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第1章 脱走した従業員
第2話 タツヤ、挫折を味わう!
しおりを挟む俺とレイさんは道を塞ぐ警備員と戦うことになった。この警備員野郎も調教して犬奴隷にしてやるぜぇ~。
俺とレイさんはそれぞれの攻撃スキルを警備員に向けて放つ。
~タツヤカッター~
貧弱な下半身で蹴り上げるタツヤの物理攻撃スキル。
格ゲーのキャラの技を真似てみたが、下半身が貧弱な俺では再現できなかったぜ。
俺が放ったタツヤカッターは警備員の顔面に命中し、警備員は一瞬怯んだ。その隙にレイさんも追撃を仕掛ける。
~ロウソク攻め~
火のついたロウソクを敵に押し付けるレイの火属性攻撃スキル。
「あちぃ! 何しやがる!」
「熱いのはわかってんだよオイオラァァ!」
熱がる警備員に怒涛の攻撃を続けるレイさん。すると、警備員も負けじと両手で斧を振り回してきた。
その攻撃はレイさんに命中し、レイさんは吹っ飛んだ。運良くかすり傷で済んだが、まともに食らっていたら今頃大けがしていたところだぜ。
「本気で怒らしちゃったねぇ! オレのことねぇ! おじさんのこと本気で怒らせちゃったねぇ!」
レイさんは体勢を立て直すと、拳を構えてファイティングポーズを取った。
この状態は"おじさん無双"と呼ばれる状態で、この状態のレイさんはパワーが大幅に上がっているぜ。
「じゃあオラオラ来いよオラァ!!」
「ぐあっ! やめろこのっ!」
~おじさんブロー~
ひたすらタコ殴りにした後、敵をスタンさせる、レイの必殺技。
レイさんにボコボコにされた警備員はめまいを起こし、その場で立ちすくむ。
「よーし、次は俺の番だぜぇ!」
俺はポケットから散髪刀を取り出し、警備員の頭部目掛けて攻撃を仕掛ける。
~髪なんか必要ねぇんだよ!~
散髪刀で敵の頭を丸坊主にして脱力させる弱体スキル。タツヤの必殺技。
「髪なんか必要ねぇんだよ!」
俺は散髪刀を華麗に操り、警備員の頭を丸刈りにする。
警備員は恥ずかしさのあまり、両手で頭を隠しながら地面にひざまずいた。
「ふん、ざまあねぇな!」
「へっへっへ……覚悟はできてるんだろうな~?」
「や、やめてくれ~!」
警備員が戦意喪失したところで、俺とレイさんは調教の構えを取った。
「お前を芸術品に仕立てや……仕立てあげてやんだよ~」
俺とレイさんは鞭と竹刀で警備員を叩き続けて調教する。
しばらくすると、警備員は四つん這いになり、犬の真似をするようになった。お~、いい格好だぜぇ。これで調教は完了だ。
どんな敵も、どんな悪人も殺さずに調教する、それが真の調教師ってもんだぜ。
「ワン……ワン……」
「よーし、これでこの警備員も俺らの従順な犬奴隷だぜぇ~」
「そうだな。邪魔者はいなくなったし、公園に入ってマヒルを捕獲しようぜ」
俺たちは公園の中に入った。中は遊具やベンチ、自販機などが設置されている。緑豊かで大人も子供も楽しめそうな公園だ。
そして俺たちの視線の向こうにはマヒルの姿があった。ついに追い詰めたぜ。
俺たちはマヒルの元へ駆けつけ、奴の身柄を確保する。
「手こずらせやがって! 脱走したからには何されるか分かってんだろうなぁ?」
「許してください! 何でもしますから!」
「……ん? 今なんでもするって言ったよな? レイさん、やっちまおうぜ」
「おう!」
レイさんは手持ちのロウソクに火をつけ、それをマヒルに突き出す。
「アツゥイ!」
「熱いのはわかってんだよオイオラァァ!!」
レイさんの怒涛の殴りとロウソク攻めでついにマヒルはダウン。
俺はマヒルの身体をロープで縛って捕獲した。
「よし、1人捕まえたぜ。残りは3人だな」
俺たちは捕獲したマヒルを連れてBAR Tatsuyaに戻ろうとした。……が、どこからか視線を感じる。
その時、公園の木の中から何者かが飛び出してきた。
「騒がしい公園だな。何か面白いことでもあるのかなー?」
姿を現したそいつは全身を黒い衣装とマスクで身を包んでおり、忍者のような恰好をしている。
目元以外の素顔は隠されているが、その目つきは間違いなくアメリカンだ。素顔を隠していても調教師の俺の目はごまかせないぜ。
「うお!? 何だこの忍者は?」
「レイさん、そいつはアメリカン忍者だぜ!」
「え? お前アメリカンなのか?」
「ビンゴ! なあ君たち、何か面白いことでもあったの? 俺も混ぜてくれよ」
どうやらこのアメリカン忍者は、大の男2人が男の娘を縛っている目の前の状況を見ても何とも思っていないらしい。
それどころか、外見に似合わず陽気で好奇心旺盛な野郎だ。
ならこのアメリカン忍者も調教してお持ち帰りしてやりたいぜ。
「おぉ、いいぜぇ~。その前に、俺らに調教されてもらうぜぇ~? アメリカン忍者を俺たちの忠実な犬にすれば最高だよなぁ~?」
「そうそう! それがいいぜ!」
「……え? 調教って何だよ!?」
突然の出来事に戸惑うアメリカン忍者に俺たちは奇襲を仕掛ける。
すると、アメリカン忍者の目つきは豹変、俺たちの攻撃を軽々とかわした。
アメリカン忍者は俺たちに見切れない程の圧倒的なスピードで高速移動し、手持ちの短剣で俺たちを斬りつけた。
「アッ――!!」
「な……なんて強さだ!」
圧倒的戦闘力の差に思わず悶絶する俺とレイさん。
倒れた俺たちを、アメリカン忍者はつまらなそうな目で見下ろしていた。
「喧嘩を売るなら相手をよく見極めてからにするんだな。それじゃ、あばよ!」
アメリカン忍者はそう言い残し、素早くどこかへ去って行った。
ちくしょう……覚えてろよ! アメリカン忍者め!
「……タツヤさん、駄目だったな……」
「……俺じゃ……俺じゃ駄目なのか?」
「え?」
「俺は調教師の役割すら満足に果たせないのか……? こんな俺が、SMバーの運営やホモビデオ撮影なんてできるのか……? お……俺なんか……」
俺はアメリカン忍者に惨敗した悔しさで今にも泣きそうだ。
「タツヤさん、自分を責めても何も始まらないぜ」
「レイさんは悔しくないのか!? あんなに力の差を見せ付けられて!」
「……悔しいに決まってるじゃないスか。けどな、そうやってくよくよして何になる?」
「……!」
「分かるか、タツヤさん? 今回は相手が悪かったんだ。それでもオレたちは前に向かって進むしか無いんだ」
レイさんの言う通りだ。たかが忍者1人取り逃がしたくらいでくよくよするのも馬鹿らしくなってきたぜ。でもやっぱり悔しいなぁ。
「レイさん……すまんな……」
「気にするな。オレたちは仲間じゃないか」
笑顔で返事をするレイさん。やっぱり持つべきものは友だよな。
「ありがとナス……レイさん……。俺、もっと強くなるから……だから、しばらくそっとしておいてくれ……」
「タツヤさん……」
「あ……あぁ……あああああああああああ!!!!」
俺はめっちゃ泣いた。涙が枯れるほどな。俺はこの悔しさをバネに強く生きることにしたぜ。
「まぁ、いろいろありましたが……そろそろマヒルをBAR Tatsuyaに持ち帰ろうぜ!」
「ふへへへへへ!」
「なっはははははは!」
さっきまでの悲しい雰囲気が嘘のように、俺たちはハイテンションになっていた。いつまでも落ち込んでいるわけにはいかないからな。
俺たちは捕獲したマヒルを連れてBAR Tatsuyaに戻って行った。
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