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183 それにしても
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ミカエラは食べて満足したのかジュースを飲みながらイリヤ嬢とカリアス男爵を見つめていた。だけれども彼女はニコッとしていた。何を考えているのだろうかと、思っていたが距離を詰めてきた。
「どうしました?」
「元冒険者にしてはふくよかですね。聞いてはいましたけれど。」
「あぁ、最初はちゃんとした騎士だったのですけれど、丸くなりましたね。食べるばかりで運動しなかったのでしょう。私はちゃんと動きますよ?」
「聞いてません。でも不健康そうな丸いわんこは可愛いかと思うんです。」
じっと見上げてきた。不健康な丸いわんこ。ミカエラは期待しているようだけれども……そう思いながら頭を撫でて拒否をする。
「早死にしますよ?いくら見た目が可愛くても。」
「う……子犬の綿毛が好きなので。」
「事後なら構いませんよ。」
真っ赤になり見上げるとニコニコとして額に唇を寄せてきた。慣れたけれど、人前でするのはやめてほしい。目線をそらすとレフィラ嬢と目があった。すっごい睨んでいるが隣にいる護衛兼パートナーはわかってかわからずか……側にいる。
「わざとですか??」
「わざとも何も自然体です。ダメですか?」
「部屋から叩き出しますよ。」
すっと離れた。ものすごくしょんぼりしている。どうしたものか。グラスを持ったまま彼の正面に移動して背中からもたれかかり腕の中に収まる。
「???ミカエラ???」
「足が疲れたので。壁になってください。」
「抱き上げたり休憩のために移動しますが?」
「それだと目的が達成できないじゃないですか。」
自分は語彙や観察眼はあまりないけれど、全体を俯瞰してなら何となく分かる気がする。ぬいぐるみのように抱きしめられてイリヤ嬢とカリアス男爵を眺めていると手を引かれて移動をする。
「凝視するものじゃないですよ。やり方があるんです。」
「やり方?」
手を引かれて向かったのは侯爵家と親交のある家の塊だ。
「あら、フィル子爵。そちらは新作ですか?」
「あ、はい。」
「イザーク様とお揃いで素敵ですね。仲睦まじいですね。」
「…???そうですか??ありがとうございました???」
本人が困りながらの返答なのが面白いのか全員ニコニコしている。
「どうされまして?」
「何か、カリアス男爵とイリヤ嬢に嫌がらせされそうというか危機感しかないので。」
「あぁ、それで。最近無茶な依頼が通らないとかとどこでも親子揃って喧伝しているようですね。皆納期未定で承諾しているというのに。」
目の前の人間が作って納品してるんだけど。私の専属と思っている人も多い。徐々に知っている人も増えているらしいけれど。
「ミカエラ様、常に状態異常防止の魔道具はお付けになられた方が良いでしょう。どうやら良からぬ異能持ちのようですから。」
「異能……」
「聖女とは言いますが、あれはラミアかセイレーンの類でしょう。育ちも良くないようですし。平民上がりだとしてもミカエラ様とは大違い過ぎますね。」
私はまだ許せるけれど向こうは大概しろってことだろうか。私に対する皮肉というよりはあちらの方なのだろう。私が彼女のように男を侍らせるようなことはしないし、ヘラルド様に同行する時もただニコニコして側に立っているだけ。仕事の話で邪魔をしないし、余計なことに口を出さない。
合図を決めて不愉快になったらそういう素振りを互いにしてどちらかの理由で退席。
一応礼儀作法を叩き込まれてから社交界に連れ回されたからなぁ。
「ミカエラ様は学園の成績も優秀ですし、イザーク様も幸せなのでは?」
「成績次第で領地の配分が決まりますから。ミカエラが乗り気では無いので補佐と護衛を務めるだけですよ。皆様に玩具にされると私に冷たくなるので程々に、お手柔らかにお願い致します。」
頬を撫でられた。赤くなって見上げるとにっこりされてしまった。ぷい。と、目線を逸らすが抱き寄せられる。
「まぁまぁ……あの聖女という娘の内情はこちらにおまかせして若い者同士自分のすべきことをなさりなさいな。」
奥様方……恥ずかしい。そう思っていると恋人、婚約期間が1番楽しいから。と、任せて帰りなさいな。と、叩き返されてしまった。
「帰ってきてしまった。」
「そうですね。奥様方が色々動いてくださるようですし。」
家に着いて化粧を落とされて服や宝飾品を外されて箱に直していく。
部屋に近い浴室にはお湯が張られている。
「私がするか一緒に入るか選んでください。アリアを起こす訳には行かないでしょう?」
アリアは既に眠っている。化粧や髪を固めるための整髪料を落とさないといけない。
「……お任せ致します。」
空気に酔ったのかもしれない。顔が熱い。眠い。抱きついて顔を埋める。
「ミカエラ?」
「疲れました……緊張したのかもしれません。」
「明日早く起きてお風呂にしましょうか。それとも私の欲に付き合ってくださいますか?」
「……それは嫌です。寝ます。アリアに頼みます。気になるなら自室でお休み下さい。」
のそのそとベッドに移動してさっさと寝る。
「どうしました?」
「元冒険者にしてはふくよかですね。聞いてはいましたけれど。」
「あぁ、最初はちゃんとした騎士だったのですけれど、丸くなりましたね。食べるばかりで運動しなかったのでしょう。私はちゃんと動きますよ?」
「聞いてません。でも不健康そうな丸いわんこは可愛いかと思うんです。」
じっと見上げてきた。不健康な丸いわんこ。ミカエラは期待しているようだけれども……そう思いながら頭を撫でて拒否をする。
「早死にしますよ?いくら見た目が可愛くても。」
「う……子犬の綿毛が好きなので。」
「事後なら構いませんよ。」
真っ赤になり見上げるとニコニコとして額に唇を寄せてきた。慣れたけれど、人前でするのはやめてほしい。目線をそらすとレフィラ嬢と目があった。すっごい睨んでいるが隣にいる護衛兼パートナーはわかってかわからずか……側にいる。
「わざとですか??」
「わざとも何も自然体です。ダメですか?」
「部屋から叩き出しますよ。」
すっと離れた。ものすごくしょんぼりしている。どうしたものか。グラスを持ったまま彼の正面に移動して背中からもたれかかり腕の中に収まる。
「???ミカエラ???」
「足が疲れたので。壁になってください。」
「抱き上げたり休憩のために移動しますが?」
「それだと目的が達成できないじゃないですか。」
自分は語彙や観察眼はあまりないけれど、全体を俯瞰してなら何となく分かる気がする。ぬいぐるみのように抱きしめられてイリヤ嬢とカリアス男爵を眺めていると手を引かれて移動をする。
「凝視するものじゃないですよ。やり方があるんです。」
「やり方?」
手を引かれて向かったのは侯爵家と親交のある家の塊だ。
「あら、フィル子爵。そちらは新作ですか?」
「あ、はい。」
「イザーク様とお揃いで素敵ですね。仲睦まじいですね。」
「…???そうですか??ありがとうございました???」
本人が困りながらの返答なのが面白いのか全員ニコニコしている。
「どうされまして?」
「何か、カリアス男爵とイリヤ嬢に嫌がらせされそうというか危機感しかないので。」
「あぁ、それで。最近無茶な依頼が通らないとかとどこでも親子揃って喧伝しているようですね。皆納期未定で承諾しているというのに。」
目の前の人間が作って納品してるんだけど。私の専属と思っている人も多い。徐々に知っている人も増えているらしいけれど。
「ミカエラ様、常に状態異常防止の魔道具はお付けになられた方が良いでしょう。どうやら良からぬ異能持ちのようですから。」
「異能……」
「聖女とは言いますが、あれはラミアかセイレーンの類でしょう。育ちも良くないようですし。平民上がりだとしてもミカエラ様とは大違い過ぎますね。」
私はまだ許せるけれど向こうは大概しろってことだろうか。私に対する皮肉というよりはあちらの方なのだろう。私が彼女のように男を侍らせるようなことはしないし、ヘラルド様に同行する時もただニコニコして側に立っているだけ。仕事の話で邪魔をしないし、余計なことに口を出さない。
合図を決めて不愉快になったらそういう素振りを互いにしてどちらかの理由で退席。
一応礼儀作法を叩き込まれてから社交界に連れ回されたからなぁ。
「ミカエラ様は学園の成績も優秀ですし、イザーク様も幸せなのでは?」
「成績次第で領地の配分が決まりますから。ミカエラが乗り気では無いので補佐と護衛を務めるだけですよ。皆様に玩具にされると私に冷たくなるので程々に、お手柔らかにお願い致します。」
頬を撫でられた。赤くなって見上げるとにっこりされてしまった。ぷい。と、目線を逸らすが抱き寄せられる。
「まぁまぁ……あの聖女という娘の内情はこちらにおまかせして若い者同士自分のすべきことをなさりなさいな。」
奥様方……恥ずかしい。そう思っていると恋人、婚約期間が1番楽しいから。と、任せて帰りなさいな。と、叩き返されてしまった。
「帰ってきてしまった。」
「そうですね。奥様方が色々動いてくださるようですし。」
家に着いて化粧を落とされて服や宝飾品を外されて箱に直していく。
部屋に近い浴室にはお湯が張られている。
「私がするか一緒に入るか選んでください。アリアを起こす訳には行かないでしょう?」
アリアは既に眠っている。化粧や髪を固めるための整髪料を落とさないといけない。
「……お任せ致します。」
空気に酔ったのかもしれない。顔が熱い。眠い。抱きついて顔を埋める。
「ミカエラ?」
「疲れました……緊張したのかもしれません。」
「明日早く起きてお風呂にしましょうか。それとも私の欲に付き合ってくださいますか?」
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