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第1章 脱走した従業員
第3話 メトロポリスへ行く!
しおりを挟むマヒルをバーの地下室に閉じ込めた俺たちは、マヒルから残りの脱走者の行方を聞き出した。
マヒルの話によると、残りの3人の脱走者、"ポイテーゼ"は大都会の街メトロポリスへ、"トーム"は山奥の村キムラ村へ、そして"ヒデオ"は雪の町ソフトクリーム島に散らばったそうだ。
自爆テロがあって封鎖中だった駅は翌日開放された。さすが駅員、仕事が早いぜ。
俺たちは電車に乗り、まずはメトロポリスへ向かう。
メトロポリスに到着すると、俺たちの拠点であるホモの町から一変、高層ビルが並ぶ大都会の風景が目に映った。
「こんな大都会の中で脱走者を探すのは大変だなぁ」
「まだこの街に残っている可能性もある。まずは街の中で情報収集していこうぜ」
俺たちはこの広い街の中で聞き込み調査を開始する。
外にいる人間から聞いた話によると、レストランやライブハウスに行けば有益な情報が得られやすいとのことだ。
俺たちがそれっぽい建物を探しながら歩き回っていると、ライブハウスを発見した。
早速俺たちがライブハウスに入ると、中では男女数人が楽しそうに踊っており、ステージの上ではバニーガールが歌と踊りを披露している。
中にいる男どもはバニーガールに夢中のようだが、あいにく俺は女に興味ねぇんだよ。
ムカついたから俺たちはこの建物の中にいる男どもを片っ端から調教してやったぜ。
ついさっきまでバニーガールに夢中だった男どもも、今ではすっかりホモの世界に入り漬かっちまってるぜぇ~。
男は全員調教しちまったから、残りの女どもから情報収集するぜ。
「さっきまで一緒にいた男の子、魔王城へ面接しに行くって言ってたのよ。ポイテーゼ君って言ったかな? 魔王城で働きたいなんて変わった人もいるもんだね」
ここでついにポイテーゼに関する情報を入手した。
というかこの女、平然と魔王城という言葉を口にしやがったな。
こんな都会の街に魔王城があるとは、もう現代なのかファンタジー世界なのか分かんねぇな。
ん? 待てよ……? ポイテーゼの奴、まさか……?
「ポイテーゼだと!? あの野郎、魔王側に寝返って俺らに復讐する気だな!」
「もしそうだとしたらヤバいな。魔王城へ向かう前にもう少し準備をしようぜ。他の場所でも情報収集してみようか」
確かに今の俺たちがいきなり魔王城へ向かうのは無謀かもな。魔王城に本物の魔王が存在していればの話だが。
俺たちはライブハウスを後にし、次は腹ごしらえも兼ねてレストランへ向かった。
レストランの中はいたって普通のファミレスだ。だが、レストランの中に1人だけ異質な奴がいた。
そいつは自分の机の上に特盛のラーメン、ステーキ、ケーキ、ビールを置いており、それをたった1人で食べている巨漢デブだ。
「ねぇ、隣のデブちょっと食べすぎじゃない? あれ全部1人で食べるのかな?」
デブの隣の席で食事をしている女2人組がヒソヒソ話をしている。誰から見ても異質な光景だもんな。
俺たちは興味本位でデブに近づくと、デブは俺たちに向かって言葉を発する。
「酒飲むと気持ちが良いぜ。だが酒を飲みながら飯を食い過ぎない方が良いぜ。めっちゃデブるからな」
「なるほど、クソの役にも立たない情報だな」
酒を飲みながら飯を食い過ぎない方が良いって自分で言っておきながら、お前はめちゃくちゃ食ってるじゃねーか、オイ!
俺たちはこんなクソデブからさっさと離れて別の席を探す。
すると、今度はツルッパゲの男が俺たちに話しかけてくる。
「お前ら、魔王城には絶対入っちゃ駄目だぞ! 俺なんて魔王に脱毛剤をぶっ掛けられてこんな頭になっちまったんだ!」
「オォン!? 魔王ってそんなヤバい奴なのかよ!? 貴重な情報感謝するぜ」
どうやらこのツルッパゲ男は魔王にやられた犠牲者らしい。
人間に脱毛剤をぶっ掛けてハゲにしてくる魔王とか、いろんな意味でヤバいな。
俺たちはその後もしばらく聞き込みを続けていると、ようやく有益な情報を持っていそうなイケメンと遭遇した。
「ここだけの話だ。1時間1000円で自分を売る"レンタルニート"と呼ばれる男が魔王城に入って行くのを見たんだ。単身で魔王討伐に向かう気なのか、それとも魔王の遊び相手にでもなるのか、どちらにしろ命知らずな奴だな」
1時間1000円で自分を売るなんて、いくら何でも自分を安売りしすぎじゃねーのか!? そのレンタルニートって奴はよぉ!
ニートが魔王に勝てるわけ無いだろうし、そいつは今頃魔王にボコられて泣きベソかいてそうだな。
「レンタルニートかぁ~。じゃあそいつも魔王もまとめて調教しちまおうぜ~」
「それは面白そうだな!」
そのレンタルニートって奴、役に立ちそうだったら従業員として利用し、役に立たなそうだったら調教することに決めたぜ。
「そういえば、東の方にあるボロい空き家に怪しい黒いフードの奴が出入りしていたよ。暗殺者とか殺し屋をやっていそうなガラだったし、きっと闇社会の人間なんだろうな」
そしてイケメンは黒いフードの殺し屋の情報を発した。
こんな大都会の街に魔王や殺し屋がいるなんて、これもうわかんねぇな。
「タツヤさん、もしそいつが殺し屋なら雇って味方につけてみないか?」
レイさんからの提案だ。確かにこれから魔王と戦うなら味方につけたほうが心強い。
「おう、そうだな。そいつを雇って、調教とビデオ撮影の手伝いをさせて更に金儲けしようぜ!」
「それは良いアイディアだ!」
俺たちはレストランで食事を済ませた後、この街の東側にあるという空き家へ向かった。
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