出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-

はまち

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73 更に遠出

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新作を作ってみたり自分用の髪飾りを作ってみたりしつつ適度にヘラルド様の愛人として夜会でイチャイチャするだけというなかなか無い生活を送っていた。

「ミカエラ様、イザーク様とデート行かないのですか?」
「…何処をどうしたら私がイザーク様とデートなの。」

アリアに聞くと違うの?と、首を傾げた。

「私はただの護衛対象だよ。」
「私結構侯爵家長いけど、イザーク様がユーリ様以外の護衛についてるの見たことないから。ミリーナ様の護衛もユーリ様が付かない限りつかないもの。」
「いやいや…そんな事ないでしょ。」
「でも好感度高そうに見えたんだけどなぁ。ミカエラ様、創作意欲掻き立てるために読みましょう!ロマンス小説!!私のお給金で買ってここに置いてますので!!」

本棚が魔物の特性や鉱山の地図意外に増えていると思ったけれどアリアが私物を押し込んでいたらしい。私もお金を多めに渡しているからなのか好きな本を買えると買っていたらしい。

「会計報告的に問題ないからいいけど、私の本棚とは別に自分の部屋に置かないの?本棚置いてるでしょ?正しくはヘラルド様が全部屋に置いたんだけど。」

「私の部屋にも置いてますよ?私の趣味全開の本ですけど。閨事の記載もあるので私の部屋です。ミカエラ様、興味あります?」

首を横に振る。全くない。ミカエラはクッキーを食べながらそこまで恋愛脳にはなれないなぁ。と、

「じゃあミカエラ様、次の採取いつ行かれますか??」
「…3日後??こっち方面は魔獣とかが多いから避けてたんだ。こっそり護衛つくなら2・3日かけて行ってみたい。侯爵家がダメなら諦める。」

「別に3日後である必要ないんですね?人が準備出来次第でも。」
「まぁ、うん。何となくそれくらいで行きたいかなって。」
「分かりました。希望場所と日数も添えて連絡しますね。」



イザーク様だった。装いが以前より騎士とかに近い武装していた。

「レオンハルト様希望であればあと7日ほど待ってください。」
「え、いえ…よろしくお願い致します。お忙しいのでは?」
「ユーリ様よりエリザベス様の誕生日が近いから新作のプレゼントがあれば喜んで貸し出す。との事です。」
「…せめてどういうのがいいのか発注書とか…」


幌有の荷馬車になっていた。
「隣に座りますか?中にクッションも用意してますが。」
「景色見たいので隣宜しいですか?あと気になったものがあれば採取もしたいので。」

お尻が痛くならないようにクッションを敷いて横に座る。フードを目深に被せられて王都から出る。クッションがあるからおしりは痛くない。スケッチブックを取り出してイザーク様のレンタル分の納品するものを作らないと。何がいいんだろう。髪飾りかなぁ。貝殻よりも宝石???

「どうしてこちらの方面にしたのですか?」
「魔獣が多くて私の魔力だと道中にご飯になるのが関の山だと思っています。攻撃魔法の適性ありませんし。」

「囲まれたら私が対応しますので止めずにこの速度で走ってください。」
「え…」
「魔石は回収しますから。」

雑魚は現れないと思いますが。そんな断言どこから出来るのだろう。道中プレゼントを考えるばかりだ。

「宿泊は道中の村ですか?」
「はい!そのつもりです。」
「分かりました。目的地に行くのを優先するなら中で眠れるように毛布を持ってきてますが…」
「それだとイザーク様が眠れないですよね?それは宜しくありません。」
「部屋はどうします。防犯上同室の方がいいかと思いますが…」
「……そうですね!お金も勿体ないですし!」

あまり見たことの無い花とかがあれば止めてもらって高速スケッチをする。木の実や色のグラデーションなど気になるものを見つけると高速で手を動かす。道中保存食で腹を満たすのだがミカエラは文句も言わず黙々と食べていた。

「異性と同室というのに警戒心ないのですか?」
「ヘラルド様とも王宮で同衾してますし、勿論クッションでバリケード作ってですけ…ど…???」

むにー。無表情で頬を引っ張られた。
「いくら仕事とはいえ、父親より年上の異性と同衾というのはどうなのですか。」
「父親いませんし、ヘラルド様が手を出すわけないです。契約書交わしているんですから。勿論別料金発生してます。何故イザーク様に怒られないといけないのです…クーフィア様は繁忙期だし不寝番付けてるから私に襲い掛かるなとまで言われたのに…」
「…それで私と同室でも平気と?」
「はい!お仕事ですから信頼しています。」
「少しは警戒してください。」

1つ目の村に行くと宿屋を取る。それでも同室になった。お風呂はないがお湯を別料金で桶を用意してくれるらしい。ないよりマシだ…

「ミカエラ、湯船を用意してもらえば良かったのでは?」
「今日はそんなに汚れてませんし、身体拭けたらそれで…イザーク様は必要なら今から」
「私も平気です。」

タオルで身体を拭くのに衝立で遮るだけだ。ベッドが1つでクッションバリケード作れない…

「ミカエラがベッドを使ってください。私は床で問題あ「問題ありますので同衾です!!」分かりました。」

ミカエラは背中を向けて直ぐに眠ってしまい、イザークはため息をついて彼女の亜麻色の髪に触れる。
ゴロンとイザークのいる方に寝返りを打つ。よしよしと頭を撫でるとふにゃんとした寝顔が見えた。

「…これはキツいな。」
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