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第一章

ベーコンエッグ

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 また変わらない朝がやってきた。俺の両腕を拘束しているドーナとランの二人を起こさぬようにすり抜け、朝一のコーヒーを淹れる。

「はぁ、しみる。」

 朝一番のコーヒーは本当に体に染み渡る。カフェインが眠気も吹き飛ばしてくれるしな。

「さて、朝ごはん作るか。」

 1人ふらっと厨房に向かう。

「あー、昨日の朝食は鶏だったから。今日は無難なやつでいくか。」

 冷蔵庫から厚切りのベーコンを取り出し、切り分ける。そしてフライパンに少しオリーブオイルを馴染ませてベーコンを焼いていく。

 両面がいい焼き色になったら卵を割ってフライパンに入れる。 後は200℃のオーブンに少し入れれば完成だ。

「お兄しゃあ~ん……おはよぉ。」

「おはようシア。まだできるのに少し時間かかるから寝ててもいいぞ?」

「ううん、大丈夫~。ふあぁぁ~……。」

 大きなアクビをしながらシアは、向こうの方へと歩いていった。

「あとはサラダを作るか。」

 今回作るのはトマトとアボカドのフレッシュサラダだ。

 トマトのヘタをとり半分に切ってスライスする。アボカドは半分に切れ込みを入れて切り離し、種を取り除いて皮を剥く。そして賽の目カットだ。

「あとは上から塩、胡椒、オリーブオイルをかけてっと。」

 シンプルだが生のトマトは下手に味をつけない方が美味しい。

「スープは卵スープ。」

 水にコンソメ、塩、ホワイトペッパーで味をつけ卵を溶き入れる。ホワイトペッパーがあることで味にしまりが出て美味しくなるのだ。

「よし、こんなもんだな。」

 あぁ、グレイス用は別で盛らないとな。

 グレイスのご飯は、ご飯の上にベーコンエッグをのせトマトとアボカドをその周りに散らした。

 そして料理が完成する間近、パタパタとこちらにグレイスが飛んできた。

「朝から美味しそうな匂いがするっす!!」

「グレイス、おはよう。いまちょうど出来たから座って待っててくれ。あとまだ起きてない人がいたら起こしてくれ。」

「了解っす~。」

 パタパタとテーブルの方へ飛んでいった。グレイスは意外と朝は強いっぽいな。

「さぁ、持っていこう。」

 料理を持ちテーブルへと向かった。すると、今起きてきたらしいドーナとランの姿があった。

「ヒイラギおはよう、今日は早いのね?」

「おはよう、また美味しそうな匂いがするねぇ。」

「二人ともおはよう、今日のはシンプルだが美味しいぞ?」

 みんなの朝食を配膳し、席に着くとみんなで手を合わせた。

「さぁ、食べよう。」

「「「いただきます!!」」」
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