でしょ?」

ああ、頭が痛い。
この人と話していても話が通じない。

屋敷に戻れば、お父様とお母様が第5王子との婚姻を喜んでいる。

「うちは伯爵家なのですよ。そんな上手い話がある訳ないじゃないですか?いつか殿下に飽きられて婚約解消されますよ」

「殿下がクリスをと望んだのだぞ?」

「何かの間違いです。それに殿下が早いうち気が付きますよ」

全く人の迷惑も考えないで、あの馬鹿王子!!

(仮)の婚約者になったは良いが、周りは(仮)なんて知らない事で、婚約が決まれば王子妃教育があり、婚約発表があり…。

「ふざけるなぁー!私の自由な時間を返せ!!
(仮)の為に、国税使うなぁー!!!」

と、叫びたい。

「それで殿下に好きな人は出来ましたか?」

「まだだねー」

「何をしているんですか?ちゃんと探しています!?あと1年で卒業ですよ?」

「見付からなかったら君は僕と結婚が出来るよ!」

「絶対に嫌です!早く見付けて下さい!」

手元にある紅茶を頭から掛けてやりたい衝動を押さえ「頑張って下さいね」と、にこやかに笑った。
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