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第三章
62. 立場
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「ヘイゼル公爵閣下はチェルシー鳥をご覧になったことはあるのですか?」
「いや、残念ながらまだない。私がこの島を手に入れてまだ3年だが、どれだけ探しても一向に見つからなくてね。だが昔、チェルシー鳥を捕まえたという者が描いた絵ならある。見たいか?」
「はい、ぜひ。」
ヘイゼル公爵はリューゼンさんに言い付け記録石を取りに行かせるとその場で再生させた。
「ぐっ・・・。」
表示されたチェルシー鳥の姿・・・まるで目がくりっとした豚だ。夢の中で見たあの美味しい食材によく似ている。豚を縦にして鳥の足をつけて心なしか羽のようなものが両脇についている。
「かわいい・・・。」
思わず呟くとルカに肘が二の腕に飛んできた。ハッと口を閉じるもヘイゼル公爵の視線も感じるところを見ると思っていたより大きな声が出ていたようだ。
「・・・失礼いたしました。」
豚を何度か見たことのある私からしてみれば、豚を可愛くしたようなチェルシー鳥の姿も、他の人にとっては不細工でしかないらしい。ましてや美しいもの好きの公爵夫妻にとってはあまり見ていたいものではないようだった。
「あなた、もう皆が見ましたわ。そろそろお下げになって。美味しい食事もその美味しさが半減してしまいますわ。」
「あぁ、そうだな。妻はチェルシー鳥の外見が苦手でね。」
なんだかチェルシー鳥がかわいそうだ。チェルシー鳥に対する周りの反応に一抹の寂しさを覚えた。
「本来なら息子のロッドもいるのだが今日は出かけていてね、明日には帰ってくるからこの島を案内させよう。君のチェルシー鳥の捕獲にはロッドも同行させるつもりだ。ロッドはもう何度もこの島で狩りに出ているからチェルシー鳥についてもロッドに聞くといい。」
食事を終えるとレイが夫妻に宝石を産む生き物をプレゼントした。
「こちらの生き物は薬材を食べるそうです。名前の無い新種だとのことなので、お好きに名前をつけてください。」
そんなレイの説明の後、宝石を見ながらヘイゼル公爵夫人とサリア嬢がキャッキャと名前を考えている。そんな主人たちには聞こえないように、こっそりとリューゼンさんが話しかけてきた。
「ルカ様、ライファ様、主人たちの食事も終わりましたので今のうちにお一人ずづお食事はいかがですか?」
食事っ!?
はっ、とルカを見ると少し呆れたような顔をしたルカがいた。
「ライファ、お先にどうぞ。」
「ありがとう。」
「リン、ライファ様をお連れしてください。」
「はい。」
リンに連れられて行ったのは厨房の隣にある小部屋だ。小部屋と言っても平民の家のリビングよりも広く20人程が楽に入ることができる広さだ。部屋を入ってすぐの部分は大きなテーブルが一つある食堂といった感じだ。厨房とは横長の大きな窓で繋がっていて、食事時は窓を上にあげて固定しているらしい。その窓の前に棚のようなテーブルがついており、その端にトレイとスプーン、フォークが置いてある。
「食事はここでトレイをとって、このベルを鳴らします。」
リンはくせ毛の黒髪を後ろで一本に結んだ20歳の女性だ。キリッとした眉毛に猫目、活発そうな顔をしている。リンがトレイの脇に置いてあるベルを鳴らすと、私と同じ年くらいの青年がハーイと返事をしながらやってきた。
「今日のご飯は魚定食です。」
青年が私たちのトレイに料理を乗せてくれる。。
「そうすると調理場担当が料理を乗せてくれます。っていうか、普通に喋ってもいい?ちゃんと話すのって疲れちゃって。」
「姉ちゃん。リューゼンさんに見つかったら叱られるぞ。ライファ様はお客様なのだから。」
厨房から料理を運んできた同じ年くらいの青年がリンに言う。
「ちょっとくらいいじゃない。食事の時くらい気楽に楽しく食べたいわ。」
「同感です。私も畏まった話し方は苦手なので普通に話してくれると助かります。」
「ほらね。」
リンが青年を見てフフンと笑った。
「食事はあのテーブルの好きな席に座ってとっていいの。向うの端っこが空いているからそこにしましょ。」
リンに連れられてテーブルへ行くと、先に食事をしていた人たちと目があった。
「ライファ・グリーンレイと申します。お世話になります。」
「ようこそヘイゼル公爵家へ。」
皆と軽く挨拶をかわし席に着いた。食事は海の幸と山の幸をふんだんに使った料理だ。
「新鮮な食材ですね。」
焼き魚になってもその皮は光を失わずに艶っとしているし、冬だというのに山菜も柔らかく香りも豊富だ。
「島だからね。山も海もここにあるから、食材の殆どは僕たちが獲ってくるんだ。これ、料理長からお客さんへ。」
フルーツが飾りつけられている可愛らしいデザートを持ったリンの弟がやってきた。
「あ、ずるい。」
「ちゃんとみんなの分もあるって料理長が言ってたよ。休憩中にどうぞだって。」
リタの弟の言葉に皆が嬉しそうに笑った。
「ねぇ、ちょっと聞きたかったんだけどライファさんってレイ様の愛人なの?」
「えっ?」
「だって、ねぇ、その魔力・・・。」
「姉ちゃん!!そんな堂々と。」
いや堂々と、とかそう言う問題ではないような気がする。と思いつつ、話していいものだろうかと考えを巡らせているとレイから聞かれたら言うようにと言われていたことを思い出した。
言うように、と言われていてもなぁ。
主人の招かれ先で主人のいないところで二人の関係をホイホイ話すのは従者としてはどうかなと思う。かと言って誤魔化したところで魔力は誤魔化しきれないし、否定するのもまた違う気がした。
「そう見えますか?」
私の言葉にテーブルにいる皆が耳を澄ましているのが分かった。リンがウンウンと頷く。
「じゃあ、そうかもしれませんね。」
ニッコリと微笑むとリンが姿勢を伸ばして目を見開いた。
「・・・いいなぁ。あんなイケメンで上流貴族で。しかも武に特化しているっていう噂だから強いのでしょう?そんな人に見初められるなんて・・・。」
「姉ちゃんには一生無理そうだな。」
「チータ!!油売ってないで早く戻んな!!」
チータがササッと素早く厨房へと引っ込んだのを見ながら、ったくあの弟は、とリンが毒づいた。
「でも、それじゃあ、この訪問はちょっと複雑?」
リンが私の顔色を伺うように私を見た。
「だって、レイ様とサリアお嬢様の親睦を深めるための訪問でしょう?自分の好きな人が未来の花嫁に会う瞬間
を目撃するっていうのも残酷よね。って花嫁になるって決まっているわけじゃないけどさ。」
レイとサリア嬢が?いや、確かにそうなってもおかしくはない・・・。
「リン、雑談ばかりしているとリューゼンさんに叱られるよ!」
別の侍女にそんな声をかけられて、サッと顔色を変えたリンと共に急いでご飯を平らげた。
食事を終え急いでリビングに戻るとレイたちはお茶を飲んでいるところだった。ルカと交代して今度はルカが食事に向かう。
「楽しい食事だった。我々はもう下がるとしよう。そうだサリア、レイに我が家の庭を案内してはどうだ?食後の散歩丁度よいだろう。その間に部屋を用意しておく。リューゼン、レイの従者に部屋を案内してやれ。」
「かしこまりました。」
私が食事をしている間に、レイと呼ばれるほどヘイゼル公爵との距離が縮まったようだ。
「えぇ、喜んで。レイ様、参りましょう。」
サリア嬢に微笑まれて、同じようにレイも微笑み返す。
「ライファ、部屋で少し休んでいるといい。用があれば呼ぶ。」
「承知いたしました。」
連れだって歩く二人の後姿をヘイゼル公爵夫妻が微笑んで見つめていた。ヘイゼル公爵はサリア嬢とレイとの婚約を望んでいるのかもしれないと思うには十分だった。
「いや、残念ながらまだない。私がこの島を手に入れてまだ3年だが、どれだけ探しても一向に見つからなくてね。だが昔、チェルシー鳥を捕まえたという者が描いた絵ならある。見たいか?」
「はい、ぜひ。」
ヘイゼル公爵はリューゼンさんに言い付け記録石を取りに行かせるとその場で再生させた。
「ぐっ・・・。」
表示されたチェルシー鳥の姿・・・まるで目がくりっとした豚だ。夢の中で見たあの美味しい食材によく似ている。豚を縦にして鳥の足をつけて心なしか羽のようなものが両脇についている。
「かわいい・・・。」
思わず呟くとルカに肘が二の腕に飛んできた。ハッと口を閉じるもヘイゼル公爵の視線も感じるところを見ると思っていたより大きな声が出ていたようだ。
「・・・失礼いたしました。」
豚を何度か見たことのある私からしてみれば、豚を可愛くしたようなチェルシー鳥の姿も、他の人にとっては不細工でしかないらしい。ましてや美しいもの好きの公爵夫妻にとってはあまり見ていたいものではないようだった。
「あなた、もう皆が見ましたわ。そろそろお下げになって。美味しい食事もその美味しさが半減してしまいますわ。」
「あぁ、そうだな。妻はチェルシー鳥の外見が苦手でね。」
なんだかチェルシー鳥がかわいそうだ。チェルシー鳥に対する周りの反応に一抹の寂しさを覚えた。
「本来なら息子のロッドもいるのだが今日は出かけていてね、明日には帰ってくるからこの島を案内させよう。君のチェルシー鳥の捕獲にはロッドも同行させるつもりだ。ロッドはもう何度もこの島で狩りに出ているからチェルシー鳥についてもロッドに聞くといい。」
食事を終えるとレイが夫妻に宝石を産む生き物をプレゼントした。
「こちらの生き物は薬材を食べるそうです。名前の無い新種だとのことなので、お好きに名前をつけてください。」
そんなレイの説明の後、宝石を見ながらヘイゼル公爵夫人とサリア嬢がキャッキャと名前を考えている。そんな主人たちには聞こえないように、こっそりとリューゼンさんが話しかけてきた。
「ルカ様、ライファ様、主人たちの食事も終わりましたので今のうちにお一人ずづお食事はいかがですか?」
食事っ!?
はっ、とルカを見ると少し呆れたような顔をしたルカがいた。
「ライファ、お先にどうぞ。」
「ありがとう。」
「リン、ライファ様をお連れしてください。」
「はい。」
リンに連れられて行ったのは厨房の隣にある小部屋だ。小部屋と言っても平民の家のリビングよりも広く20人程が楽に入ることができる広さだ。部屋を入ってすぐの部分は大きなテーブルが一つある食堂といった感じだ。厨房とは横長の大きな窓で繋がっていて、食事時は窓を上にあげて固定しているらしい。その窓の前に棚のようなテーブルがついており、その端にトレイとスプーン、フォークが置いてある。
「食事はここでトレイをとって、このベルを鳴らします。」
リンはくせ毛の黒髪を後ろで一本に結んだ20歳の女性だ。キリッとした眉毛に猫目、活発そうな顔をしている。リンがトレイの脇に置いてあるベルを鳴らすと、私と同じ年くらいの青年がハーイと返事をしながらやってきた。
「今日のご飯は魚定食です。」
青年が私たちのトレイに料理を乗せてくれる。。
「そうすると調理場担当が料理を乗せてくれます。っていうか、普通に喋ってもいい?ちゃんと話すのって疲れちゃって。」
「姉ちゃん。リューゼンさんに見つかったら叱られるぞ。ライファ様はお客様なのだから。」
厨房から料理を運んできた同じ年くらいの青年がリンに言う。
「ちょっとくらいいじゃない。食事の時くらい気楽に楽しく食べたいわ。」
「同感です。私も畏まった話し方は苦手なので普通に話してくれると助かります。」
「ほらね。」
リンが青年を見てフフンと笑った。
「食事はあのテーブルの好きな席に座ってとっていいの。向うの端っこが空いているからそこにしましょ。」
リンに連れられてテーブルへ行くと、先に食事をしていた人たちと目があった。
「ライファ・グリーンレイと申します。お世話になります。」
「ようこそヘイゼル公爵家へ。」
皆と軽く挨拶をかわし席に着いた。食事は海の幸と山の幸をふんだんに使った料理だ。
「新鮮な食材ですね。」
焼き魚になってもその皮は光を失わずに艶っとしているし、冬だというのに山菜も柔らかく香りも豊富だ。
「島だからね。山も海もここにあるから、食材の殆どは僕たちが獲ってくるんだ。これ、料理長からお客さんへ。」
フルーツが飾りつけられている可愛らしいデザートを持ったリンの弟がやってきた。
「あ、ずるい。」
「ちゃんとみんなの分もあるって料理長が言ってたよ。休憩中にどうぞだって。」
リタの弟の言葉に皆が嬉しそうに笑った。
「ねぇ、ちょっと聞きたかったんだけどライファさんってレイ様の愛人なの?」
「えっ?」
「だって、ねぇ、その魔力・・・。」
「姉ちゃん!!そんな堂々と。」
いや堂々と、とかそう言う問題ではないような気がする。と思いつつ、話していいものだろうかと考えを巡らせているとレイから聞かれたら言うようにと言われていたことを思い出した。
言うように、と言われていてもなぁ。
主人の招かれ先で主人のいないところで二人の関係をホイホイ話すのは従者としてはどうかなと思う。かと言って誤魔化したところで魔力は誤魔化しきれないし、否定するのもまた違う気がした。
「そう見えますか?」
私の言葉にテーブルにいる皆が耳を澄ましているのが分かった。リンがウンウンと頷く。
「じゃあ、そうかもしれませんね。」
ニッコリと微笑むとリンが姿勢を伸ばして目を見開いた。
「・・・いいなぁ。あんなイケメンで上流貴族で。しかも武に特化しているっていう噂だから強いのでしょう?そんな人に見初められるなんて・・・。」
「姉ちゃんには一生無理そうだな。」
「チータ!!油売ってないで早く戻んな!!」
チータがササッと素早く厨房へと引っ込んだのを見ながら、ったくあの弟は、とリンが毒づいた。
「でも、それじゃあ、この訪問はちょっと複雑?」
リンが私の顔色を伺うように私を見た。
「だって、レイ様とサリアお嬢様の親睦を深めるための訪問でしょう?自分の好きな人が未来の花嫁に会う瞬間
を目撃するっていうのも残酷よね。って花嫁になるって決まっているわけじゃないけどさ。」
レイとサリア嬢が?いや、確かにそうなってもおかしくはない・・・。
「リン、雑談ばかりしているとリューゼンさんに叱られるよ!」
別の侍女にそんな声をかけられて、サッと顔色を変えたリンと共に急いでご飯を平らげた。
食事を終え急いでリビングに戻るとレイたちはお茶を飲んでいるところだった。ルカと交代して今度はルカが食事に向かう。
「楽しい食事だった。我々はもう下がるとしよう。そうだサリア、レイに我が家の庭を案内してはどうだ?食後の散歩丁度よいだろう。その間に部屋を用意しておく。リューゼン、レイの従者に部屋を案内してやれ。」
「かしこまりました。」
私が食事をしている間に、レイと呼ばれるほどヘイゼル公爵との距離が縮まったようだ。
「えぇ、喜んで。レイ様、参りましょう。」
サリア嬢に微笑まれて、同じようにレイも微笑み返す。
「ライファ、部屋で少し休んでいるといい。用があれば呼ぶ。」
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