出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-

はまち

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131 再入学???

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 久しぶりに朝からヘラルド様のお屋敷でお茶会だ。お茶会????お食事会…???仕事ではないとあったので楽な服装でお屋敷に招かれた。ユーリ様とレオンハルト様まで招かれている。どういうことだろう。かなり不思議だ。こういうメンツでお食事会というのでお招きされたことはなかった。ここまで来ると嫌な予感の方が強くなる。そう思った頃には帰れる訳もない。いつもの客間ではないし、お菓子やお茶もいつも以上にいいものばかりだ。すごくおいしい。舌鼓をうち、お茶の香りを堪能する。幸せ。なんだかすごくもふもふのぬいぐるみをプレゼントとして渡されてしまった。

「なんだか今日皆さんとてもお金をかけておもてなしをしてくださってますけれど…何か企んでいらっしゃるのですか?」
「企んではいないが、ミカエラにはあまりよろしくない報せがあってね。」
「じゃあ帰ります。ごちそうさまでした。」

 席を立とうとしたらイザークに肩を掴まれ座らされた。そしてすかさずユーリの魔力で拘束をされる。魔力差もあるのでミカエラは手は自由にお茶を飲んだりできるが、足と胴体が椅子に縫い付けられて立てなくなってしまった。

「まぁまぁ。とりあえずこれに目を通しなさい。」

 そう言ってヘラルドが出したのは封筒。そして王家の封蝋が付いている。開けたくない。碌でもない内容に決まっている。見ないで捨てたい。が、王族からの勅書を見ないで燃やすなんてできない。恐る恐る開けて中にある手紙を広げて中身を読む。お詫びのお手紙。子爵にするために学園の跡取りや跡取りに嫁ぐ予定の令息、令嬢のみが通うことを許される領主候補課程に強制編入。そしてそれなりの成績が必須であることが書いてある。そして命令であり確定事項だと。その勅書まで添えられている。細かいことはロズウェル侯爵家とヘラルド様が全て整えてくださるとか…

「なんでこうなったんです!?!?!?!?!?!?私、勉強なんてできませんよ!?!??!ご存知ですよね!?!?!?!?」
「陛下がそういうのを知らずに手っ取り早く成績で示せばいいだろうということでね。反発したのはスカルラッティ伯他保守派と呼ばれる人たちだね。つまりミカエラの試作の恩恵を受けられていない人たち。」
「爵位も土地も入りませんから平民に戻してください。お手間を煩わせたくありませんし、何より好きでもない勉強をしたくありません。今の仕事だけで十分ですし別に私は土地が欲しいとか、肩書きが欲しいとかそんなこと一度も望んでいません。なんでこんなことになっているのですか。私、付随で押し付けられたものに関して欲しいだなんて言ったことないです。」
「すみません…」

 イザークが謝罪をするが、彼が悪い訳ではないので首を横に振る。そもそも私に爵位を押し付けた人たちでどうにかしてほしい。私は貴族対応しなくていいという話ではなかったか???

「領主候補課程だけでなら2年だけだからさ…」
「私仕事を抱えていますし、そんな領主候補課程なんてしかもそれなりの成績って取れると思っているのですか????」
「年下が多いし、フォローをするからさ。それに、成績次第では我が領のゼフ山って知ってるかな。それなりに有名だけど。」
「…入山料、採掘料がべらぼうに高くて全体的に物価がすごく高くて有名…だけど良質な石だけでなく魔石も採掘できるんですよね。特にロズウェル侯爵両側。」
「迷惑かけまくってるから父にも話をつけているし、成績次第で採掘許可を出すよ。日数や旅費もこっちもち。」

 とても魅力的だ。ミカエラはピクッと肩を震わせた。

「ミカエラ、ゼフ山って近くに川もあるんだけど多分誰も川ざらいとかしてないだろうから…目当てのものとかあると思うけれど…」

 レオンハルトの耳打ちにバッと顔をあげて彼の顔を見るとクズ石だけでもすごい量があると思うし、採掘してもいいんだよ???と、本人が喜びそうなことを囁いてみると行ってみたい。お金のかからない川だけでも行きたい。と欲望や表情が隠せていない。

「でも、無理ですよ。勉強苦手ですし、お貴族様の項目なんて…」
「大丈夫だよ。肝心なのは帳簿が読めるかどうか。普通の貴族は収支報告を読むのに苦労するけれど、ミカエラはそれがないから大丈夫。他のことはこっちが全力でフォローするから。」

頷くしかないんだろうけれど…こういう勉強苦手だと全員知っているはずだ。

「ダンスあるなら行きません。歌唱もダメです。」

全員がイけると思ったが最後の要望に固まった。

「大丈夫だよ。最近教養科目になって、元々出来る人とかあえて取らないし、婚約者以外と踊りたくないとか人数比率が合わないとかで選択科目だから。領主候補過程の授業にはないから。」

レオンハルトがヨシヨシと頭を撫でて説明する。ユーリとレオンハルトで学年がそれなりに離れているが離れてある間に必須科目ではなくなっていたらしい。

「…まぁ、最後のパーティでダンスあるくらいかな。それなら俺やヘラルド様、イザークにぶら下がるだけで誤魔化せるから大丈夫。」

泣きたい。いや、上達してないけど、足を踏むとかではなく宙吊りらしい。
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