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「おはようリリアナ、気分はどう?」
えっとお母様よね?
「おはようございます。身体は、まだ少し痛みますが、だいぶ良くなりました」
「…何か…いえ何でもないわ。気分が良いなら外でお茶をしない?」
お母様は、何か思い出したか聞きたかったのだろう。でも…何も思い出せないでいる。
私とお母様は、庭のガゼボに向かう。
「薔薇がとても綺麗ですね♪」
「そうね!さぁそこに座りましょう」
椅子に座るとメイドがお茶を淹れてくれた。
「リリアナ、生活面で不自由している事など無い?」
記憶は無くなっているが、生活する事は不思議と身体が覚えている様で問題なく過ごせている。
「大丈夫です。心配して頂き、ありがとうございます」
お母様は、私の返答に顔をしかめている。
何か変な事を言ったかしら?
「記憶が無いからしょうがないのかしら…」
「…?」
「前みたいに接してはくれないのね…」
「あっ…」
そうよね…普通の親子が、こんな余所余所しく話さないわよね。
「ごめんなさい」
「い、良いのよ。わたくしが無理を言ってしまっただけなの…。リリアナは、記憶が無いんだもの、ごめんなさいね」
お母様の寂しそうな顔。
ごめんなさい…。
早く記憶が戻れば良い…。
何か、何か思い出さないと…。
「ハァ…ハァ…」
「リリアナ?!マリーお医者様を早く呼んで!」
ご、ごめんなさい…また、心配させて…。
「リリアナ!リリアナ!しっかりして!!」
えっとお母様よね?
「おはようございます。身体は、まだ少し痛みますが、だいぶ良くなりました」
「…何か…いえ何でもないわ。気分が良いなら外でお茶をしない?」
お母様は、何か思い出したか聞きたかったのだろう。でも…何も思い出せないでいる。
私とお母様は、庭のガゼボに向かう。
「薔薇がとても綺麗ですね♪」
「そうね!さぁそこに座りましょう」
椅子に座るとメイドがお茶を淹れてくれた。
「リリアナ、生活面で不自由している事など無い?」
記憶は無くなっているが、生活する事は不思議と身体が覚えている様で問題なく過ごせている。
「大丈夫です。心配して頂き、ありがとうございます」
お母様は、私の返答に顔をしかめている。
何か変な事を言ったかしら?
「記憶が無いからしょうがないのかしら…」
「…?」
「前みたいに接してはくれないのね…」
「あっ…」
そうよね…普通の親子が、こんな余所余所しく話さないわよね。
「ごめんなさい」
「い、良いのよ。わたくしが無理を言ってしまっただけなの…。リリアナは、記憶が無いんだもの、ごめんなさいね」
お母様の寂しそうな顔。
ごめんなさい…。
早く記憶が戻れば良い…。
何か、何か思い出さないと…。
「ハァ…ハァ…」
「リリアナ?!マリーお医者様を早く呼んで!」
ご、ごめんなさい…また、心配させて…。
「リリアナ!リリアナ!しっかりして!!」
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