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第二章 N+捜査官
34. やり直し ☆
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「っ、はぁ……」
くそっ、いつまで……。
何度も穿たれたソコは熱を伝えるのに決定的な快楽をくれはしない。気持ち良くないわけではないが不安定に飛行する紙飛行機のようだ。青砥の目に自分が映っていないことには2回目に青砥がイッた時には気が付いていた。
何度名前を呼んでも青砥は反応せず、力ずくで好き勝手に体勢を変えられる。普段の青砥とはかけ離れた行動に樹は戸惑っていた。もしかしたらこれが青砥の言っていたN+の影響かもしれないと思えば、道具みたいに扱われているこの状況でも少しは気が楽になる。
それにしてもセックスってこんなものなのかよ……。
「はっ、アイツら、と、は随分違うな、んっ、はっ」
トイレで見たあの男たちの姿が脳裏に蘇る。気持ちよさそうに喘いで、腰を振って、思わず真っ赤になってしまうような光景だったのに、樹のコレは体力勝負のスポーツか何かのようだ。甘い言葉もキスもない。元々、そんなことは期待してはいなかったが。
本当に期待していなかったか?
四つん這いで獣の様に貫いた後、青砥が樹を転がす。何度目かの正常位の体勢、目を閉じたまま動く青砥を見ていると樹の中にクツクツとした怒りが込み上げた。体を起こして青砥に近づく。そして青砥にしがみつくと、肩を思いっきり咬んだ。
「いっ」
夢から覚めたようにばちっと目を開けた青砥、その青砥を気だるく見つめる。
「俺、初めてなんですけど。キスくらいしてもいいですか?」
キスくらいってなんだよ、と自分自身に突っ込んでいると青砥が顔を背けた。口元を押さえて、耳まで真っ赤だ。
「悪い……なんか、意識飛んでた」
言い訳めいた言葉だ。そんな言葉が欲しいわけではない。だが意識が飛んでいたというのならそうなのだろう。意識が戻ったらしい青砥に文句を言おうと口を開きかけた時、唇に優しい温もりが触れた。
啄むような優しいキスが粘液を伴って深くなる。少し唇を離してもまた捉えられて、青砥に覆いかぶされるようにしてベッドに沈んだ。
「……電気、消してもらってもいいですか。その……まだするなら、ですけど」
物のように扱われるのは腹が立つが優しくされたら落ち着かなくなる。今の青砥なら樹の願いを聞いてくれるかもしれないと呟いた言葉はあっさりと叶えられた。
「真っ暗は樹が全然見えなくなるからナシな」
青砥の手が樹の中心に伸びる。萎えて小さくなったソコを手のひらで包んで優しく上下に扱われて樹は慌てた。
「ちょ、そういうのはっ」
「ダメ? 良くない?」
「良くなくは、ないけ……んっ」
ちゅっと音を立てたキスに言葉が消えた。青砥は唇から顎、首筋、鎖骨、肩とキスを落としていく。
こんなのは知らない。まるでパーツの全部にマーキングしていくような……。
「さっきと、全然ちがうくないですか?」
「さっきのは俺だけど俺じゃないというか。あんなふうに抱きたかったわけじゃないから、やり直してる。言葉にするなって言うから、行動で」
さっきからずっと樹たちは繋がったままだ。そのまま樹の右足を持ち上げて脹脛にもキスをすると、樹の中心がビクッと反応した。樹を見つめて青砥が微笑む。
このタイミングでほほ笑むなんて反則だろ……。
抽送が再開されると樹は体をくの字に曲げた。擦られるだけだった行為が今は樹の内部のどこかを探すかのように突いてくる。その場所を掠めるたびにピクン、ピクンと体が動いた。
「や、なにっ、これっ」
「んー、何かな」
樹を散々貪ったお陰で落ち着いた青砥は、今は余裕の表情だ。穿つたびに波打つ樹のお腹に手を当てた青砥は自身と樹との結合部を見つめてまたほほ笑んだ。
「何見て、笑ってんですか?」
「そりゃ、まぁ……」
青砥は笑みを深くすると背中に手を回して樹の体を起こした。樹の左手は体の脇に置かれ、V字の体勢だ。その状態で大きく腰を動かせば、結合部が樹の目にも良く見える。樹は青砥が見ていたものに気が付くと、青砥にしがみ付いて結合部を隠した。
「変態……」
否定も肯定もされぬまま舌を絡めあって、体を密着させる。青砥の動きが下からの突き上げに変わって樹の髪の毛がさらさらと揺れた。
「あっ、やぁっ」
先程までは掠るだけだった場所を青砥が狙い撃ちすれば、樹は耐えきれないというように密着を強固なものにした。手を伸ばせばそっぽを向く樹が自らしがみ付く、その行為が嬉しくてつい執拗に責めてしまう。樹が潤んだ目を青砥に向けた。
「アオ、さ、も、なんかっ」
「ん、いいよ」
樹の体を押さえつける様にきつく抱きしめて、良いところを細かく突きながら左手で樹の濡れた先端を擦った。
「も、やだぁっ」
ひたすら甘い息を吐いて樹の体が硬直するとその体をベッドに横たえた。お腹を濡らして背中を反らせる樹の腰をつかむ。ピクン、ピクンとまだ痙攣する樹の唇を唇で塞いだ。
「んっ……」
滑らかに腰を動かせば、抗議の声は青砥の思惑通りに口の中に消えていく。果てたばかりで敏感な体を青砥に見つめられながら何度も擦られた樹は、その体の下で嬌声を上げ続けることしか出来なかった。
くそっ、いつまで……。
何度も穿たれたソコは熱を伝えるのに決定的な快楽をくれはしない。気持ち良くないわけではないが不安定に飛行する紙飛行機のようだ。青砥の目に自分が映っていないことには2回目に青砥がイッた時には気が付いていた。
何度名前を呼んでも青砥は反応せず、力ずくで好き勝手に体勢を変えられる。普段の青砥とはかけ離れた行動に樹は戸惑っていた。もしかしたらこれが青砥の言っていたN+の影響かもしれないと思えば、道具みたいに扱われているこの状況でも少しは気が楽になる。
それにしてもセックスってこんなものなのかよ……。
「はっ、アイツら、と、は随分違うな、んっ、はっ」
トイレで見たあの男たちの姿が脳裏に蘇る。気持ちよさそうに喘いで、腰を振って、思わず真っ赤になってしまうような光景だったのに、樹のコレは体力勝負のスポーツか何かのようだ。甘い言葉もキスもない。元々、そんなことは期待してはいなかったが。
本当に期待していなかったか?
四つん這いで獣の様に貫いた後、青砥が樹を転がす。何度目かの正常位の体勢、目を閉じたまま動く青砥を見ていると樹の中にクツクツとした怒りが込み上げた。体を起こして青砥に近づく。そして青砥にしがみつくと、肩を思いっきり咬んだ。
「いっ」
夢から覚めたようにばちっと目を開けた青砥、その青砥を気だるく見つめる。
「俺、初めてなんですけど。キスくらいしてもいいですか?」
キスくらいってなんだよ、と自分自身に突っ込んでいると青砥が顔を背けた。口元を押さえて、耳まで真っ赤だ。
「悪い……なんか、意識飛んでた」
言い訳めいた言葉だ。そんな言葉が欲しいわけではない。だが意識が飛んでいたというのならそうなのだろう。意識が戻ったらしい青砥に文句を言おうと口を開きかけた時、唇に優しい温もりが触れた。
啄むような優しいキスが粘液を伴って深くなる。少し唇を離してもまた捉えられて、青砥に覆いかぶされるようにしてベッドに沈んだ。
「……電気、消してもらってもいいですか。その……まだするなら、ですけど」
物のように扱われるのは腹が立つが優しくされたら落ち着かなくなる。今の青砥なら樹の願いを聞いてくれるかもしれないと呟いた言葉はあっさりと叶えられた。
「真っ暗は樹が全然見えなくなるからナシな」
青砥の手が樹の中心に伸びる。萎えて小さくなったソコを手のひらで包んで優しく上下に扱われて樹は慌てた。
「ちょ、そういうのはっ」
「ダメ? 良くない?」
「良くなくは、ないけ……んっ」
ちゅっと音を立てたキスに言葉が消えた。青砥は唇から顎、首筋、鎖骨、肩とキスを落としていく。
こんなのは知らない。まるでパーツの全部にマーキングしていくような……。
「さっきと、全然ちがうくないですか?」
「さっきのは俺だけど俺じゃないというか。あんなふうに抱きたかったわけじゃないから、やり直してる。言葉にするなって言うから、行動で」
さっきからずっと樹たちは繋がったままだ。そのまま樹の右足を持ち上げて脹脛にもキスをすると、樹の中心がビクッと反応した。樹を見つめて青砥が微笑む。
このタイミングでほほ笑むなんて反則だろ……。
抽送が再開されると樹は体をくの字に曲げた。擦られるだけだった行為が今は樹の内部のどこかを探すかのように突いてくる。その場所を掠めるたびにピクン、ピクンと体が動いた。
「や、なにっ、これっ」
「んー、何かな」
樹を散々貪ったお陰で落ち着いた青砥は、今は余裕の表情だ。穿つたびに波打つ樹のお腹に手を当てた青砥は自身と樹との結合部を見つめてまたほほ笑んだ。
「何見て、笑ってんですか?」
「そりゃ、まぁ……」
青砥は笑みを深くすると背中に手を回して樹の体を起こした。樹の左手は体の脇に置かれ、V字の体勢だ。その状態で大きく腰を動かせば、結合部が樹の目にも良く見える。樹は青砥が見ていたものに気が付くと、青砥にしがみ付いて結合部を隠した。
「変態……」
否定も肯定もされぬまま舌を絡めあって、体を密着させる。青砥の動きが下からの突き上げに変わって樹の髪の毛がさらさらと揺れた。
「あっ、やぁっ」
先程までは掠るだけだった場所を青砥が狙い撃ちすれば、樹は耐えきれないというように密着を強固なものにした。手を伸ばせばそっぽを向く樹が自らしがみ付く、その行為が嬉しくてつい執拗に責めてしまう。樹が潤んだ目を青砥に向けた。
「アオ、さ、も、なんかっ」
「ん、いいよ」
樹の体を押さえつける様にきつく抱きしめて、良いところを細かく突きながら左手で樹の濡れた先端を擦った。
「も、やだぁっ」
ひたすら甘い息を吐いて樹の体が硬直するとその体をベッドに横たえた。お腹を濡らして背中を反らせる樹の腰をつかむ。ピクン、ピクンとまだ痙攣する樹の唇を唇で塞いだ。
「んっ……」
滑らかに腰を動かせば、抗議の声は青砥の思惑通りに口の中に消えていく。果てたばかりで敏感な体を青砥に見つめられながら何度も擦られた樹は、その体の下で嬌声を上げ続けることしか出来なかった。
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