私の好きなお兄様

山葵

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「お父様とお母様は、お兄様がレイノルズ侯爵家を継ぐのを望んでおります。だからと言って今まで わたくしの為にと治め下さっていたフリーマン侯爵家を返上するのも違う気がして…」

「ならば父上には、もう少しフリーマン侯爵家を治めて貰い、私達の子にフリーマン侯爵家を継がせるのはどうだ?」

私達の子供…。

それって…顔が火照るのが分かる。

「リリアナは、可愛いなぁー!チュ…」

お兄様は、頬に口付けをしてきた。

「私が卒業したら直ぐに結婚をしよう。リリアナには学園を諦めて貰う事になるけれど…結婚しても勉強をしたければ家庭教師をそのまま雇えば良いし。ねっ、リリアナそれで良いと言ってくれ」

私に縋る様に見つめるお兄様。

ふぅー。

「お兄様、本当にそれで良いのですか?お兄様でしたら、わたくしでなくとも良縁が…」

自分で口に出している言葉が胸を締め付けて苦しくなる。

「リリアナは、本気でそれを言っているの?私を好きだと言ったのは嘘だったの?」

「う…嘘では…ありません…ですが…」

フッと お兄様に抱き寄せられ、頭を撫でられる。

「ごめんね…そんなに辛い顔をさせるつもりでは無かったんだよ」

私は、お兄様に、しがみついて良いのだろうか?
本当は、お兄様と結婚したいと我が儘を言っても良いのだろうか?

「リリアナ、私は君と離れるつもりは無いよ。父上と母上に先程の話をしてみよう。2人は私達が結ばれる事を喜んでくれているんだ。きっと大丈夫、上手く行くよ」

お兄様の言葉に私は頷く。

お兄様は、私の頬を両手で挟むと口付けをした。

「んっ…ぁ…ん…」

唇が離れる…。

「あともう少し…そしたらリリアナは、私の物だ」

お兄様は「おやすみ」と言って部屋を出ていった。
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