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27 ◇カラオケ? に行くらしい
しおりを挟む夫がずっと家にいるようなら、自分も家にいて、息子たちだけ美代志のところへ
送り出そうか――
そう思ったそのとき、居間にいる夫がスマホと格闘し始めるのが視界に入った。
◇ ◇ ◇ ◇
案の定、まほり?からだろう。
私は気がつかない振りで、その場から離れようとした。
すると夫が演技がかった調子で『いやぁ~、会社の同僚がさぁ、今日は奥さんが
子供を連れて里帰りして1人だから、カラオケでも行かないか』って。
「あら、明日から仕事があるのだからゆっくり身体を休めればいいのに」
「ゆっくり休むより、淋しくて相手が欲しいんだろうな。
ちょっと、行ってくるよ」
「晩御飯は、どうしようかしら……」
「たぶん、何かしら腹に入れると思うから、なければないでいいよ」
「すき焼きを予定してたんだけど、あなたがいないと、子供たちがペロっと
食べちゃうかも。でも、こういう時のための頼みの綱、瓶詰の鮭があるから、
それでお茶漬けでもどうかしら?」
「十分だよ」
「じゃあ、いってらっしゃい。
――――って、じゃあ私たちもおばあちゃん家へ行くかもしれないけど……」
「いいよいいよ。行ってくれば、よろしくな」
『よろしくな』の一言を残して、夫はそそくさとお洒落をして出て行った。
うれしい~、これで私も子供たちといっしょに美代志くんの家へ行けるじゃない。
私はすき焼きの具材を全部を袋に入れて、息子たちへ声を掛けた。
「お父さんが晩御飯いらなくなったから、みんなで美代志くん家へ
行くわよ~。晩御飯も美代志くんと一緒に食べよう!」
「おっ、いいね、いいね。圭、トランプ持ってけ」
「おっしゃぁ~。まかせときっ」
「悟、遊戯王のカードも持って行けば……」
私は、トランプだけではきっと息子たちが退屈するだろうと思い、カードを
持って行くように声を掛けた。
「分かった」
「晩御飯も美代志くんと一緒に食べるの?」
圭が私に訊いてきた。
「うん、そうよ」
「やったー」
「おお、いいね」
「ふふっ、じゃあ悟、荷物車に入れて」
「ほいよっ」
ちょっと、そこまで出掛けるだけなのに、私たちはピクニックへでも行くような
ノリで、祖父が暮らしていた家へと向かった。
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