私の好きなお兄様

山葵

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昼間の事が頭から離れず、なかなか眠れない。

私…お兄様とキスをしたのよね!?

想いが通じあったのよね!?

まだ信じられない…。

記憶が失くなる前のお兄様は、とても冷たく、私の事を避けていた。

それが、とても悲しくて…なぜ嫌われているのか分からずに泣いていた。

そのお兄様と両想いだったなんて…。

ベッドの上で踠いていると、扉が開く音がした気がして、そちらを見ると部屋続きのお兄様との部屋の扉だった。

「お、お兄様?」

「……」

「どうされましたか?」

「…リリアナ、そっちに行っても良いか?」

何か用なのだろうか?

リリアナは、ベッドから起き上がり「大丈夫ですよ。どうされましたか?」と答え、ベッドから出ようとする。

「そのままで…」

そう告げると足早にリリアナのベッドまで歩いてきた。

お兄様の顔を見上げると、リリアナを見つめる目が熱を帯びている。

「あっ…」

リリアナは押し倒され、キスをされた。

そのキスは昼間のキスとは違い荒々しくリリアナを攻め立てる。

「…ん…んん…」

息が出来ない!

「フッ…鼻で息をするんだよ」

鼻で?

そう言うと再びキスをされ、口が開いた瞬間に舌がねじ込まれリリアナの口内を攻める。

な、何?お兄様の舌が私の舌に絡んで…。

「んん…ん…」

長い濃厚なキスでトロトロにされ、力なく横たえているリリアナの首筋に舌を這わせながら

「リリアナ、愛してる。あーリリアナを俺のものにしたいなぁー!…でも今は、まだ駄目だ!」

冷静さを取り戻したお兄様は、リリアナに布団を掛けると、軽いキスをし「おやすみ」と部屋を出ていく。

リリアナは、扉を出ているアルベルトの姿をボゥとしながら見送り、更に眠れない夜を過ごす事となった。
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