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第ニ章

対決レス!!

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 レスという死の女神の魔物は高々と名乗りを上げた。まるで自分が死の女神の魔物であることを誇るかのように……。

 そして名乗りを終えると、こちらへと視線を向けてきた。

「それでは行く……。」

「隙ありだ。」

 縮地を使い後ろに回り込んで、レスの右脇腹に拳を叩き込んだ。

「グッ!!」

「最初不意打ちを決めたのはお前だ、卑怯とはいわないよなッ!!」

 よろめいているレスに追い討ちをかけようと手を伸ばす。

「ナメるなッ!!」

 奴はまたしても体を回転させ、俺の手を弾き飛ばそうとした。

「それを待っていた。」

 体を回転させる時は重心を一点に集中させる必要がある。高速の回転なら尚更だ。

 俺は奴の軸足を思いっきり払った。

「ッな!!」

 ガクッと体勢が崩れ、地面に向かって自由落下していくレス。体勢を立て直そうとしているが、そのおかげで回転が止まった。

 あとはやることは1つだ。相手の体重+遠心力+自分の体重を地面に叩きつける。

「逆落としッ!!」

 レスの顔面を掴み地面へと叩きつけた。

 ゴギャンッ!!という音と共にレスの頭が地面へ埋まってしまう。

「少し地面が柔らかかったか。」

 湖の近くということもあり地面が少し湿って柔らかい。衝撃が分散しているだろう。

「グッググッ!!キ、ギザマッ!!」

 首の骨が折れ曲がっているのにも関わらず、レスは立ち上がりこちらを睨み付けた。

「凄まじい生命力だな……普通死んでるぞ?」

「ゴ、ゴロズッ!!」

 レスが憤怒の形相でこちらに向かってきた。だが流石に首の骨が折れているのは効いているらしく、先程のようなスピードはない。

 繰り出された拳を最小限の動きで躱し、そして……。

「内断…。」

 レスの首の頸動脈を螺切る。奴の首の皮膚の下で大量の内出血が起こり、パン……と破裂した。

「ふぅ……なんとか勝ったな。」

 本当に強かった、だがまだレスが余力を残している内に倒せたのは不幸中の幸いだな。相手が全力を引き出す前に無力化するのも立派な戦術だ。

 だが1つだけ気がかりな部分がある。最後レスの攻撃を躱した時、ヤツは間違いなく笑っていた。

 なぜだ?

 ゾワゾワと背筋を駆け巡る嫌な予感……。確認のため、レスの亡骸へと視線を落とすと。

「な、なんだこれは。」

 恐らくはレスの血……それで巨大な魔法陣が描かれていた。こんなに不自然に血は飛ばない。確実にレスも死んでいる。こんな大がかりな魔法陣を書くことは不可能だ。

 思考を巡らせていると不気味な声が天から響いた。

《血の盟約が発動しました。対象種族デーモンロード個体名レスの進化を開始します。》
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