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魔道具課の貼り紙と資材部長
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「なんだって~?!」
翌朝、資材部には部長の大きな声が鳴り響いた。
「だ、だから、魔道具課が一週間一斉休暇を取るって貼り紙っす……!」
部下はぷるぷると震えながら必死で説明した。
「一週間か……」
資材部長が呟くと青い顔の部下が「どうしましょう……!」と、すがりついた。
「魔力切れになりそうな魔道具がたくさんあるんですよ……!」
「特に薬品棚近辺の温度管理の魔道具が……」
「くそっ……」
資材部長は拳を握りしめた。薬品には高価なものが多い。お金を積んでも二度と入手できるか怪しいものもある。
新王の周辺のゴタゴタが気になっていて魔道具のメンテナンスを後回しにしていた自覚はあった。
――3割切ってますよ、そろそろ……
――1割切りましたよ、もうまずいですよ……!
部下たちは確かにそんなふうに報告を上げてきていた。今までもギリギリで駆け込んではなんとかしてもらっていたからと甘く見ていたのは自分だ。
「誰も残ってないのか?」
「部屋は鍵がかかっていて、外から見ても真っ暗でした……」
部下は半泣きである。
「くそっ……俺が行く!」
足音も荒く魔道具課に向かった資材部長は、ドアの貼り紙を見て「ウグゥ」と奇妙な声を上げた。
――今日から1週間魔道具課は一斉休暇に入ります。仕事しすぎだってレジナルド文官に指摘されちゃったからね~!魔力注入は、きちんと3割あれば大丈夫だと思うけど、だめだったらがんばってなんとかしてください~!
明らかに裏にいるのはレジナルドだ。言うことを聞かなかった腹いせに嫌がらせをしたに違いない。
「あ……あのボンボン……っ!」
歯ぎしりをすると、部下が思い切ったような表情で異を唱えた。
「部長はそう言うけど、俺、あの人結構苦労人だと思うっすよ……」
ボソッとした呟きだった。
「ああん?」
意外なことにこのつぶやきには他の部下たちも同意した。
「そうそう」
「俺達が魔道具課の休みを潰すような依頼の出し方してたのも本当ですし」
「うん。俺も図書室のマクマーン紙問題、困ってたんだ……」
「あれ、記録しようがないよね」
「一枚二枚なら目をつぶって破損扱いにしておけるけど、ごそっと持って行くからなあ」
「最終的に責任追及されるのは俺達下っ端だもんな……」
「俺、レジナルド第三文官が、あの話を持ち出してくれて嬉しかった……!」
資材部長は愕然とした。
「お前達、そんなこと一度も言わなかったじゃないか……」
「そりゃあそうっすよ。部長があんな大変な思いをしてた時に図書室が助けてくれたのは本当ですし」
「ありがたかったけど度を越されると困るってね……」
「元殿下はまだ王太子の時から心配してくれてたよな~」
「そうそう。自分が口を挟むと一大事になっちゃうからちょっと難しいって言ってたよね」
「そ……そうだったのか……」
資材部長は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「しかし、問題は魔力注入だな……」
魔力を持つ者はほとんど魔法部にいる。そして魔法部はどこも人手不足で簡単に魔道具の魔力注入なんぞを頼めるような相手ではない。
「誰か魔法部の他に魔力持ちはいないか……」
「そんな無茶な」
「魔道具に注入できるレベルの魔力持ちなんてみんな魔法部に囲い込まれてるっすよ」
「そうそう。王族でもない限り」
「王子様とかね……」
そこまで話し合って資材部職員たちは顔を見合わせた。
「レジナルド第三文官……」
「結構な魔力持ちだね……そういえば……」
「ぐがあ……!」
資材部長は大声をあげた。
「謝って来る!」
翌朝、資材部には部長の大きな声が鳴り響いた。
「だ、だから、魔道具課が一週間一斉休暇を取るって貼り紙っす……!」
部下はぷるぷると震えながら必死で説明した。
「一週間か……」
資材部長が呟くと青い顔の部下が「どうしましょう……!」と、すがりついた。
「魔力切れになりそうな魔道具がたくさんあるんですよ……!」
「特に薬品棚近辺の温度管理の魔道具が……」
「くそっ……」
資材部長は拳を握りしめた。薬品には高価なものが多い。お金を積んでも二度と入手できるか怪しいものもある。
新王の周辺のゴタゴタが気になっていて魔道具のメンテナンスを後回しにしていた自覚はあった。
――3割切ってますよ、そろそろ……
――1割切りましたよ、もうまずいですよ……!
部下たちは確かにそんなふうに報告を上げてきていた。今までもギリギリで駆け込んではなんとかしてもらっていたからと甘く見ていたのは自分だ。
「誰も残ってないのか?」
「部屋は鍵がかかっていて、外から見ても真っ暗でした……」
部下は半泣きである。
「くそっ……俺が行く!」
足音も荒く魔道具課に向かった資材部長は、ドアの貼り紙を見て「ウグゥ」と奇妙な声を上げた。
――今日から1週間魔道具課は一斉休暇に入ります。仕事しすぎだってレジナルド文官に指摘されちゃったからね~!魔力注入は、きちんと3割あれば大丈夫だと思うけど、だめだったらがんばってなんとかしてください~!
明らかに裏にいるのはレジナルドだ。言うことを聞かなかった腹いせに嫌がらせをしたに違いない。
「あ……あのボンボン……っ!」
歯ぎしりをすると、部下が思い切ったような表情で異を唱えた。
「部長はそう言うけど、俺、あの人結構苦労人だと思うっすよ……」
ボソッとした呟きだった。
「ああん?」
意外なことにこのつぶやきには他の部下たちも同意した。
「そうそう」
「俺達が魔道具課の休みを潰すような依頼の出し方してたのも本当ですし」
「うん。俺も図書室のマクマーン紙問題、困ってたんだ……」
「あれ、記録しようがないよね」
「一枚二枚なら目をつぶって破損扱いにしておけるけど、ごそっと持って行くからなあ」
「最終的に責任追及されるのは俺達下っ端だもんな……」
「俺、レジナルド第三文官が、あの話を持ち出してくれて嬉しかった……!」
資材部長は愕然とした。
「お前達、そんなこと一度も言わなかったじゃないか……」
「そりゃあそうっすよ。部長があんな大変な思いをしてた時に図書室が助けてくれたのは本当ですし」
「ありがたかったけど度を越されると困るってね……」
「元殿下はまだ王太子の時から心配してくれてたよな~」
「そうそう。自分が口を挟むと一大事になっちゃうからちょっと難しいって言ってたよね」
「そ……そうだったのか……」
資材部長は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「しかし、問題は魔力注入だな……」
魔力を持つ者はほとんど魔法部にいる。そして魔法部はどこも人手不足で簡単に魔道具の魔力注入なんぞを頼めるような相手ではない。
「誰か魔法部の他に魔力持ちはいないか……」
「そんな無茶な」
「魔道具に注入できるレベルの魔力持ちなんてみんな魔法部に囲い込まれてるっすよ」
「そうそう。王族でもない限り」
「王子様とかね……」
そこまで話し合って資材部職員たちは顔を見合わせた。
「レジナルド第三文官……」
「結構な魔力持ちだね……そういえば……」
「ぐがあ……!」
資材部長は大声をあげた。
「謝って来る!」
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