タツヤさんの悶絶調教物語

アサシン工房

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第1章 脱走した従業員

第14話 一匹狼のアウトローを調教する!

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「ライナス! 覚悟はできているんだろうなぁ~?」
「悪い男はお仕置きだど~!」
「ライナス、貴様の悪行もここまでだ」
「そうだぞ! この悪党め!」

 俺はムチを、レイさんは竹刀を、ミカエルは拳銃を、ヨウスケは棒を構えライナスに立ち向かう!
 まずはミカエルが"猛毒の投刃"をライナス目掛けて数発投げつける。

「そんなオモチャで俺を捕まえられるとでも思ってんのかぁ?」

 ライナスは地面へ向けて銃を発砲し、目の前に砂嵐ならぬ雪嵐を発生させた! どんな銃弾だよ!?
 雪嵐で投刃は弾き返され、更に俺たちは視界を奪われてライナスの位置が分からない。

「前が見えねーじゃねぇかオイ!」
「クソッ! こうなったら片っ端から殴ってやる!」
「やめろ! そんなことをしたら仲間に当たる!」
「じゃあどうすんのさ!?」

 視界を奪われた俺たちがあたふたしている間に、ライナスは死角から俺たち目掛けて銃撃する。

「話にならんな」
 
 すると、銃弾は着弾と同時に爆発を起こし、俺たちは大ダメージと共に吹っ飛ばされた!

「「「「アッー!!」」」」
 
 痛いんだよおおおお!!!!(マジギレ)
 俺たちはいきなり瀕死級のダメージを負ってしまったぜ。
 そんな中、ヨウスケが痛みに耐えながらリュックからスプレー缶を取り出す。
 ”癒しの踊り-HP回復”で全体回復だ。なんとか体勢を立て直したぜ。
 しかし、このままでは一方的にやられっぱなしだ。さて、どうするべきか?
 その時、ミカエルが口を開いた。
 
「レイ、ヨウスケ。火を使って周りの雪を溶かせるか? そうすればこの雪嵐を消せるかも知れん」
「おう! やってみるぜ!」
「もう火炎瓶の残りが少ないけど、やってみるよ!」

 レイさんは竹刀に火をつけ、炎の刀で地面を焼き払う。
 ヨウスケは辺り一面焼け野原にすべく火炎瓶を投げ続けた。
 すると、辺りの雪は溶け、雪嵐は消えた!
 おかげでライナスの姿が見えるようになったぜ。

「おい、ライナス。次はその綺麗な金髪を燃やしてやろっか?」
「フン! 砂嵐の中に隠れなくたって俺一人でてめぇらを始末するのは朝飯前だぜ」

 レイさんは炎の刀を両手で握り、ライナス目掛けて力いっぱい振り落とす。
 ライナスは左手にナイフを持ち、なんと片手でレイさんの攻撃をガードした!

「クソッ! 片手で俺の攻撃を受け止めただと!?」
「言っただろ? てめぇら雑魚なんぞ俺の相手になりゃしねぇってことだ」

 ライナスはそのままレイさんを蹴り飛ばし、レイさんが転倒したと同時に銃で追撃する。

「ぐあっ! 体がしびれて動けねぇ……」

 レイさんは体が麻痺して動けなくなってしまった!

「俺は特殊な銃弾を作るのが得意なんでな。てめぇのお仲間もまとめて蹴散らしてやるから見ておけ」

 ライナスは俺たちがいる方向へ振り向き、複数の弾倉を投げつけると、その弾倉を銃で撃ち抜いて爆破させた!
 爆発の範囲は広く、俺たち全員が吹っ飛ばされ大ダメージを受けた!

「「「アッー!!」」」
 
 痛いんだよおおおお!!!!(マジギレ)

「クックック……トドメだ。死ね!」
  
 やべぇよ……やべぇよ……。このままじゃ全滅しちまうよ……。
 そう思ったその時――

「本気で怒らしちゃったねー、オレのことねー? おじさんのこと本気で怒らせちゃったねぇ!」

 いつのまにか麻痺状態から回復したレイさんは、怒りの表情でライナスの背後に回っていた。
 
「てめぇ、回復してやがる!?」
「じゃあオラオラ来いよオラァ!!」

 レイさんはさっきの仕返しとばかりに、必殺技"おじさんブロー"でライナスをボコボコに殴りまくる!
 しかし、さっきまで体がしびれて動けなくなっていたレイさんがなぜ体力と麻痺を回復しているんだ!?
 
「ミカエルがオレに回復弾を撃ってくれたぜ。そのおかげでオレは全快だ!」
「隙を見てレイを回復させておいて良かったよ」

~ドラッグバレットー~
 味方に回復弾を放つミカエルの回復スキル。体力と状態異常を同時に回復する。


 レイさんの"おじさんブロー"でライナスが怯んでいるうちに俺たちも反撃するぜ。

「今だ! タツヤ、ヨウスケ、後に続け!」

 ミカエルがライナスへ向けて必殺技"ラピッドファイア"を放った!
 二丁拳銃で連射し、ライナスに命中させていく。
 "ラピッドファイア"は状態異常付きの必殺技だ。ライナスに効果はあるのか!?
 
「くっ! てめぇも特殊な銃弾を扱うガンマンだったのか……!」
「本業が暗殺者アサシンなんでな。敵を弱らせて仕留めるのが私の得意分野だ」

 どうやらライナスの視界を奪ったようだ。さすが暗殺者《アサシン》ミカエルだぜ。
 ライナスは目を手で覆い怯んでいる。今のうちに俺とヨウスケも追撃を仕掛けるぜ。
 俺より先にヨウスケが前に出てライナスの頭目掛けて棒を振り落とす!

「くらえーっ!」
「ぐあっ!」
 
 ヨウスケが振るった棒はライナスの頭部を直撃し、ライナスはバランスを崩した。

「よぉ~し、次は俺の番だぜぇ~」

 俺はムチを華麗に操り、ライナスの腕を縛る!

「お前を芸術品に仕立てや……仕立てあげてやんだよ~」
「くっ! 思ったよりはやるじゃねぇか……」
「だろぉ~?」
「無傷だったらてめぇらなんぞ簡単に蹴散らせたんだがな……」

 その時、ライナスは縛られた腕を大きく振り回し、ムチを持った俺を地面に叩きつけた!
 こいつ、山賊のガロンと同じことをしやがって! もう許せるぞオイ!

「こうなったらさっさとヘリを奪ってやるぜ!」

 ヤバい! このままじゃライナスに逃げられてしまう! ――と思ったその時!

「そこまでだ!」

 どこからか銃声が鳴り響き、銃弾はライナスの背中に命中した!

「ぐっ……! てめぇ……回復してやがる!?」
「ライナスと言ったな? ヘリの操縦の仕方も知らないのに乗っ取ってどうするつもりだい? このヘリは空軍大佐である私の専用機だ。他人がどうあがこうと使いこなせるものではない」

 ライナスを銃撃したのは、ライナスにボコられて倒れていた銀髪イケメンだった。
 まだ全快とまではいかないみたいだが、無事回復したようで良かったぜ。

「さて、私も戦える程度には回復したからそろそろ第二ラウンドと行くかい? 今の君ではこの人数相手には敵わないだろうけどね」
「そうだぜ! とっとと降参しな!」

 カッコいいイケメン軍人だな。俺たちの力をアテにしていること以外は。

「フ……まだ俺に残された手段は残っているぜ」
「何!?」

 ライナスは煙爆弾を投げつけて俺たちの視界を奪った!

「さらばだ! 次会ったら今度こそぶっ殺してやるぜ!」

 煙は短時間で収まったが、ライナスを見失ってしまった。
 あの野郎、今度こそは調教して醜い姿にしてやるから覚えてろよ!

「逃げられてしまったか……」
「軍人さん、大丈夫? かなり怪我をしていたみたいだけど……」
「君たちが来てくれたおかげで助かったよ。もし誰も助けに来なかったら私は確実に殺されていたからね」
「おう、感謝しろよ」

 こうやって人助けするのも気分がいいな。
 
「軍人さんでも勝てなかったということは、あのライナスという男は相当な力の持ち主だな」
「その通りだ。あの男1人によって軍の兵士たちが負傷してしまったんだ」
「たった一人で……恐ろしいな」

 あのライナスって奴、たった一人で軍の兵士たちを蹴散らすほど強いのか!?
 今回は手負いの状態で助かったぜ。それでもかなり苦戦したけどな。
 
「今回の戦いで君たちもあの男に目を付けられたはずだ。今後は気をつけて行動したほうが良いだろう」
「分かった。軍人さんも気をつけてな」
「そうだ、自己紹介がまだだったね。私はエーリッヒ・シュタイナー大佐だ。パイロットやメカニックをやっている」

 エーリッヒ大佐か。なかなかなイケメン軍人だぜ。
 俺たちも軽く自己紹介を済ませた。

「タツヤ君、レイ君、ミカエル君、ヨウスケ君、今回は本当にありがとう。お礼にこの島の町までヘリで送ってあげるよ」
「おぉ、ありがとナス!」
「おっと、その前にイキ草という草を取っていかないとな」
「イキ草ならここに生えているよ」

 こんなイケメンがイキ草を知っているなんてなかなかシュールだな。
 俺たちはついに目当ての品、イキ草を手に入れた!
 あとはこいつを神父に届けて薬を作ってもらうぜ。
 俺たちはエーリッヒ大佐のヘリに搭乗させてもらい、ソフトクリーム島の町へ着陸した。もちろんヒデオを連れてな。
 雪山は長旅だったから簡単に下山できたのは助かったぜ。

「エーリッヒ大佐、ありがとな!」
「礼を言うのはこちらの方さ。君たちのような強い人たちが軍にいてくれたら……とさえ思うよ。気が向いたら米軍基地へ遊びにおいで」
「米軍基地? まさか、ナイト軍曹がいる所か?」
「あぁ、そうだが……。君たち、ナイト軍曹を知っているのかい?」
 
 エーリッヒ大佐、まさかナイト軍曹の仲間だったのかよ!?

「ナイト軍曹とは都会の街にある魔王城の近くで会ったよ」
「黒塗りの高級車で魔王を一撃で……あれは凄かったな!」
「ナイト軍曹、危険運転はやめるようにとあれほど言ったのに……。一般人を轢いたらどうするつもりだったんだ……」

 危険運転の常習犯が軍人やってるってヤバすぎだろ。

「そんな彼だが、戦闘力だけは軍の中でも一流さ。もしかしたら、ナイト軍曹ならライナスと戦って勝てるかもしれない」
「ナイト軍曹ってそんなに強いのか。心強いじゃないか」
「戦闘力だけは高いけど、ただのアホってことか?」
「ただのアホは言いすぎだけど、彼には戦闘以外の能力も身に着けて欲しいところだね」
「そうだな! あの運転でよく免許取れたなーって思うぜ!」

 軽い雑談を終えたところで、そろそろエーリッヒ大佐とのお別れがやってきた。

「では、私はそろそろ失礼するよ」
「おう、また会えるといいな!」

 俺は「次会ったら調教してぇ~」と思いながら、ヘリで旅立つエーリッヒ大佐を見送った。
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