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死体を公女の傍に置いても問題ない人形にしなければならない。倫理的に誰も許可しなかったが公爵家、領地の研究者たちで密かに研究していたものを詰め込む。
それが許された。
錬金術師も魔導師も公爵家専属だが、昔から顔を見せていた訳では無い。人身売買とかで買ってくるなと厳命している。
仮面での生活は慣れているが、仕事が多い。父が騎士仕事で王族の名前を見ることがある。ムカつく。そんな感覚ばかりだ。
研究者達には好きなようにさせているのだから結果を出して欲しい。
「お嬢様、ドレスやアクセサリーの依頼は如何なさいますか?」
「公爵家として外に出ることは少ないのでそれは控えめに。衣装は騎士の装いを多めにお願いします。」
「承知致しました。衣装デザインを持ってこさせてから決めましょう。」
そして試作品が出来たと連絡が来た。
シュヴァリエ公爵家が独自で抱えている技術者、錬金術師。自身の魔力ではなく国の空気に漂う魔力を使う魔術とは別形態。
彼らは死体ではなく魔術師と協力して「人造人間」を作った。死体を弄るよりは作った方が美醜も含めて好みにできる。という認識らしい。材料には魔物の素材、魔石等。
お金と無茶ぶりをしたら変なものを真面目に研究した結果なのだろうが、父とラファエルが頭を抱えていた。
「人格はあるのか?」
「1から教育しますので芽生えるでしょう。人と同様に扱うのであれば軋轢などは出ないかと思いますが、過酷な労働危険な事ばかりであれば…」
「……」
「契約を必須条件なので1人2人が限界かと。それに費用が膨大です。」
明細書を持ってきたので父と一緒に覗き込む。たしかにお金も時間も好きに使っていいと言っていたが頭を抱えたくなる金額を使い込んでいた。
「単純な書類計算、軽量等の小さなミスなどはしないでしょうし、要所配置すれば費用分の働きはするかと。」
「そうか。とりあえず私の元にも置いておきたい。試験運用も兼ねて数人作りなさい。」
全員に戦闘できる武芸も叩き込み礼儀作法も相応しいものに。
①「人造人間」と判別出来るように契約紋が見えるようにすること
②判別の為に首に刺青を入れておく。
③一個人として尊重すること。
他にも細かい取り決めごとを決めた。
こんなことが直ぐにできたのだから前々からそういう研究を隠れてしていたのだろう。と、全員思ったが戦力の強化、人員の確保が出来るようになったのだからそれで構わない。
シュヴァリエ公爵家の家訓-王家を諌める存在であること。聖王国聖女の末裔である認識をすべし。許すべからず。というのが代々伝わっており、他家から婿養子で来た人間は公爵家の礎という場所?物に一生仕える。という契約を結ばなければならないらしい。父は勿論それをしており、実家とは縁切りして婿入りしたとか。礎の場所は我が家の地下にあるらしいが成人してからしか入れない。
聖女の弟が婿入りに着いてきて興した家なのに色々重すぎだろう。家訓に怨念しかない。綺麗な言葉しかないが、直筆の家訓が血で書いてある……
ヴェロニカは口には出さなかったが費用対効果や作った後、作る場所の選定に入っていた。分かることは父がとても悪い顔をしているように見えたので相当王家にしたいのだろう。
こういう研究者を抱えて予算を求められてもポンと出すから王家より人気が有るのだろう。他所の領地で研究していた人間が手荷物なしでも飛び込んで来るのだから……最初に習ったけれどお金の使い方が凄い。
【優秀な人材を留め置くには正当な評価と適正な報酬である。】
ケチるな。ということらしい。とりあえず作ってみよう、使って見よう。で動くことになった。気合いは十分??なので多分出来上がるのは早いだろう。
研究者達が小躍りしたいのを抑えながら部屋から出たのを見てボヤいていた。
「試作品ならあるのだろうな。」
ないとは誰も断言しなかった。やっている。確信だけはあった。他所には技術流出させない契約を既にしているから心配はないらしい。事業にもお金をドバドバ使っているのか。
予算が欲しければ欲しい理由とお金の使い道をきちんと説明したらつくのだから……領地内だけはとても発展しているらしい。兄達からそういう連絡が来ている。
王都の学園とは比較にならない発展と学習内容であり、領官、騎士の勉強に来たのに追いつけてないから再入学していると。進みすぎでは???
そう思い首を傾げて兄達の手紙を読む。領地から出せない物が大多数過ぎるが王都が田舎に感じるほどらしい……楽しんでいるようで何よりです。
「流石公爵領ですね。」
「行きたいとか?」
「1人では難しいですね。他所の貴族が入ることへの制限が厳しいのです。当然ですが。それに私が行くと帰って来ない自信もあります。」
「……人造人間の傍付や護衛が出来たら1-2年ほど行きますか?私が許可出しますけど。」
ラファエルはうっ。と、詰まっていた。「黒烏」として情報収集していた時も公爵家、公爵領の情報をとる事は出来なかったなんか不落だとか。
「理由もなく離れると公爵は許さないでしょう。」
「お兄様達への挨拶とか人造人間の報告とか適当に私がお使いを命じるだけよ?」
「ただし、人造人間がちゃんとラファエル以上に働けること前提だけれど。」
「……承知致しました。お任せ下さい。」
それが許された。
錬金術師も魔導師も公爵家専属だが、昔から顔を見せていた訳では無い。人身売買とかで買ってくるなと厳命している。
仮面での生活は慣れているが、仕事が多い。父が騎士仕事で王族の名前を見ることがある。ムカつく。そんな感覚ばかりだ。
研究者達には好きなようにさせているのだから結果を出して欲しい。
「お嬢様、ドレスやアクセサリーの依頼は如何なさいますか?」
「公爵家として外に出ることは少ないのでそれは控えめに。衣装は騎士の装いを多めにお願いします。」
「承知致しました。衣装デザインを持ってこさせてから決めましょう。」
そして試作品が出来たと連絡が来た。
シュヴァリエ公爵家が独自で抱えている技術者、錬金術師。自身の魔力ではなく国の空気に漂う魔力を使う魔術とは別形態。
彼らは死体ではなく魔術師と協力して「人造人間」を作った。死体を弄るよりは作った方が美醜も含めて好みにできる。という認識らしい。材料には魔物の素材、魔石等。
お金と無茶ぶりをしたら変なものを真面目に研究した結果なのだろうが、父とラファエルが頭を抱えていた。
「人格はあるのか?」
「1から教育しますので芽生えるでしょう。人と同様に扱うのであれば軋轢などは出ないかと思いますが、過酷な労働危険な事ばかりであれば…」
「……」
「契約を必須条件なので1人2人が限界かと。それに費用が膨大です。」
明細書を持ってきたので父と一緒に覗き込む。たしかにお金も時間も好きに使っていいと言っていたが頭を抱えたくなる金額を使い込んでいた。
「単純な書類計算、軽量等の小さなミスなどはしないでしょうし、要所配置すれば費用分の働きはするかと。」
「そうか。とりあえず私の元にも置いておきたい。試験運用も兼ねて数人作りなさい。」
全員に戦闘できる武芸も叩き込み礼儀作法も相応しいものに。
①「人造人間」と判別出来るように契約紋が見えるようにすること
②判別の為に首に刺青を入れておく。
③一個人として尊重すること。
他にも細かい取り決めごとを決めた。
こんなことが直ぐにできたのだから前々からそういう研究を隠れてしていたのだろう。と、全員思ったが戦力の強化、人員の確保が出来るようになったのだからそれで構わない。
シュヴァリエ公爵家の家訓-王家を諌める存在であること。聖王国聖女の末裔である認識をすべし。許すべからず。というのが代々伝わっており、他家から婿養子で来た人間は公爵家の礎という場所?物に一生仕える。という契約を結ばなければならないらしい。父は勿論それをしており、実家とは縁切りして婿入りしたとか。礎の場所は我が家の地下にあるらしいが成人してからしか入れない。
聖女の弟が婿入りに着いてきて興した家なのに色々重すぎだろう。家訓に怨念しかない。綺麗な言葉しかないが、直筆の家訓が血で書いてある……
ヴェロニカは口には出さなかったが費用対効果や作った後、作る場所の選定に入っていた。分かることは父がとても悪い顔をしているように見えたので相当王家にしたいのだろう。
こういう研究者を抱えて予算を求められてもポンと出すから王家より人気が有るのだろう。他所の領地で研究していた人間が手荷物なしでも飛び込んで来るのだから……最初に習ったけれどお金の使い方が凄い。
【優秀な人材を留め置くには正当な評価と適正な報酬である。】
ケチるな。ということらしい。とりあえず作ってみよう、使って見よう。で動くことになった。気合いは十分??なので多分出来上がるのは早いだろう。
研究者達が小躍りしたいのを抑えながら部屋から出たのを見てボヤいていた。
「試作品ならあるのだろうな。」
ないとは誰も断言しなかった。やっている。確信だけはあった。他所には技術流出させない契約を既にしているから心配はないらしい。事業にもお金をドバドバ使っているのか。
予算が欲しければ欲しい理由とお金の使い道をきちんと説明したらつくのだから……領地内だけはとても発展しているらしい。兄達からそういう連絡が来ている。
王都の学園とは比較にならない発展と学習内容であり、領官、騎士の勉強に来たのに追いつけてないから再入学していると。進みすぎでは???
そう思い首を傾げて兄達の手紙を読む。領地から出せない物が大多数過ぎるが王都が田舎に感じるほどらしい……楽しんでいるようで何よりです。
「流石公爵領ですね。」
「行きたいとか?」
「1人では難しいですね。他所の貴族が入ることへの制限が厳しいのです。当然ですが。それに私が行くと帰って来ない自信もあります。」
「……人造人間の傍付や護衛が出来たら1-2年ほど行きますか?私が許可出しますけど。」
ラファエルはうっ。と、詰まっていた。「黒烏」として情報収集していた時も公爵家、公爵領の情報をとる事は出来なかったなんか不落だとか。
「理由もなく離れると公爵は許さないでしょう。」
「お兄様達への挨拶とか人造人間の報告とか適当に私がお使いを命じるだけよ?」
「ただし、人造人間がちゃんとラファエル以上に働けること前提だけれど。」
「……承知致しました。お任せ下さい。」
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