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第一章
23. ユーリスアの街
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ユーリスアの街は祭りの期間だからか夕方でも賑やかだ。お祭りの夜を賑わす光る丸風船があちこちに浮かび、穏やかな光で街を照らす。
「そういえばカーラントさんを誘ってこなかったけれど、大丈夫かな?」
「大丈夫だと思います。出かけると言っていましたから。」
「で、どこに行くつもりなの?兄さん。」
まだ少し機嫌の悪いレイがヴァンス様に話しかける。
「どこって、ほら、いつものなじみのお店だよ。ライファちゃんにはどんな料理が出てくるのか楽しみじゃないか。」
ヴァンス様が含みのある笑い方をして、レイが頭を抱えた。レイが頭を抱えるお店ってどんな店なんだろう。そう思うと俄然興味が湧いてきた。
「あ、ライファちゃん。私たちと一緒にいるときはそのフードは外しても大丈夫だよ。」
なぜ?というふうにヴァンス様を見上げる。
「むしろね、ライファちゃんがうちのお客さんだとみんなに知ってもらった方がライファちゃんの危険が少ないんだ。ジェンダーソン家に喧嘩を売ろうなんて命知らずはまずいないからね。」
ヴァンス様はそういうと私の頭をポンポンした。そうか、私、こうやって一緒にいることで守ってもらっているんだ。私はフードを外して二人にお礼を言った。
「ありがとうございます。」
レイは複雑な顔をして「別にいいんだ。」とボソッと言った。
「あら、ヴァンス様にレイ様。二人そろってお出かけなんて珍しいですねぇ。」
通りを歩いていたおばさんが二人に気付いて近寄ってきた。買い物帰りなのだろう。袋には珍しい食材が入っているのがわかる。ゴツゴツした紫色のあれは野菜だろうか。果物かな。つい買い物袋を覗き込みたくなる気持ちを必死で抑えた。
「こんな美人さんも一緒じゃ、巷の娘さんたちが妬いてしまうのではないですか?」
「そんなことないですよ。騎士団員の人気があったのは昔の話。今は音楽家だとか絵描きの方が人気があるらしいですよ。」
「あらあら、こんなに男前なのにねぇ。うふふ、私は騎士団員さんの方が好きですよ。」
そう言ってうふふと笑うと紫色の野菜(か果物)は去って行った。去っていく紫色を追っていると、その視線にレイが気付いたのかこっそり笑っているのが分かった。なんだか、ちょっと恥ずかしい。
大きな通りに出れば自然と人の目が集まってくるのが分かった。
「ヴァンス様、レイ様、こんばんは。」
そんな挨拶がいたるところで繰り返される。
そのたびに向けられる視線が微妙だ。さっきのおばさんの言う通り、ヴァンス様もレイも人気があるのだろう。
「さぁ、着いたぞ。」
到着したのは丸い木を積み重ねて作った温かみのある建物で看板には【フェニックス】と書かれていた。ドアを開けるとチリンと音が鳴って頭に布を巻いた40代くらいの女性が寄ってきた。
「いらっしゃい。おや、珍しい組み合わせだね。空いている席に座って待ってて。」
「じゃぁ、窓側の席に座らせてもらうよ。」
座った席は4人掛けのテーブル席だった。私とレイが並んで座り、正面にヴァンス様が座る。先ほどの女性が水を運んできた。水を配りながらレイの番になると
「ふふふふ、レイ様、今日はスィーツじゃないといいね。」と笑った。
「できればそう願いたい。」
レイはそういうと引きつった笑みを浮かべる。女性が去った後レイはこのお店について説明してくれた。
「このお店は騎士団がよく通うお店でね。噂では店主はスキルでその人に今何の栄養が足りていないか分かるらしいんだ。それでその人に足りない栄養が取れる料理を出してくれる。つまり、注文しなくても料理が出てくる。」
「おぉっ、それは面白い!!・・・ですね!」
レイと話をしているとついいつもの口調になってしまいそうだ。危ない危ない。脳裏にジェイスの鬼の形相が浮かんで、うぅっとなる。
「くくくく、レイが前回来た時に出てきたのがスィーツだったんだろう?ロッチェが面白がって喋っていたぞ」
「あいつめー。」
そんな話をしていると、最初にヴァンス様の料理が運ばれてきた。なるほど、というべきかなんというべきか。顔を逸らせて笑いをこらえていると、ぶっっと盛大に噴き出す音が聞こえた。
目の前にあるのはフルーツたっぷりの特大スィーツだ。赤に黄色に緑にオレンジ、白、たくさんの果物がグラスの中に層になって積み重なり、それぞれの果物の間には色とりどりのクリームがサンドしてある。レイの反応を見る限り、きっと前回レイが食べたというスィーツと同じものだろう。
「そうか、そうだよな。レイと同じもの食ってんだもんな。」
ヴァンス様が納得したように呟く。
続いて出てきたのはレイの料理で、豆と鶏肉を甘辛く炒めたものとライス、薬草茶だった。そっとスキルを使ってみると薬草茶にはほんの少し鎮静効果があることが見えた。確かにさっきまでちょっと機嫌悪そうだったもんな、と納得した。その後出てきたのは、私用の料理。ワクワクしながら皿を覗くと、真っ赤なスープがそこにあった。
これはもしや・・・。
「あれ?ヴァンス隊長、出勤前のご飯ですか?」
「美人さんとご飯だなんて羨ましいっ」
「お、レイも一緒じゃん。」
騎士団の仲間らしいグループが近づいてきて私のお皿を見るなり、あっ・・・と引いた。
「お嬢さんは、辛い物は平気かな?」
騎士団の一人が私に話しかけてきたが、私の表情を見て皆が悟ったらしい。
「ライファちゃん、ごめん。ここ出された料理は完食するっていうのがルールなんだ。」
ヴァンス様が謝ってくる。でも、目の奥が笑っている。
むむむむ、ヴァンスはなかなか良い性格をしているらしい。
レイが「とりあえず水を!」と水を注文してくれた。
「食べます!」
気合だ!気合だ!心の中で呟く。
真っ赤なスープを一口すする。
「ゴっ、ゴホッ、ゴホッ。」
むせて胸をたたくとレイが水を渡してくれた。とにかく、一口飲む。
「ライファ、辛い物はすすったらむせちゃうよ。流し込むように食べるんだ。」
レイが教えてくれた通りに食べる。
「か、辛い。」
涙目になりながら食べ進めていく。唇がヒリヒリしているが、少し慣れてきたのか辛さの奥に他の味を感じるようになった。あれ?ちゃんと甘みがある。そして旨味もある。
「ライファちゃん、大丈夫?」
ヴァンス様もレイも騎士団のみんなも心配そうに私を見ている。
「唇がかなりヒリヒリしますが、なんだか美味しさを感じるようになってきました。辛いのが苦手で食べることがあまりなかったので、そりゃ、出てきますよね。へへへ。」
最後のひと口を食べ終わると、騎士団のみんなも偉い偉いと褒めてくれ、レイだけまだ心配そうな顔をして、ハイっと水を渡してくれた。
「ライファちゃんはもっとクールなイメージだったけど、面白いな。よく頑張りました。」
ヴァンス様がそう言って私の頭を撫でる。
「誰のせいですか・・・。」
必要な栄養素だとしてもヒリヒリになった唇を思うと、チクリと言いたくもなるものだ。
「あははは、ごめん、ごめん。想定外だったんだ。唇が真っ赤かになっていてもライファちゃんは可愛いよ。」
軽口をたたいて笑っているヴァンス様を騎士団の仲間たちが「隊長が堂々と女の子を口説いている!」と言ってからかった。
店を出ると、「私はそろそろ出勤の時間だから」とヴァンス様騎士団の建物へと向かった。レイと二人、家までの道のりを歩く。
「唇、まだ赤いね。ヒリヒリする?」
「ん、少し・・・な。」
レイがおもむろに唇に伸ばした手を遮るように掴んだ。一瞬、レイが顔をしかめる。
「いや、そういうんじゃなくて・・・」
レイがなんでそんな表情をするのか意味が分からず、言葉を続ける。
「ほら、街中で女性に触るのはあまり良くないだろう?ジェンダーソン家ってすごい家柄だし、この街を歩いていれば皆に好かれているんだってわかる。だから、その」
「じゃあ、人目につかないところならいいの?」
「え?」
レイに引っ張られて路地裏。
「大丈夫、癒すだけだから。」
レイの指が唇に触れる。なんだかレイのその仕草が妙に大人びて見えて、目のやり場に困って目を閉じた。
いつかのあの優しい温もりが唇にいきわたっていく。唇が癒されれば癒されるほど、レイの指の感触が唇に伝わり、少しだけ落ち着かないような、どう言い表したらいいのか分からない感情が体を支配し始め、それから逃れるようにバチッと目を開いた。
急に開いた私の目に、レイもびっくりしたのかレイの目も大きくなって。
それが初めて会ったあの日を思い起こさせて思わず噴き出した。
「ぷぷぷぷっ、なんかさ、はじめて合った時思い出した。あの時、私ひどかったな」
「ぷぷぷぷ、ほんとだ。あの時みたい。確かにあの時のライファ、凄い顔だった」
私たちは思い出をなぞっては、ケラケラ笑いながら帰宅した。
「そういえばカーラントさんを誘ってこなかったけれど、大丈夫かな?」
「大丈夫だと思います。出かけると言っていましたから。」
「で、どこに行くつもりなの?兄さん。」
まだ少し機嫌の悪いレイがヴァンス様に話しかける。
「どこって、ほら、いつものなじみのお店だよ。ライファちゃんにはどんな料理が出てくるのか楽しみじゃないか。」
ヴァンス様が含みのある笑い方をして、レイが頭を抱えた。レイが頭を抱えるお店ってどんな店なんだろう。そう思うと俄然興味が湧いてきた。
「あ、ライファちゃん。私たちと一緒にいるときはそのフードは外しても大丈夫だよ。」
なぜ?というふうにヴァンス様を見上げる。
「むしろね、ライファちゃんがうちのお客さんだとみんなに知ってもらった方がライファちゃんの危険が少ないんだ。ジェンダーソン家に喧嘩を売ろうなんて命知らずはまずいないからね。」
ヴァンス様はそういうと私の頭をポンポンした。そうか、私、こうやって一緒にいることで守ってもらっているんだ。私はフードを外して二人にお礼を言った。
「ありがとうございます。」
レイは複雑な顔をして「別にいいんだ。」とボソッと言った。
「あら、ヴァンス様にレイ様。二人そろってお出かけなんて珍しいですねぇ。」
通りを歩いていたおばさんが二人に気付いて近寄ってきた。買い物帰りなのだろう。袋には珍しい食材が入っているのがわかる。ゴツゴツした紫色のあれは野菜だろうか。果物かな。つい買い物袋を覗き込みたくなる気持ちを必死で抑えた。
「こんな美人さんも一緒じゃ、巷の娘さんたちが妬いてしまうのではないですか?」
「そんなことないですよ。騎士団員の人気があったのは昔の話。今は音楽家だとか絵描きの方が人気があるらしいですよ。」
「あらあら、こんなに男前なのにねぇ。うふふ、私は騎士団員さんの方が好きですよ。」
そう言ってうふふと笑うと紫色の野菜(か果物)は去って行った。去っていく紫色を追っていると、その視線にレイが気付いたのかこっそり笑っているのが分かった。なんだか、ちょっと恥ずかしい。
大きな通りに出れば自然と人の目が集まってくるのが分かった。
「ヴァンス様、レイ様、こんばんは。」
そんな挨拶がいたるところで繰り返される。
そのたびに向けられる視線が微妙だ。さっきのおばさんの言う通り、ヴァンス様もレイも人気があるのだろう。
「さぁ、着いたぞ。」
到着したのは丸い木を積み重ねて作った温かみのある建物で看板には【フェニックス】と書かれていた。ドアを開けるとチリンと音が鳴って頭に布を巻いた40代くらいの女性が寄ってきた。
「いらっしゃい。おや、珍しい組み合わせだね。空いている席に座って待ってて。」
「じゃぁ、窓側の席に座らせてもらうよ。」
座った席は4人掛けのテーブル席だった。私とレイが並んで座り、正面にヴァンス様が座る。先ほどの女性が水を運んできた。水を配りながらレイの番になると
「ふふふふ、レイ様、今日はスィーツじゃないといいね。」と笑った。
「できればそう願いたい。」
レイはそういうと引きつった笑みを浮かべる。女性が去った後レイはこのお店について説明してくれた。
「このお店は騎士団がよく通うお店でね。噂では店主はスキルでその人に今何の栄養が足りていないか分かるらしいんだ。それでその人に足りない栄養が取れる料理を出してくれる。つまり、注文しなくても料理が出てくる。」
「おぉっ、それは面白い!!・・・ですね!」
レイと話をしているとついいつもの口調になってしまいそうだ。危ない危ない。脳裏にジェイスの鬼の形相が浮かんで、うぅっとなる。
「くくくく、レイが前回来た時に出てきたのがスィーツだったんだろう?ロッチェが面白がって喋っていたぞ」
「あいつめー。」
そんな話をしていると、最初にヴァンス様の料理が運ばれてきた。なるほど、というべきかなんというべきか。顔を逸らせて笑いをこらえていると、ぶっっと盛大に噴き出す音が聞こえた。
目の前にあるのはフルーツたっぷりの特大スィーツだ。赤に黄色に緑にオレンジ、白、たくさんの果物がグラスの中に層になって積み重なり、それぞれの果物の間には色とりどりのクリームがサンドしてある。レイの反応を見る限り、きっと前回レイが食べたというスィーツと同じものだろう。
「そうか、そうだよな。レイと同じもの食ってんだもんな。」
ヴァンス様が納得したように呟く。
続いて出てきたのはレイの料理で、豆と鶏肉を甘辛く炒めたものとライス、薬草茶だった。そっとスキルを使ってみると薬草茶にはほんの少し鎮静効果があることが見えた。確かにさっきまでちょっと機嫌悪そうだったもんな、と納得した。その後出てきたのは、私用の料理。ワクワクしながら皿を覗くと、真っ赤なスープがそこにあった。
これはもしや・・・。
「あれ?ヴァンス隊長、出勤前のご飯ですか?」
「美人さんとご飯だなんて羨ましいっ」
「お、レイも一緒じゃん。」
騎士団の仲間らしいグループが近づいてきて私のお皿を見るなり、あっ・・・と引いた。
「お嬢さんは、辛い物は平気かな?」
騎士団の一人が私に話しかけてきたが、私の表情を見て皆が悟ったらしい。
「ライファちゃん、ごめん。ここ出された料理は完食するっていうのがルールなんだ。」
ヴァンス様が謝ってくる。でも、目の奥が笑っている。
むむむむ、ヴァンスはなかなか良い性格をしているらしい。
レイが「とりあえず水を!」と水を注文してくれた。
「食べます!」
気合だ!気合だ!心の中で呟く。
真っ赤なスープを一口すする。
「ゴっ、ゴホッ、ゴホッ。」
むせて胸をたたくとレイが水を渡してくれた。とにかく、一口飲む。
「ライファ、辛い物はすすったらむせちゃうよ。流し込むように食べるんだ。」
レイが教えてくれた通りに食べる。
「か、辛い。」
涙目になりながら食べ進めていく。唇がヒリヒリしているが、少し慣れてきたのか辛さの奥に他の味を感じるようになった。あれ?ちゃんと甘みがある。そして旨味もある。
「ライファちゃん、大丈夫?」
ヴァンス様もレイも騎士団のみんなも心配そうに私を見ている。
「唇がかなりヒリヒリしますが、なんだか美味しさを感じるようになってきました。辛いのが苦手で食べることがあまりなかったので、そりゃ、出てきますよね。へへへ。」
最後のひと口を食べ終わると、騎士団のみんなも偉い偉いと褒めてくれ、レイだけまだ心配そうな顔をして、ハイっと水を渡してくれた。
「ライファちゃんはもっとクールなイメージだったけど、面白いな。よく頑張りました。」
ヴァンス様がそう言って私の頭を撫でる。
「誰のせいですか・・・。」
必要な栄養素だとしてもヒリヒリになった唇を思うと、チクリと言いたくもなるものだ。
「あははは、ごめん、ごめん。想定外だったんだ。唇が真っ赤かになっていてもライファちゃんは可愛いよ。」
軽口をたたいて笑っているヴァンス様を騎士団の仲間たちが「隊長が堂々と女の子を口説いている!」と言ってからかった。
店を出ると、「私はそろそろ出勤の時間だから」とヴァンス様騎士団の建物へと向かった。レイと二人、家までの道のりを歩く。
「唇、まだ赤いね。ヒリヒリする?」
「ん、少し・・・な。」
レイがおもむろに唇に伸ばした手を遮るように掴んだ。一瞬、レイが顔をしかめる。
「いや、そういうんじゃなくて・・・」
レイがなんでそんな表情をするのか意味が分からず、言葉を続ける。
「ほら、街中で女性に触るのはあまり良くないだろう?ジェンダーソン家ってすごい家柄だし、この街を歩いていれば皆に好かれているんだってわかる。だから、その」
「じゃあ、人目につかないところならいいの?」
「え?」
レイに引っ張られて路地裏。
「大丈夫、癒すだけだから。」
レイの指が唇に触れる。なんだかレイのその仕草が妙に大人びて見えて、目のやり場に困って目を閉じた。
いつかのあの優しい温もりが唇にいきわたっていく。唇が癒されれば癒されるほど、レイの指の感触が唇に伝わり、少しだけ落ち着かないような、どう言い表したらいいのか分からない感情が体を支配し始め、それから逃れるようにバチッと目を開いた。
急に開いた私の目に、レイもびっくりしたのかレイの目も大きくなって。
それが初めて会ったあの日を思い起こさせて思わず噴き出した。
「ぷぷぷぷっ、なんかさ、はじめて合った時思い出した。あの時、私ひどかったな」
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