恐怖体験や殺人事件都市伝説ほかの駄文

高見 梁川

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カタログスペックに気をつけろ

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高見:「今回のタイトル的なことは軍事オタを自称する人間ならば、ウォーシミュレーションゲーマー対して一度は言いたいと考えたことがあるんじゃないかな?」

梁川:「カタログスペックだけ見れば大戦中の日本軍も堂々としたもんだからね。特に海軍」

高見:「イメージ先行型でもあるよ。某架空戦記作家ですらグラマンの装甲が厚くて20mmが命中してもなかなか墜ちない、みたいなこと書いてる。いったいどこの装甲車なんだそれは?(笑)」

梁川:「グラマンが被弾しても墜ちないというのは7.7mmしか当たってないという証左なんだよね。あの大空のサムライ坂井三郎氏もスコアはほとんど7.7mmでかせいだと自著でおっしゃっている。」

高見:「その7.7mmにしてもソ連製の7.62mmに対して弱装なのでラインメタル社製7.92mmMG17をライセンス料払って小倉工廠が国産化しようとしたんだけど、小型で強力なバネがどうしても作れず結局断念。当時の冶金技術では自動火器の特殊鋼はなかなかに小型化が難しかった、エリコン社製20mmは複座バネが非常に大きいのでなんとか国産できたわけなんだが、いかんせん初速が低い」

梁川:「海軍はブローニングのコピーにも失敗してるんだよね。三式13.2mmなんて粗悪品」

高見:「昭和18年にもなって弱装のホチキス実包使ってるあたりが救われない。Me109GのMG151、世に言うマウザー砲だってどんだけ欲しくても国産化できたはずがない。ゲーム上ではドイツからのライセンス取得でレーダーやDB601のようなエンジンがいきなり生産できたりするかもしれないけど」

梁川:「DB601はエンジンを倒立させて、普通の気化器じゃなくて噴射方式にして回転数をあげていたから、もうはじめっから回転数が高い。残念ながら日本の技術ではクランクシャフトが焼きついてしまっただろうことは間違いない」

高見:「飛燕は名機だったと思うけど、液冷機は当時の日本には過ぎた技術だった」

高見:「う~ん……それに主戦場が熱帯であったにもかかわらず海軍の設営隊は人力で地面を踏み固めていたからなあ。ラバウルが航空基地として有名なのは地理的な条件もさることながら、もともとオーストラリアの基地だったので、鉄板の滑走路、タキシングウェイ、分散駐機施設、管制塔まで備えていたから。日本人が建築したわけじゃないんだ」

梁川:「設備的にはオーストラリアにまで負けちゃうのか!」

高見:「日本軍はソロモンで8000機以上も喪失しているけど撃墜されたのはほんの数割にすぎない。ぬかるんだ滑走路で脚を折ったり、整備不良で部品の補給も受けられずに朽ち果てていったのがほとんどなんだ。仮に第二世代の新鋭機が実践配備されたとしても、当然エンジン出力があがって機体重量も重くなってるわけだし、重くなった機体を土の滑走路で運用してものになったかどうか。整備の工程だって増えてるし燃料の消費量もあがってる。それを考えると井上成美の南方基地航空艦隊構想も全く絵に描いた餅でしかなかった。島嶼戦において重要なのは良い基地をたくさんもてること。それがあってはじめて良い機体を運用できるんだ」

梁川:「当時の日本の軍事予算でそれは無理でしょ(笑)」

高見:「まずはなっから艦隊決戦をあきらめて、潜水艦と駆逐艦と軽空母だけ量産して、あとは基地航空隊で決戦するくらい思い切ればなんとか(笑)」

梁川:「そういえば松本零士のザ・コクピットのなかで米軍の点火プラグを盗みにいく話があったと思うんだけど……」

高見:「あの一式陸攻で島から脱出するやつね」

梁川:「そうそう、でも確かに日本機は点火プラグがよく不発を起こしたけどそれは点火プラグが悪いんじゃないんだ。エンジンから飛び散ったオイルで濡れてしまったのが原因なんだよ」

高見:「まあ終戦間際以前から日本の工作精度は酷いもんだった。アメリカが一万分の一ミリ・ドイツが一万分の数ミリの工作精度を達成していたなかで日本は0.05ミリの誤差が許容されていた。そりゃあオイルが燃焼室に入ってススが積もったり、燃料が曲軸質に下りてきてオイルを希釈してしまったりするよ。稼動率が減るのも無理はない」

梁川:「松本零士でまたまた思い出したけどスタンレーの魔女って話あるじゃない。」

高見:「うん。仲間が機体を軽くするために飛び降りちゃって一式陸攻が片発飛行でスタンレー山越えるやつね。」

梁川:「是非アニメ化して欲しい作品ではあるんだけど、困ったことに日本機は片発飛行はできないんだな。それはフルフェザリングができなかったから。だから片発になったらゆっくり高度が下がりはじめて、結局不時着を余儀なくされたらしい。機銃を捨てても乗員が飛び降りても機体が上昇することはないという現実」

高見:「悲しすぎる航空機話から戦艦に話を移すけど、大和級は果たして最強の戦艦たりえただろうか……?」

梁川:「個艦戦闘能力ならなんとかならんかな……? アイオワと一対一とか」

高見:「正直厳しい・・・と思う。溶接ではなくリベットを使用した大和の装甲は浸水に対する信頼性に乏しいし。それにアメリカの戦艦はスタビライザーと高度な装填装置を装備しているけど、大和級はベテランの特務士官が艦のゆれが水平になるのを待ってヤマカンで引き金を引いていた。カタログスペックだけ見てもアイオワ級の発射速度は大和級の倍近い。それが揺れの周期が大きい大型艦で、水平になるのをじっと待ってるんだから、こちらが一発撃つ間に3発は撃たれたと思う。それに……46センチ砲は反動が大きすぎて艦が浸水し始めるとその方向を指向した砲戦が出来なかった」

梁川:「しかも現実には1対1の戦いにはならないからね。袋叩きにされるだけだったろう。レーダーも大和のは分解能が低すぎて射撃の役には立たなかったから……大和もダメとなると……やはり日本はローレライに頼るしかないか」

高見:「航空機のときにも後方支援の重要性を取り上げたけど、アメリカにはハワイがあった。日本は呉や佐世保に戻るしかなかった。アメリカは移動式の浮ドッグまで用意したのに日本はトラックにすらドッグを建造できなかった。おそらくトラックに大規模ドッグがあれば自沈処分する艦艇の数は数割減ったかもしれない」

梁川:「正直、知れば知るほど絶望的な技術力の差、物量の差、人的資源の差に奮闘した兵隊さんに頭がさがるばかりです。まあいつか日本を褒め称える企画でも立ててみたいですね。」
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