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2章 呪われた炎
第27話 セッテの治癒魔法
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-数日後-
「じゃあ、まずはかすり傷から治してもらおうかな」
「うん!セッテがんばる!」
僕は、たわしを台所から持ってきて、リビングの椅子に腰かけてからズボンをめくり、膝小僧をガリッと削ってみせた。じんわりと赤くなっている。
「痛そう……セッテがすぐ治してあげるね!」
「うん、お願い」
ふんす!と気合を入れたディセが僕の前に膝をついて両手をかざしてくれる。
「うー!元気になーれ!元気になーれ!」
そして、両手から発せられた緑の光が僕の膝に吸い込まれていった。それと同時に傷も治っていく。
「おぉ!すごい!すっかり元通りだ!」
「治ったね!良かったね!」
「うん!ありがとね!セッテ!」
「えへへ!セッテがんばった!」
「よしよし、えらいぞ」
僕はセッテの頭を撫でてやる。すると、セッテは気持ち良さそうにしながら、すごく嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
「えーっと、Bランクの治癒魔法の性能についておさらいしようか」
「では、ディセが説明します!えと、Bランクの治癒魔法は、他人の致命傷ではない傷までを癒すことができるらしいです」
「あくまで軽症から重症の間くらいって話だったよね?」
「はい、ですので、手首などが切断されても繋げることはできないようです。あと、自分自身は治せません」
「ふむふむ」
「Aランクになると切れた手足をくっつけることができて、Sランクだと欠損してしまった部位も、何もないところから再生することができます」
「こう聞くとSランクは規格外だなぁ」
「ごめんなさい……」
高ランクの治癒魔法の効果を聞いて、シュンとしてしまうセッテ。
「ううん、セッテの能力も十分すごいよ。自信をもって?」
「う、うん……がんばる!」
「よし!じゃあ気を取り直して切り傷の治癒もためしてみようか!」
「うん!」
そして、僕は包丁を持って自分の人差し指の先端に切り込みを入れた。血がじんわりと出てきて、ぷっくりと膨らみができる。
「セッテがすぐ治してあげる!うー!元気なーれ!元気になーれ!」
血を見たセッテは一瞬怯えた顔をしたが、すぐにキッと強い顔になって、一生懸命治癒魔法をかけてくれた。
それにしても、セーレンさんのように「ヒーリング」とは唱えずに、「元気になーれ」と唱えてる姿はすごく愛らしい。
「治ったよ!」
「ありがとう」
僕がセッテの可愛い仕草を観察していると、その間に治癒が終わったようだ。傷口を見る。
「あれ?」
傷口には僕の血が残っていて、乾燥しはじめていた。それを親指で擦って傷口を見る。血の下の傷口はすっかり塞がっていた。
そこで疑問が浮かんでくる。
「治癒魔法って、近くに本人の血があれば、浄化されて体に戻るんじゃなかったっけ?」
「そのはずですが、戻ってませんね」
ディセとカリンが僕の手を覗き込み。不思議な顔をする。
「ご、ごごご、ごめんなさい……」
僕の指摘を聞いて、ふるふると震えながら悲しそうにするセッテ。
「え?ごめん!!そんな責めるつもりはなくって!おいで?」
「うん……」
呼び寄せると、ちょこんと膝の上に座ってくれる。
「セッテの能力はすごい力だよ。それに、みんなを元気にできる素敵な優しいスキルだ」
「うん……」
「ランクなんて関係ない」
僕はセッテの頭を撫でながら自分の気持ちを言い聞かす。
「うん……」
「それにね。スキルなんかなくったって、僕はセッテのことが大好きだよ?」
「ほんとに?」
「うん!もちろん!あたりまえだろ!」
「……そっか!なら!セッテもっとがんばるね!ジュナ様!」
「ありがとう。でも、無理しないようにね?」
「うん!」
やっと笑顔に戻ってくれたセッテの頭を引き続き撫で続ける。
それにしても、事前に調べてもらっていた治癒魔法の能力とは若干違うのはなんなのだろうか。
スキルが発現したばかりでまだ慣れていない?いや、スキルの強さは成長しないって言われてるし……不思議だ……
そのあともセッテの自信がつくように褒めながら実験を続けたが、僕の疑問が解消されることはなかった。
「じゃあ、まずはかすり傷から治してもらおうかな」
「うん!セッテがんばる!」
僕は、たわしを台所から持ってきて、リビングの椅子に腰かけてからズボンをめくり、膝小僧をガリッと削ってみせた。じんわりと赤くなっている。
「痛そう……セッテがすぐ治してあげるね!」
「うん、お願い」
ふんす!と気合を入れたディセが僕の前に膝をついて両手をかざしてくれる。
「うー!元気になーれ!元気になーれ!」
そして、両手から発せられた緑の光が僕の膝に吸い込まれていった。それと同時に傷も治っていく。
「おぉ!すごい!すっかり元通りだ!」
「治ったね!良かったね!」
「うん!ありがとね!セッテ!」
「えへへ!セッテがんばった!」
「よしよし、えらいぞ」
僕はセッテの頭を撫でてやる。すると、セッテは気持ち良さそうにしながら、すごく嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
「えーっと、Bランクの治癒魔法の性能についておさらいしようか」
「では、ディセが説明します!えと、Bランクの治癒魔法は、他人の致命傷ではない傷までを癒すことができるらしいです」
「あくまで軽症から重症の間くらいって話だったよね?」
「はい、ですので、手首などが切断されても繋げることはできないようです。あと、自分自身は治せません」
「ふむふむ」
「Aランクになると切れた手足をくっつけることができて、Sランクだと欠損してしまった部位も、何もないところから再生することができます」
「こう聞くとSランクは規格外だなぁ」
「ごめんなさい……」
高ランクの治癒魔法の効果を聞いて、シュンとしてしまうセッテ。
「ううん、セッテの能力も十分すごいよ。自信をもって?」
「う、うん……がんばる!」
「よし!じゃあ気を取り直して切り傷の治癒もためしてみようか!」
「うん!」
そして、僕は包丁を持って自分の人差し指の先端に切り込みを入れた。血がじんわりと出てきて、ぷっくりと膨らみができる。
「セッテがすぐ治してあげる!うー!元気なーれ!元気になーれ!」
血を見たセッテは一瞬怯えた顔をしたが、すぐにキッと強い顔になって、一生懸命治癒魔法をかけてくれた。
それにしても、セーレンさんのように「ヒーリング」とは唱えずに、「元気になーれ」と唱えてる姿はすごく愛らしい。
「治ったよ!」
「ありがとう」
僕がセッテの可愛い仕草を観察していると、その間に治癒が終わったようだ。傷口を見る。
「あれ?」
傷口には僕の血が残っていて、乾燥しはじめていた。それを親指で擦って傷口を見る。血の下の傷口はすっかり塞がっていた。
そこで疑問が浮かんでくる。
「治癒魔法って、近くに本人の血があれば、浄化されて体に戻るんじゃなかったっけ?」
「そのはずですが、戻ってませんね」
ディセとカリンが僕の手を覗き込み。不思議な顔をする。
「ご、ごごご、ごめんなさい……」
僕の指摘を聞いて、ふるふると震えながら悲しそうにするセッテ。
「え?ごめん!!そんな責めるつもりはなくって!おいで?」
「うん……」
呼び寄せると、ちょこんと膝の上に座ってくれる。
「セッテの能力はすごい力だよ。それに、みんなを元気にできる素敵な優しいスキルだ」
「うん……」
「ランクなんて関係ない」
僕はセッテの頭を撫でながら自分の気持ちを言い聞かす。
「うん……」
「それにね。スキルなんかなくったって、僕はセッテのことが大好きだよ?」
「ほんとに?」
「うん!もちろん!あたりまえだろ!」
「……そっか!なら!セッテもっとがんばるね!ジュナ様!」
「ありがとう。でも、無理しないようにね?」
「うん!」
やっと笑顔に戻ってくれたセッテの頭を引き続き撫で続ける。
それにしても、事前に調べてもらっていた治癒魔法の能力とは若干違うのはなんなのだろうか。
スキルが発現したばかりでまだ慣れていない?いや、スキルの強さは成長しないって言われてるし……不思議だ……
そのあともセッテの自信がつくように褒めながら実験を続けたが、僕の疑問が解消されることはなかった。
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