8 / 39
8
しおりを挟む
「アルベルト、リリアナに一体、何が有ったのだ?」
「スーザンが、リリアナに本当の家族では無い事を言ってしまった様です」
「はっ?何故スーザン嬢が、その様な事を!?」
「分かりません」
母上は、驚き泣き崩れた。
俺達家族とリリアナは、血が繋がってはいない。
リリアナは、前フリーマン侯爵当主の娘だ。
リリアナが、まだ赤子の時に馬車の転落事故で前フリーマン侯爵夫妻は亡くなった。
奇跡的にリリアナだけが生き延びた。
馬車の下敷きになった時に夫妻はリリアナを庇うように亡くなっていたという。
前フリーマン侯爵の妹である母上しか身内が居なかった為、俺達家族がリリアナを引き取り、成人して爵位を次げる歳まで父上がフリーマン侯爵家とレイノルズ侯爵家を治めている。
リリアナには、学園に入る前に話をする予定だった。
まさか赤の他人である、スーザンから告げられるなんて。
「父上、グリル伯爵家との縁談は無かった事として下さい。リリアナを貶める様な人と添い遂げる事など出来ません」
「勿論だ!レイノルズ侯爵家も随分と舐められたものだ。潰してやる!!」
父上も母上もリリアナの事を我が子の様に育て溺愛してきた。
それは俺も…嫌、俺の愛は家族愛ではない。
いつからリリアナを妹として見れなくなったのだろう…。
リリアナ、ごめんね。
俺はお前の「お兄様」にはなれない。
「スーザンが、リリアナに本当の家族では無い事を言ってしまった様です」
「はっ?何故スーザン嬢が、その様な事を!?」
「分かりません」
母上は、驚き泣き崩れた。
俺達家族とリリアナは、血が繋がってはいない。
リリアナは、前フリーマン侯爵当主の娘だ。
リリアナが、まだ赤子の時に馬車の転落事故で前フリーマン侯爵夫妻は亡くなった。
奇跡的にリリアナだけが生き延びた。
馬車の下敷きになった時に夫妻はリリアナを庇うように亡くなっていたという。
前フリーマン侯爵の妹である母上しか身内が居なかった為、俺達家族がリリアナを引き取り、成人して爵位を次げる歳まで父上がフリーマン侯爵家とレイノルズ侯爵家を治めている。
リリアナには、学園に入る前に話をする予定だった。
まさか赤の他人である、スーザンから告げられるなんて。
「父上、グリル伯爵家との縁談は無かった事として下さい。リリアナを貶める様な人と添い遂げる事など出来ません」
「勿論だ!レイノルズ侯爵家も随分と舐められたものだ。潰してやる!!」
父上も母上もリリアナの事を我が子の様に育て溺愛してきた。
それは俺も…嫌、俺の愛は家族愛ではない。
いつからリリアナを妹として見れなくなったのだろう…。
リリアナ、ごめんね。
俺はお前の「お兄様」にはなれない。
44
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
彼の過ちと彼女の選択
浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。
そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。
一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。
本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。
四季
恋愛
本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。
駄犬の話
毒島醜女
恋愛
駄犬がいた。
不幸な場所から拾って愛情を与えたのに裏切った畜生が。
もう思い出すことはない二匹の事を、令嬢は語る。
※かわいそうな過去を持った不幸な人間がみんな善人というわけじゃないし、何でも許されるわけじゃねえぞという話。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる