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僕の家族は、お父様とお母様の3人。
お父様は、騎士団の副団長を務めるバンス子爵だ。
お母様は、ガイヤ伯爵家の令嬢だったんだけれど、両親が亡くなって叔父さんにガイヤ伯爵家を取られちゃったんだって。
そして息子の僕は、このバンス子爵家の嫡男で6歳になる。
うちの両親は、とても仲が良くて、いつも笑っていたんだ。
そう3ヶ月前までは…。
「お帰りなさい。今日も遅くまでお疲れ様でした。最近、忙しそうだけれど身体は大丈夫?食事は、団の方で取ったの?」
最近、仕事で遅くなる夫のミハイルを出迎え、妻のクラリスは、夫の身体を心配していた。
「食事は向こうで取った。身体は問題ない。はぁー疲れたから、もう休む。」
そう言うと、寝室へと向かってしまった。
前までのミハイルなら、どんなに遅く帰っても、息子の顔を見たい!と言ってライナスの寝室へと向かったのに、最近のミハイルは、疲れた。と言ってライナスの寝顔を見ないし、クラリスとも疲れが取れないから。と言って寝室も別にしている。
休みの日も、仕事が残っている。と言って出掛けてしまう。
執事も使用人も皆、副団長に昇進されてから忙しくしているお父様を心配していたが、昇進直後の為に色々とあるのだろうと思っていた。
「ねぇアンナ。今日は、お母様は、お茶会で出掛けるでしょう。その時に、お母様の誕生日プレゼントを買いに行きたいんだけれど、セバスに行って良いか、こっそり聞いてきてくれる?」
「まあお坊っちゃま!きっとセバスさんも許して下さいますよ。朝食の時に、こっそり聞いて置きますね♪」
お母様の誕生日まで、あと5日。
僕は、アンナと護衛のバロンを連れて街に出た。
何軒か回ってお母様のプレゼントを買う。
『ぐぅ~』
お腹が空いて鳴っちゃった。
「お坊っちゃま。お昼にしましょうか?何処か店に入りますしょう。」
店に入ってもアンナもバロンは一緒に食べてはくれない。
ならば露店にしようと露店に向かっていた。
串肉とサンドとジュースを3人分買ってきて!と2人に頼み、僕は、広場のベンチに座って待っていた。
あれ?あそこに居るのはお父様だ。
隣に居る女の人は誰?
なんか親しそうだけれど???
「お父様ぁ~!!」
あの女の人が誰なのか確認しなきゃ。
「ラ、ライナス!?何で、こんな所に!?」
「あのね、お母様の誕生日が5日後でしょう。僕、お母様にプレゼントを買おうとアンナとバロンと買い物に来たの。お父様は、お仕事だよね?」
「あ、ああ。街の見回りで…」
「そうなの?ご苦労様です。え~っと、隣の方は騎士団の人?」
「あっ。ご挨拶が遅れました。私は、ご子息様のお父様と一緒に働いていますマリア・ダンと申します。まだ新人で、副団長に色々と指導して貰っています。本当に、何から何まで指導して貰って。そのせいで帰宅が遅くなってしまって、ねぇミハイル副団長ぉ~♪」
「マ、マリアっ!ラ、ライナス、仕事の最中だから行くぞ。お前も気を付けて帰れ。」
お父様、なぜそんなに焦っているの?
見回りの最中だと言うけれど、2人共、平民の服を着ているのは何故?
そんな疑問は残るけれど、僕は「はい!お父様もお仕事頑張って下さい!」と言って微笑んだ。
立ち去ろうとしたお父様に、思い出した様に僕は言った。
「お父様。5日後のお母様の誕生日には早く帰れますか?セバス達とお母様の誕生日パーティーの準備をしているのです。」
「…早く帰れる様に調整してみる。」
そう言うとお父様は、歩き出した。
「5日後が奥様の誕生日かぁ~。ライナス様、ミハイル様は、お母様と私…いえ、仕事のどっちを優先するのかしらね♪」
嘲笑ってお父様の後を追ったマリア。
僕の中で、お父様に不信感を抱いた。
お母様の誕生日。
お父様は、仕事が忙しいと言って、パーティーに参加しなかった。
去年までは、率先してお母様の誕生日を祝っていたのに…。
お母様の誕生日から1週間後。
お父様の忘れ物を取りに来たとマリアが屋敷を訪ねて来た。
庭で遊んでいた僕にマリアが近付いて来た。
「ライナス様、こんにちは!奥様の誕生日は、ミハイル様は私を選んで、ごめんなさいね。今日は近々住む事になる屋敷を見に来ちゃいました。ねぇライナス様。来年には貴方の弟か妹が産まれるんです。私、出来れば自分の子に爵位を継いで欲しいんですよねぇ~。ミハイル様は、貴方が嫡男だからと引き取ると言うんですけれど、貴方もお母様と離れて暮らすなんて嫌ですよね!?私、貴方が残っても優しく出来そうにないし~。だから、お母様と一緒に出て行って下さいね♪」
「ちょっとあなた何を言っているのですか!?」
アンナがマリアに食って掛かった。
「あら、近々屋敷の女主人になる私に楯突こうと言うの?私が女主人になったら、貴女はクビね!」
それじゃあ~♪と言ってマリアは帰って行った。
僕はマリアに今、聞いた事は黙っている様に言った。
部屋に戻るとセバスを呼ぶ。
マリアの事をセバスには話し、僕はお父様がお母様に離縁を言い出す前に動き出した。
お父様は、騎士団の副団長を務めるバンス子爵だ。
お母様は、ガイヤ伯爵家の令嬢だったんだけれど、両親が亡くなって叔父さんにガイヤ伯爵家を取られちゃったんだって。
そして息子の僕は、このバンス子爵家の嫡男で6歳になる。
うちの両親は、とても仲が良くて、いつも笑っていたんだ。
そう3ヶ月前までは…。
「お帰りなさい。今日も遅くまでお疲れ様でした。最近、忙しそうだけれど身体は大丈夫?食事は、団の方で取ったの?」
最近、仕事で遅くなる夫のミハイルを出迎え、妻のクラリスは、夫の身体を心配していた。
「食事は向こうで取った。身体は問題ない。はぁー疲れたから、もう休む。」
そう言うと、寝室へと向かってしまった。
前までのミハイルなら、どんなに遅く帰っても、息子の顔を見たい!と言ってライナスの寝室へと向かったのに、最近のミハイルは、疲れた。と言ってライナスの寝顔を見ないし、クラリスとも疲れが取れないから。と言って寝室も別にしている。
休みの日も、仕事が残っている。と言って出掛けてしまう。
執事も使用人も皆、副団長に昇進されてから忙しくしているお父様を心配していたが、昇進直後の為に色々とあるのだろうと思っていた。
「ねぇアンナ。今日は、お母様は、お茶会で出掛けるでしょう。その時に、お母様の誕生日プレゼントを買いに行きたいんだけれど、セバスに行って良いか、こっそり聞いてきてくれる?」
「まあお坊っちゃま!きっとセバスさんも許して下さいますよ。朝食の時に、こっそり聞いて置きますね♪」
お母様の誕生日まで、あと5日。
僕は、アンナと護衛のバロンを連れて街に出た。
何軒か回ってお母様のプレゼントを買う。
『ぐぅ~』
お腹が空いて鳴っちゃった。
「お坊っちゃま。お昼にしましょうか?何処か店に入りますしょう。」
店に入ってもアンナもバロンは一緒に食べてはくれない。
ならば露店にしようと露店に向かっていた。
串肉とサンドとジュースを3人分買ってきて!と2人に頼み、僕は、広場のベンチに座って待っていた。
あれ?あそこに居るのはお父様だ。
隣に居る女の人は誰?
なんか親しそうだけれど???
「お父様ぁ~!!」
あの女の人が誰なのか確認しなきゃ。
「ラ、ライナス!?何で、こんな所に!?」
「あのね、お母様の誕生日が5日後でしょう。僕、お母様にプレゼントを買おうとアンナとバロンと買い物に来たの。お父様は、お仕事だよね?」
「あ、ああ。街の見回りで…」
「そうなの?ご苦労様です。え~っと、隣の方は騎士団の人?」
「あっ。ご挨拶が遅れました。私は、ご子息様のお父様と一緒に働いていますマリア・ダンと申します。まだ新人で、副団長に色々と指導して貰っています。本当に、何から何まで指導して貰って。そのせいで帰宅が遅くなってしまって、ねぇミハイル副団長ぉ~♪」
「マ、マリアっ!ラ、ライナス、仕事の最中だから行くぞ。お前も気を付けて帰れ。」
お父様、なぜそんなに焦っているの?
見回りの最中だと言うけれど、2人共、平民の服を着ているのは何故?
そんな疑問は残るけれど、僕は「はい!お父様もお仕事頑張って下さい!」と言って微笑んだ。
立ち去ろうとしたお父様に、思い出した様に僕は言った。
「お父様。5日後のお母様の誕生日には早く帰れますか?セバス達とお母様の誕生日パーティーの準備をしているのです。」
「…早く帰れる様に調整してみる。」
そう言うとお父様は、歩き出した。
「5日後が奥様の誕生日かぁ~。ライナス様、ミハイル様は、お母様と私…いえ、仕事のどっちを優先するのかしらね♪」
嘲笑ってお父様の後を追ったマリア。
僕の中で、お父様に不信感を抱いた。
お母様の誕生日。
お父様は、仕事が忙しいと言って、パーティーに参加しなかった。
去年までは、率先してお母様の誕生日を祝っていたのに…。
お母様の誕生日から1週間後。
お父様の忘れ物を取りに来たとマリアが屋敷を訪ねて来た。
庭で遊んでいた僕にマリアが近付いて来た。
「ライナス様、こんにちは!奥様の誕生日は、ミハイル様は私を選んで、ごめんなさいね。今日は近々住む事になる屋敷を見に来ちゃいました。ねぇライナス様。来年には貴方の弟か妹が産まれるんです。私、出来れば自分の子に爵位を継いで欲しいんですよねぇ~。ミハイル様は、貴方が嫡男だからと引き取ると言うんですけれど、貴方もお母様と離れて暮らすなんて嫌ですよね!?私、貴方が残っても優しく出来そうにないし~。だから、お母様と一緒に出て行って下さいね♪」
「ちょっとあなた何を言っているのですか!?」
アンナがマリアに食って掛かった。
「あら、近々屋敷の女主人になる私に楯突こうと言うの?私が女主人になったら、貴女はクビね!」
それじゃあ~♪と言ってマリアは帰って行った。
僕はマリアに今、聞いた事は黙っている様に言った。
部屋に戻るとセバスを呼ぶ。
マリアの事をセバスには話し、僕はお父様がお母様に離縁を言い出す前に動き出した。
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