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『 LOVE YOU!』26-2

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26-2.

 
 「あの人は誰?
 あいつは誰?
 私の知ってる夫じゃぁない。
 あいつ・・」

 私はいたたまれなかった。

 私にできることはひとつしかない。

 それは布団を被り寝ることだった。
 寝て、何もかも忘れてやる!

 香、泣いちゃぁだめ。
 分かってる。

 私はもうひとりの慰め役と会話した。

 横向きの体勢になり、薄めの掛け布団を両腿に挟んで私はゆっくりと
目を閉じた。
 

 翌朝、私はヘルパーが来るまで部屋から出なかった。

 ここのところ大抵11時頃に来る予定になっているのだが、流石に
其の頃には件の彼女は退散したようで居なかった。

 私は玄関で靴を確認した。
 夫と一緒に寝てたりしていたら、シャレにならないもの。

 まともな女性で助かった。

 酔っていた夫・・は、今朝方吐いた自分の辛辣な私へのセリフを
はて、ちゃんと覚えているだろうか?

 分かっていること、それは人は心に思ってないことは吐かないと
いうことだ。

 予想はしていたものの、実際 辛辣に直截的に聞きたくなかった。
 言葉には強い力が宿っていて、私は深く傷つけられた。
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