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第四話 本音(1)【R18】
しおりを挟む初めてのラブホテルの一室を、見渡す。
部屋は意外にも広く綺麗で、ホッと肩を撫でおろす。
しかし、天井は鏡張りで、ベッド横には乗馬フィットネスマシンなるものが置かれていた。
何でこんなものがここにあるのかは、よくわからない。
一体何に、使うのだろう。
「そんなの見て随分と余裕だな?」
「……あ、初めて来たから」
「……初めて」
耳元で、どこか余裕のない彼の吐息までもが一緒に流れ込んできて、肌が粟立ち、体温が急上昇する。
「柚木ちゃんって……処女でしょ」
「!!!?」
「かわいい、顔真っ赤にして……。
なあ俺に頂戴。全部、全部見せて?」
「八重くん!?」
「フーッ、フーッ。
しっかり、カラダにも心にも教え込んでやるから。柚木ちゃんは、俺のだってことを」
八重くんの荒い息遣いと、色気に抗えない。
不安よりも、期待が勝って鼓動が急ピッチで加速する。
「沢山柚木ちゃんで妄想はしてたけど。
ああ俺は、柚木ちゃんと出会うために、ずっと童貞だったんだなって……嬉しくて。
……だから、許さない」
真っ黒で、澱んだ、狩人のような眼差しが、こちらを捕らえて離さない。
優しさが全て削ぎ落とされたその表情に、背筋がゾクゾクとして、たまらない。
「ま、待って!!心の準備が!!」
言い訳がましいことは、承知の上だ。
でも、初めてはもっとロマンチックを想像していたから。
「もう、待たない」
怪訝な顔で見下ろす八重くんに、簡単にベッドに組み敷かれてしまう。
上にまたがる八重くんの大きな手が、私の両手を掴んで離さない。
「これなら逃げられねーな」
いつのまにかジャケットを脱いでネクタイも外していた八重くんの裾からは、肌が覗いていた。
筋肉質なのか、喉元から胸上までがっしりしていて男らしさと普段見せない色気に喉が鳴った。
「なんでそんな顔すんの。立場を分かってないだろ!!そんな顔しちゃ、俺を煽るだけだッ!」
「ッイタ」
ネクタイが手首を絡めて、緩まぬように固く拘束されてしまう。
「拒絶なんて許さない。
柚木ちゃんは、俺に好きって言ったもんな?今更、なかったことなんて絶対にさせねえ」
「わかったから、先にお風呂に」
「……」
そんなのお構いなしにスカート、ショーツまで完全に脱がされてしまう。
主導権は、完全に八重くんにあった。
「汗なら大丈夫、俺があとで全身舐めとるから」
「な、なめ?!!!や、やだ!そんなのやめ」
「やだって言ったな。ハァ……ペナルティね柚木ちゃんの、下着。
スゥゥウウウ……ッハァ。やばい、これだけで抜ける」
「……ッ」
私の下着を嗅いでみせる。
そんなことしないで欲しいのに、目が離せない。
「柚木ちゃんの、身体。
スベスベで、柔らかくて。綺麗だ」
ゆっくりと大きな手が、肌を滑った。
彼のトゲトゲしい言葉遣いとは、裏腹に優しい手つき。
足元から、段々と胸へと昇り……。
「……んぅっ」
簡単にブラはずり下ろされてしまった。
解放された膨らみに、彼の顔が擦り寄る。
「はぁっ、やわらけぇ。
もうここ、勃ってんじゃん……」
尖りをわざと避けるように、熱い舌が胸の周りを巡回する。
「……ぅ~、ふっ。はっ、……ん」
じれったくて、思わず胸を突き出してしまう。
羞恥心で頭が煮えそうだ。
「いい子。柚木ちゃんが素直にしてくれるなら……ちゃんと期待に応えてやらねぇと」
予想だにしないことを言われて、気が緩んでいた。
刺激が尖りへ全集中する。
「気持ちいい?」
条件反射で、首を横に振ってしまう。
「さっきは素直だったのに」
シャツを乱暴にたくし上げ、
あろうことか脇にしゃぶりついた。
「ひゃぁああああッ!!」
「さっきよりも汗の匂いが強くてぇ……しょっぱいけど、ここもだぁいすき」
何度も何度も吸い付いて、そこを味わう。
一番汗が気になっていた場所を。
嫌なのに、思わず体が大きく波打つ。
「カラダは、正直だな」
首を横に振って精一杯の否定を表明する。
「……」
優しい八重くんなら、やめてくれる。
私の理性が消し飛ぶ前に。
でも、本当にこのまま止めていいのだろうか。
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