天使と悪魔

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天使と悪魔

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今日は学校だ。あこはいつもより元気がない。母の声が1階から聞こえる。「早く起きなさい。遅刻するわよ」と…
 でもこれはいつもの恒例行事。あこが、「私行かない。学校なんて」と言った。その時、ヒラヒラと小さな天使が降りてきた。学校は「義務教育だよ。行かないと高校生になれない。 」すると、悪魔が降りてきた。「学校なんて行かなくていいんじゃない?どうせ友達との悩みが増えるだけだよ。」もう、あこがよくわからなくなって1階に降りてきた。母が、「どうするの?食べれるの?食べれるんなら食べなさい?早く!」今日の朝ごはんは鮭と味噌汁とご飯だった。あこが、「こんなに食べれないよ」と言った。その時、悪魔が降りてきた。「その鮭だけ食べればいいじゃん。残したら?」と言った。でも、天使が降りてきて、「せっかくお母さんが作ってくれたんだよ。もったいない。」あこが迷いに迷い部屋に閉じこもってしまった。悪魔と天使の誘惑がここから始まる。
 その日、あこは学校を休むことにした。でも、母には悪魔と天使がいるなんて打ち明けることも恥ずかしくてできなかった。だから嘘をついて頭が痛い事にした。母が、「いつもいつもあこは優柔不断で困るのよね。本当に手がかかる子だ」と寝ている私の横で独り言をいっていた。その話をあこは少し聞こえていた。やっぱり私ってこの家から邪魔なのかな?少し悩み始めた。すると、悪魔が「そうそう!君が邪魔だったんだよ。」とキツいことを言ってしまった。すると天使が、「君がいることがこの家族の幸せな事なんだよ。」でも悪魔の言葉には天使が何を言おうとカバーしきれない。あこは、家から出ていった。あこに聞こえていたとは知らず、母はほおっておいた。あこには天使の言葉か、悪魔の言葉どちらの言葉を心で受けとるのだろうか?
 その日の夜、あこは帰って来なかった。母はどうしても意味がわからなかった。私はあこに何を言ったかな?なんか傷つけたかな?でもなにも見当たらなかった。すると、悪魔が母のところにまで行ってしまった。悪魔が、「あなたが、あこさんに、独り言を言ってましたよね。それをあこさんは聴こえていました。」母の顔が一変し、外へと駆け出していった。その時、あこは自殺か人生を頑張ろうか究極の選択を選んでいた。母は私を必要としてない。友達だって私がいなくてもなんてことない。そう思いながら考えていると、公園のベンチで寝ていた。だんだんと寒くなる夜、あこは夢を見ていた。そう、それは自分が生きる道を選んでいる世界と、死ぬことを選び命を失うということの2つの夢だった。悪魔か天使どちらをあこは選ぶのか、それは誰もわからなくなっていた。すると、母があこの行く所を考えて公園に行った。そこには、ちじこまったあこの姿だった。母が、「あこ、ごめんね。聞こえてたんだね。もうあんなことはしないから。」と言った。あこの顔がだんだんひきずってきた。あこは、「それがお母さんの本音なんでしょ?ならいいよ。私はこの世界から消える。生んでくれてありがとう。命を無駄にするけど許して。」もう誰もなにも言えなかった。夢を見ても、悪魔をとってしまった。天使がここで降りてきてもらわないと困ると誰しもが思っていた。すると、母が、「私はあなたのこと本当に好きだよ。お願いだから死ぬのはやめて!」すると、あこは「ならお母さんと一緒に住みたくない。」そう言ってしまった。
 
 お母さんはどうすればいいか分からなくなった。あこと一緒に住むとあこにストレスがかかるし、あこの言うとおり、児童施設に預けると親子の縁がなくなる。もうお母さんは頭を抱えてしまった。「私はなにをやってしまったんだろう。子供に辛い思いをさせるなんて。」その夜は寝ることさえできなかった。すると朝、天使が舞い降りてきた。「あこと一緒に住むことが一番よ。自分の本当の気持ちを優先しなさい。あなたの大切な子供でしょ。」すると悪魔が舞い降りてきた。「あこの気持ちを優先しなさい。あなたの大切な子供なら子供の意志に任せなさい。」と言われた。天使の言うことにしたがったとしてもあこは幸せにはなれない。でも悪魔の言うことにしたがったとしても自分が幸せになれない。もうどちらか選ばないといけないということに焦りを感じていた。冬の夜は寒いのにあこは帰ってこない。もう私のところには戻って来ないのか?昨日までの楽しかったあの、あことの生活は終わりなのか?そう思っていたその時だった。「プルルプルル」電話が向こうの部屋からなっている。「誰でもいい。あこの事の電話なら」そう思って電話に出ると、あこのおばあちゃんからだった。「もしもし?あこが泣いて家に来てるわよ。何かあったの?」そうおばあちゃんに言われた。少し心が楽になった。あこがおばあちゃんに助けを求めることができた。それだけでもお母さんは嬉しかった。私じゃなくても周りの人にあこは助けを求めることができた。すると、ふと思い出してしまった。あの天使と悪魔の言葉を。
 でも、もう決心はついてきていた。それはおばあちゃん家で育ててもらう。おばあちゃん家は我が家からも近く歩いていける距離だ。あこが戻って来たいときに戻ってこれる。そういう環境を作ってあげるのもお母さんとして最後の事だった。でも、一つ問題がある。それはあこが大人になってもおばあちゃんの家ですごせるのかということ。おばあちゃんもいつかは年をとり死ぬ。それは誰しもがわかっていること。その時あこは一人で過ごしていかなけてばいけない。私がいた方がいいのか。でも、あこは私と過ごすことを嫌がっている。もうどうしようもない。その夜、あこはおばあちゃんの家に泊まった。そこでテレビを見ていた。あこが見ていたのは家族ドラマだった。私も「ああいう家族がよかった」そう思いながら見ていた。あこにはお父さんがいない。あこが生まれてすぐの頃、父は事故で死んだ。それからはお母さんがあこを一人で育て上げた。すると、あこはテレビを見ながら泣いていた。「お父さんが欲しかった」そう思いながらうたた寝をはじめようとしていた。すると、テレビから強い光がこちらを指している。あこは何が起きたのか分からない。その瞬間テレビから小人が何人もこちらに歩いてくる。「あこさん。私は天使です。今から私についてきてください。」そう言うとあこを連れてテレビの中に連れていかれた。あこは思い出した。この前、天使と悪魔が、朝学校に行く前に出てきたことを。あこは天使と一緒に個室に連れていかれた。あこは「何するの?」というと、天使は、「あこさんの知らないお母さんのあこさんへの愛の結晶です」そう言うと、動画を流し始めた。
 ~あこが生まれてすぐの頃お父さんは事故に遭い、命を失った。それからはお母さん一人であこを育てた。それはつらいことだらけだった。でもお母さんはあこの笑顔がかわいい、この子は私が守らないといけない、その一心で13才まで育て上げた。~そう言うと動画が切れた。どうするのか分からないあこを天使は「次はこの前お母さんが見ていた夢です。あのときの…」そう言うと動画を流し始めた。それはあこが思いもしない空想の物語であこがその物語には出てはいなかった。続きを見るとあこという人は物語の中に出てくる登場人物だった。あこはすぐに天使に「早くお母さんにあいたい。私はなんてことを…」そう言うと小人たちがあこを連れてテレビから抜け出せる扉まで連れていってくれた。すると天使が再び登場し、「ここからはあなた次第です。がんばってください。」そう言うと天使は消えてしまった。あこはすぐにお母さんのいる家に帰った。お母さんは毎日あこが帰ってこないか寝ずに待っていた。この時間は夜中の3時。お母さんの愛の結晶は凄かった。「お母さん~」そう言うとあこはお母さんに抱きついた。
 「お母さんごめんね。私は勘違いしていた。本当にごめんなさい。一緒にこれからも住んでいい?」そう言うとあこは自分の部屋に戻った。お母さんは何が起きたのかビックリして分からない。そう考えていると、天使が舞い降りてきた。「お母さんの見ていた夢をあこさんに見せました。あなたを助けてあげたい一心で。」するとお母さんが「本当にありがとうございます。どうお礼をしていいのか。」すると天使が、「あなたの努力が私たちをあつくしたんです。空から見てて、この家族は助けてあげるときっといい家族に戻れる。そう直感で…何も考えないで飛んできたんです。」それからはあこは学校にもちゃんと行けるようになった。お母さんもあこには無理をさせないように気をつけた。それからあこは20才になり、お母さんと誰が見ても理想の親子になった。
 
 
 
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