あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお断りいたします。

汐埼ゆたか

文字の大きさ
89 / 106
Chapter16*虹の橋の彼方でーOver the Rainbow Bridge-***

虹の橋の彼方で[2]ー②***

しおりを挟む
頭を過った疑問を口にするより早く、アキがその答えを口にする。

「今夜は寝かせてあげられない」
「っ、」
「とことん味わい尽くすつもりでいるから――覚悟して」

覚悟って!!

更に大きく目を見張った瞬間、首筋をべろりと舐められた。

「ひゃっ、」
「うん、美味い!」
「ちょっ、」
「こんなに美味しいんだから、シャワーでなんて流したらもったいない」
「ちょっ、」

変態か! この御曹司、どSの上に変態だっ!!

「これって変態になるのかぁ……。ま、いいや」
「ちょっ、」

良くないよね?良くない!御曹司が変態ってどうよ!?

「変態だろうとなんだろうと、吉野以外に発動しないから安心して?僕が食べたいのはあなただけだ」
「ちょっ、」

わたしは食べ物じゃありませんっ!

「僕にとって吉野は最高のスイーツだ」

言った端から耳朶をガジっと齧られて、反射的に首をすぼませる。すると今度はそのまま耳の中に舌を入れられた。

「やんっ……」

生々しい水音を立てながら、生温なまぬるいものがぬるりと耳の中でうごめく。

「昼間に食べそびれた分も、しっかり取り戻さないとな」

耳の奥に直接吹き込むように囁かれるだけで、口からあえかな声が漏れ始める。

耳下のうなじを強く吸われて、軽い痛みと同時に湧く甘い愉悦。
ほんの少し前までたっぷりと愛された躰は、与えられる快感を見越したように、すでにとろりととろけ出している。

思わず内ももをスリっと擦り合わせると、それに気付いたのかアキが妖艶な笑みを浮かべた。

「さっきは余裕なくがっついてしまったから、今度はそのお詫びにじっくり気持ちよくしてあげる」

じ、じ、……じっくりノーセンキュウ――っ!!

「やっ、あ……っ、」

心の叫びとは裏腹に、口からは淫らな声が上がる。首筋を辿りながら下りてきた熱い舌が、硬く尖った赤い実を口に含んだから。

「美味しい」
「やっ、しゃべっちゃ…あっ、」

口に含んだまま喋られて腰が跳ねた。

舌で転がしたり強く押しつぶしたり。反対側の胸は手で揉みしだかれる。
時折べったりと付いた唾液と共に「じゅるっ」と音を立てて先端を吸われて、口か漏れる甲高い声を我慢できない。
甘い愉悦に痺れた背中を弓なりにしならせると、意図せず彼に向けてつき出す格好になってしまう。

「ん? ……もっと?」
「ちがっ、~~~っ!」

反射的に否定したのに、わざとらしく音を立てながら先端を吸い上げてくる。

なんて意地悪なんだ! このどS変態ドラトラ御曹司めーっ!!

「言われたことがないワードばかりで新鮮すぎる。さすが吉野。僕のことを喜ばせる天才だな」

どMかっ!

「あなたにそう言わせてるのが自分だと思ったら、ぞくぞくするな」

違った。やっぱどSの変態だった!

体の上に圧し掛かっていた重しがすっと消え、やっと胸への刺激から解放されたと思って、ホッと胸を撫でおろした時。

「まだまだこれからだ。あなたを味わうのは――」

「え、」と思った瞬間、グイっと脚を割られて声を上げる間もなくそこに顔をうずめられた。

「やっ、だめっ……シャワっ、あぁ~~っ、」

『シャワーしてないのに!』と続けようとした言葉は、敏感な蕾を舌で撫でられたせいで嬌声に変わる。

ビリビリと電流みたいな強い痺れが全身を駆け巡り、広げられた脚がガクガクと震える。
脚の間に埋まる頭を両手で押すけれどまったく動かない。それどころか強くなる刺激に手を握りしめ、柔らかな髪をクシャリとかき混ぜた。

ゆっくりと蜜口から舌を差し込まれて、抑えることも忘れて甲高く叫ぶ。
さっきまでとは違う熱く湿る柔らかな感触に内側を擦られて、躰の奥から溢れ出したものが耳を塞ぎたくなるような音を立てた。

「んやぁ……も、ダメッ、ぁあ……っ、」

甘い愉悦から腰を捩って逃げようとするけれど、両脚を押さえる手がそれを許さない。それどころか、しとど・・・に濡れるそこを音を立てて吸い上げると、今度は指を差し込んで来た。

さっきとは違う固く節くれだったものに柔襞やわひだられて、じんじんと痺れるような甘い愉悦に喘ぎ悶える。さっきは届かなかった奥のい場所を強く抉られると同時に、花芯を吸われた。

「ぁっ、……ぅっや、あぁ……っ!」

急激にせり上がって来た強い愉悦に、頭が真っ白になった。


快感が爆ぜた直後のわたしが肩で息をついていると、体を起こしながらアキが濡れた自分の手を舌で拭う。見せつけるようにゆっくりと手首まで舐めるから、自分が彼の手をそこまで濡らしたのだと分かって、頭が煮えそうになった。

「やっぱり吉野が一番美味しい」

自身の唇を舌でペロリとなぞったアキが言う。
彼の下でわたしは、ぐったりと弛緩した躰をベッドに預けて荒い息をつくだけ。

「でもまだ足りない」

言いながらわたしの背中に手を差し込んだ彼に、上体を引き上げながら起こされる。
ぼんやりと白濁した意識の中で(アキ……何を……?)と思うけれど、甘く痺れた躰に力は入らず、成すがまま彼の膝に乗せられた。

「これからだ、吉野」

わたしはグッと息を詰めた。さっきまでの愛撫で潤んだ場所に硬く熱い昂りをあてがわれたから。

「やっ……ぁあ~~っ、」

一気に最奥まで埋め込まれて、眩暈がするほどの愉悦に大きく喘ぐ。それと同時に、わたしはこの夜が終わらないことを改めて悟った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

諦めて身を引いたのに、エリート外交官にお腹の子ごと溺愛で包まれました

桜井 響華
恋愛
旧題:自分から身を引いたはずなのに、見つかってしまいました!~外交官のパパは大好きなママと娘を愛し尽くす ꒰ঌシークレットベビー婚໒꒱ 外交官×傷心ヒロイン 海外雑貨店のバイヤーをしている明莉は、いつものようにフィンランドに買い付けに出かける。 買い付けの直前、長年付き合っていて結婚秒読みだと思われていた、彼氏に振られてしまう。 明莉は飛行機の中でも、振られた彼氏のことばかり考えてしまっていた。 目的地の空港に着き、フラフラと歩いていると……急ぎ足の知らない誰かが明莉にぶつかってきた。 明莉はよろめいてしまい、キャリーケースにぶつかって転んでしまう。そして、手提げのバッグの中身が出てしまい、フロアに散らばる。そんな時、高身長のイケメンが「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたのだが── 2025/02/06始まり~04/28完結

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました

せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~ 救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。 どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。 乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。 受け取ろうとすると邪魔だと言われる。 そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。 医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。 最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇ 作品はフィクションです。 本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。

不埒な社長と熱い一夜を過ごしたら、溺愛沼に堕とされました

加地アヤメ
恋愛
カフェの新規開発を担当する三十歳の真白。仕事は充実しているし、今更恋愛をするのもいろいろと面倒くさい。気付けばすっかり、おひとり様生活を満喫していた。そんなある日、仕事相手のイケメン社長・八子と脳が溶けるような濃密な一夜を経験してしまう。色恋に長けていそうな極上のモテ男とのあり得ない事態に、きっとワンナイトの遊びだろうとサクッと脳内消去するはずが……真摯な告白と容赦ないアプローチで大人の恋に強制参加!? 「俺が本気だってこと、まだ分からない?」不埒で一途なイケメン社長と、恋愛脳退化中の残念OLの蕩けるまじラブ!

エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました

青花美来
恋愛
旧題:忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜 「……三年前、一緒に寝た間柄だろ?」 三年前のあの一夜のことは、もう過去のことのはずなのに。 一夜の過ちとして、もう忘れたはずなのに。 「忘れたとは言わせねぇぞ?」 偶然再会したら、心も身体も翻弄されてしまって。 「……今度こそ、逃がすつもりも離すつもりもねぇから」 その溺愛からは、もう逃れられない。 *第16回恋愛小説大賞奨励賞受賞しました*

偽りの婚約者のはずが、極上御曹司の猛愛に囚われています

冬野まゆ
恋愛
誕生日目前に恋人に裏切られた舞菜香は、行きつけの飲み屋で顔見知りだった男性・裕弥と誘われるままに一夜を過ごしてしまう。翌朝も甘く口説かれ、動揺のあまりホテルから逃げ出した舞菜香だったが、その後、彼が仕事相手として再び舞菜香の前に現れて!? すべて忘れてなかったことにしてほしいと頼むが、彼は交換条件として縁談を断るための恋人役を提案してくる。しぶしぶ受け入れた舞菜香だったが、本当の恋人同士のように甘く接され、猛アプローチを受け……!?

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。

青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。 その肩書きに恐れをなして逃げた朝。 もう関わらない。そう決めたのに。 それから一ヶ月後。 「鮎原さん、ですよね?」 「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」 「僕と、結婚してくれませんか」 あの一夜から、溺愛が始まりました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。