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第一章

海鮮あんかけチャーハン

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 俺はエビ、イカ、ホタテの入ったあんかけをかけたチャーハンを取り出した。

「作ってすぐバッグに入れてたから、アツアツのままだな。」

「お兄さん!!それ海のにおいがする!!」

「うんうん、とってもいい匂い。」

「それにショーユの香ばしい匂いもするねぇ~。」

 海鮮の香りと焦がし醤油の香ばしさは、三人の胃袋を刺激したようだ。

「ほい、これレンゲ。これで餡と一緒にご飯を掬って食べてくれ。」

 今回は箸の代わりにレンゲを三人に差し出した。チャーハンはレンゲのほうが圧倒的に食べやすいからな。

「よし、それじゃあ食べよう。」

「「「「いただきま~す!!」」」」

 そしてみんな一斉に、アツアツのチャーハンをはふはふと息を吹きかけながら食べ始めた。

「はふっはふっ!!熱いけどおいし~い!!」

「このアンってやつが、トロトロでパラパラのご飯によく絡んでとっても美味しいわ!!」

「食感も楽しいねぇ~、プリプリしてたり弾力があったり……。」

 みんな喜んで食べてくれている。美味しく食べているこの光景こそ、料理人冥利に尽きるというものだ。

「これもめちゃくちゃ練習したからなぁ。」

 チャーハンを見ていると修行時代を思い出してしまう。まかない飯でチャーハンを作ったときにべちゃっとなってしまい、よく殴られたものだ。

 辛い修業時代を思い返していると…。

「お兄さん、おかわり欲しい!!」

「ワタシも~。」

「アタイももう少し欲しいんだけど……いいかい?」

「もちろんだ。」

 三人の食器を回収し、お代わりを手渡した。

「お兄さんありがとう!!」

「ん~♪いくら食べても飽きないわこの味~。」

「無限に食べられそうだよ、ホント。」

 大人気だな、また作っておくか。しっかし、みんなよく食べるなぁ。一応この後ボスとの戦いが控えているのだが大丈夫だろうか。
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