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72 遠出の採取
しおりを挟む川に入り、クズ石採取をするのだがイザークは馬の世話をしている。彼が入る事もないし、特に気にしないで石を拾ってカバンの中に入れていく。イザーク様暇では無いのだろうか…視線を向けると木陰ですやすや寝ているようだった。
そろそろ休憩しようと川から出ると彼はパチリと目を覚ました。足音???
「あ…すみません。」
「いえ、どうされました?」
傍に向かい馬に預けているタオルで足を吹いて持たされたランチボックスを持って傍に座り蓋を開けるとサンドイッチや果物等を敷き詰められている。
「イザーク様もどうぞ。」
「…頂きます。普段これだけ食べるのですか?」
「いえ。アリアが出かけるからと多めに詰めてくれたんだと思います。」
荷物からお茶を沸かす道具を用意して川の水からお茶を入れようとする。
いつの間にかイザークが適温でいれてくれたのだがなぜ奪われたのだろう。美味しいし。
「なぜ私が入れるより美味しいのですか。」
「従僕にもなれるように学びましたから。」
「何でもできて凄いですね。」
ご飯が美味しい。パクパクと食べるが眼帯生活長いのか不便を感じないのだろうか。護衛が必要ない程にのんびりとしており、私も石の採取を満足するまで拾った。
「イザーク様、すみません。集め終わりました。」
「もういいのですか?」
「あ、はい。城からの依頼分に含まれる多量の予備で大体は足りているんですけど、足りない色とか種類を探していたので。遅くなるとアリアが心配するかも…」
「…分かりました。行きは前に乗ってもらいましたが帰りはどうしますか?私の背中側に座って服を掴んでも良いですし。」
「支えてもらった方が安心します。」
恥ずかし…馬に引き上げて貰うのだがしっかりと支えられている。近い…
「お疲れだったのではないですか?」
「色々ありますからそれなりに疲れてますが、今日の事はお気になさらず。うたた寝する程に何も無かったのですから。」
鞍に跨って支えてもらっているけれど強ばっているのが伝わっている気がする。しかも行きと違って帰りが凄くゆっくりだ。勿論人の足よりは早いけれど。
「これでも感覚器官が人よりも優れているのでうたた寝していても人の足音とかには気付きます。護衛だからとずっと見られている方が嫌でしょう。」
「お気遣いありがとうございます…」
「レオンハルト様とは馬車移動ばかりだったのですか?」
「そうですね…馬でではなかったです。」
徒歩圏か馬車ばかりだったし、1人で採取はポニーに乗っていた。
「高さが気になるなら眠ってもいいですよ?」
「…お、落ちません???」
「落としませんよ。」
「怖くて寝れません…」
「支えているので背もたれのようにしてください馬に怯えているのが伝わる方が困ります。」
淡々と言われて落とされたくないのでイザークの腕を掴んでもお尻を後退させる。片腕でしっかりと抱きとめられたので落ちる心配はなさそうだ。すごく近い。口を開いたら気持ち悪くなりそうだし…何か会話しなければ…
「無理して口を開かなくて良いですよ。気持ち悪くなるのでは?」
「…はい。」
見破られていた。頭をワシワシと撫でられてどうすべきなのか見上げると反論が出てこなかった。
「これも貴族の嗜みにあるのですか?」
「女性貴族でもする人は居ます。ですが、横乗り用の鞍を付けて座るか趣味の人間くらいです。乗馬よりダンスが出来た方がいいです。」
「ダンスの話題はもういいです…傷口に塩振り込まないで下さい。」
「練習でどうにもなりませんからね。」
事実だから辛い。ミカエラは意趣返しのつもりで後ろに向かって頭突きをしたのだな、金属に頭をぶつけた。
「っ!!!」
「護衛なのだから防具は付けてますよ。大丈夫ですか?バランス崩してたようですが…」
頭痛い。頭を抑えてしばらく口を聞くのもやめた。子供相手をするようにしばらく頭を撫でられていた。
こんなはずじゃなかった…たんこぶ出来た…
絶対笑ってる…くそぉ…
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