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第53話 ◇あきれ顔
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53.
それと大事な話があるんだ。聖は俺が切り出すと、ま
るでこれから死刑を言い渡されるかのように緊張して青
褪めていた。
「俺は南さんとは付き合うだけでよかったんだが、昨晩
病院で彼女にプロポーズされて、それでよくよく考えて
彼女と結婚することに決めたよ」
「それじゃあ、私たちは……」
「離婚してくれないか!」
凛太郎から紡ぎ出された言葉は、聖が前々から薄々
予想していた通りのものだった。夫が南さんと付き合っ
ているのを知った時からもしかして、こんな日が来るの
ではないかと不安だったのだけれど、ついにその日が来
てしまったのだ。夫から離婚して欲しいと、はっきり言
われてしまった。それでもやっぱり泣けてきて、聖はそ
の場で号泣した。
自分が浮気をしていたこと、予てから俺が恋人作る
宣言して付き合っていたことで、離婚の2文字は今まで
何度か浮かんだこともあったのだろう、聖は拒まなかっ
た。だが、打ち捨てられる猫のように哀れを誘う風情を
醸し出していた。
「聖、よく聞いて! これからの生活のことだけど、困ら
ないようこの先もずっと聖や子供たちのことは見守るし
相談にも乗るから、心配するな!」
「そっ……そうなの? 子供たちにも会いに来てくれる?」
「勿論、もちろん来るさ、会いに来るよ。大切な子供たち
だからね、君のこともね」
『君のこともね『』の部分を、きっと聖は一生懸命考え
悩むのだろうと思う。君のこと、というのが、大切な君の
ことなのか、君にも会いに来るなのか、ずっと悩むに違い
ない。俺の本意は、大切な君に会いに来るよ、なんだけどね。
********
聖の後ろに陣取っている人物真理奈はこの
ふたりのやりとりに……
「バーカバーカ、うんこタレっ!」と あきれ顔で
野次っていたのだった。
それと大事な話があるんだ。聖は俺が切り出すと、ま
るでこれから死刑を言い渡されるかのように緊張して青
褪めていた。
「俺は南さんとは付き合うだけでよかったんだが、昨晩
病院で彼女にプロポーズされて、それでよくよく考えて
彼女と結婚することに決めたよ」
「それじゃあ、私たちは……」
「離婚してくれないか!」
凛太郎から紡ぎ出された言葉は、聖が前々から薄々
予想していた通りのものだった。夫が南さんと付き合っ
ているのを知った時からもしかして、こんな日が来るの
ではないかと不安だったのだけれど、ついにその日が来
てしまったのだ。夫から離婚して欲しいと、はっきり言
われてしまった。それでもやっぱり泣けてきて、聖はそ
の場で号泣した。
自分が浮気をしていたこと、予てから俺が恋人作る
宣言して付き合っていたことで、離婚の2文字は今まで
何度か浮かんだこともあったのだろう、聖は拒まなかっ
た。だが、打ち捨てられる猫のように哀れを誘う風情を
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「聖、よく聞いて! これからの生活のことだけど、困ら
ないようこの先もずっと聖や子供たちのことは見守るし
相談にも乗るから、心配するな!」
「そっ……そうなの? 子供たちにも会いに来てくれる?」
「勿論、もちろん来るさ、会いに来るよ。大切な子供たち
だからね、君のこともね」
『君のこともね『』の部分を、きっと聖は一生懸命考え
悩むのだろうと思う。君のこと、というのが、大切な君の
ことなのか、君にも会いに来るなのか、ずっと悩むに違い
ない。俺の本意は、大切な君に会いに来るよ、なんだけどね。
********
聖の後ろに陣取っている人物真理奈はこの
ふたりのやりとりに……
「バーカバーカ、うんこタレっ!」と あきれ顔で
野次っていたのだった。
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