タツヤさんの悶絶調教物語

アサシン工房

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第1章 脱走した従業員

第13話 一匹狼のアウトロー現る!

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 俺たちが洞窟内で休憩している間、雪山の頂上に一機の軍用ヘリが着陸した。
 長い銀髪のイケメン軍人が草を採取した後、スマホを手に取り着信をかける。

「こちらエーリッヒ大佐。ソフトクリーム島の山頂で薬の材料になる薬草を採取しました」
「よくやった、エーリッヒ大佐。これで負傷した兵士たちを治療できるだろう。だが、基地に戻るまでは気を抜くな。兵士たちを襲った敵に見つかったら、例えお前でも無傷では済まされないだろう」
「分かっております、司令官。気をつけて帰還して参ります」

 エーリッヒ大佐は通話を終えると、採取した薬草を手に持ち、ヘリに乗ろうとする。

「クックック……。逃げられると思っているのか? 軍人さんよ」
「……誰だ!?」

 エーリッヒ大佐の元へ近づいてきたのは、ウエスタンガンマンの姿をした長い金髪の男だ。

「大方あの兵士どもを治療するために薬草でも取りに来たんだろう?」
「貴様か! 我が軍の兵士たちを襲撃した敵というのは!」
「襲撃? 挑まれたので返り討ちにしただけだが? 俺は軍の奴らにマークされた以上、軍人を見かけたら片っ端から潰すことにしたぜ」
「全て見抜かれていたということか。くっ……私としたことが……!」

 エーリッヒ大佐は焦りの表情を見せるも、即座に銃を構え戦闘態勢に入る。
 
「だが、私も軍人だ。歯向かうならば容赦はしない!」
「ハッハッハッ! そんなに焦らなくても良いんだぜ? 今、楽にしてやるからよ!」

 二人の男は互いに銃を構え、山頂で激戦を繰り広げることとなった。


 一方、俺たちは山頂を目指すべく雪の道を進んでいた。雪山は森になっているから迷わないように気をつけないとな。
 雪山を歩いていると、植物型モンスターに何度も遭遇した。こいつらは毒や麻痺の花粉をまき散らしてくるから危険だぜ。

「ここはオレとヨウスケに任せな!」

 レイさんは竹刀に火をつけ、それを炎の刀のように振り回す。
 すると、植物型モンスターどもはみるみる焼けていった。
 
「公害まき散らす汚物は消毒するぞー!」

 ヨウスケも楽しそうに火炎瓶を投げまくっている。辺りはすっかり枯草まみれに。
 有害な花粉をまき散らす植物を減らした俺たちはまた一つ、環境保護に貢献できた気がするぜ。
 この調子で順調に雪山を登っていくと、見覚えある少年の後ろ姿が目に映った。
 マフラーを身に着けていて、その下は小学生男児のような服装をしている。間違いない、こいつは最後の脱走者"ヒデオ"だ。
 小学生のコスプレをした童顔の男に過ぎないヒデオがどうやってこの危険な雪山を登ってきたんだよオイ!
 俺は背後からヒデオを取り押さえた。

「ついに見つけたぜ! ヒデオ!」
「おじさんはねぇ、君みたいな可愛いねぇ、子の悶絶する顔が大好きなんだよ!」
「おじさんやめちくり~! あああああ~~もうやだああああああああああ!!」

 やかましいダミ声で泣きわめくヒデオ。

「気持ちよくできましたか?」
「できませんでした……」
「じゃあオラオラ来いよオラァ!!」

 レイさんが怒涛の殴りでヒデオを黙らせて捕獲。
 やはりヒデオは俺たちと同じくホットキューブを所持していた。
 ヒデオに事情を聞いたところ、モンスターの嫌がる匂いがするスプレーを身体にまいていたから無事だったそうだ。
 だが、山頂で何やら壮絶なものを見たらしく、怖くなって引き返して来たらしい。

「頂上には行っちゃダメ! 怖いおじさんがいるから!」
「ならその怖いおじさんとやらを調教してやるぜぇ~」
「悪いおじさんはお仕置きだど~!」
「その通りだ。ヒデオは安心して私たちについて来い」
「え? タツヤさんたちマジでやる気なの!?」

 ヨウスケの奴、こんな時にビビってんじゃねーぞ!
 ヒデオには山頂の手前で身を隠してもらい、俺たちはついに山頂へ踏み込む。
 俺たちが目にした光景は――

「お、お前は!?」
「こいつ……船にいたあの男だ」
「まって! 人が倒れているよ!」

 俺たちがかつて船で遭遇した金髪の男が勝ち誇った表情で立ち、その横では長い銀髪のイケメンが傷だらけになって倒れていた!
 俺たちの存在に気づいた金髪の男はこちらを振り向いた。

「ん、何だ? てめぇらはターゲットに入ってないぞ? 俺はこれからそこにあるヘリを奪って失礼するところだが……」
「ど、どうぞ! 失礼しちゃってください!」

 ヨウスケは怯えながら返事をしたが、俺はヘリの存在に気づき、あることを思いつく。

「何言ってやがる! ヘリは俺らのものに決まってんだルルォ!?」
「そうだそうだ! ヘリが無ければオレたちが帰れなくなるじゃねーか!」

 俺たちが金髪の男をぶっ倒してヘリを奪っちまえば地上まで楽に下山できるってことだぜ!
 
「え、えぇ!? 待ってくれ! そこのヘリは私のものだ!」

 この銀髪イケメン、まだ生きていたのかよォ!?

「そうか、てめぇらも俺に歯向かうってのか……」

 金髪の男は俺たちへ銃を向ける。ならこっちも全力でやるしかねぇな。

「オラオラ! たっぷり調教して、その自慢の髪もツルッパゲにしてやるぜぇ~!」
「船の時は見逃してやったが、今度こそ調教してやらねぇとな!」
「ふざけやがって……俺は一匹狼のアウトロー、"ライナス”だ! てめぇらもまとめて始末してやるぜ!」

 俺とレイさんが金髪の男を挑発すると、奴はついに本性を表した!
 一匹狼のアウトロー、ライナス……か。
 船で出会った時の第一印象はダンディなナイスガイだったが、今じゃ悪人面の犯罪者だ。きれいな長い金髪をもったイケメンなのにもったいないぜ。
 
「うわっ! やっぱりこの人犯罪者じゃないか!」
「ヘリの取り合いで争うのもどうかと思うが、後ろで倒れている軍人さんを助けないわけにはいかないな」

 ヨウスケはビビりながら棒を構え、ミカエルはライナスを恐れることなく銃とナイフを構えた。
 
「奴は手負いのようだ。やるなら今しかない!」

 お、そうだな! 今のライナスは銀髪イケメンとの戦いでだいぶ傷を負っているようだ。
 俺たちはヘリのため、銀髪イケメンを救うため、ライナスという極悪人を調教するために全力で戦うぜ!
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