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第一章 転生そして成長
第12話 修行開始
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家に帰るなり、由良はぎっちりと隙間なく並べられた本棚から何冊か本を抜き取り、ルアの前に置いた。
そして由良はルアと向かい合うように椅子に腰かけると、話を始めた。
「さてさて、早速魔法について教えようかの。ルアは魔法と言われたら何を思い浮かべる?」
「う~ん、手から火を出したりとか……かな?」
「こんな感じでかの?」
由良は人差し指をピン……と立てると、指先に火の玉を作り出してみせた。
「こういうのは放出系魔法と言っての、まぁ最も一般的な魔法じゃな。火の他にもこんな風に様々な属性を扱うことも可能じゃ。」
ルアに説明しながら、由良は指先に水や雷、氷、風等々様々なものを作り出してみせる。
「すご……。」
「このぐらいならば、魔力さえ持っていれば誰でもできるようになる。問題はここからじゃ。」
おもむろに由良は立ち上がると、先ほど本を抜き取った本棚に手をかけた。
そして、なんと軽々と片手で持ち上げてしまった。
「ほっ……こんな風に自分の力などを大きく上げる強化系の魔法。」
本棚をもとに戻すと、今度は由良はルアの体に手を触れた。すると、ルアの体に突然元気が漲ってきた。
「な、なにこれ?」
「疲れが吹き飛んだじゃろ?これが回復魔法というものじゃ。」
三種類の魔法を実際に使って見せた由良は再び、ルアの前に腰かけた。
「さて、魔法は大きくわけて今の三種類に分けられるのじゃが……ルアはどれを使えるようになりたい?」
「う~ん……。」
ルアは思わず悩む。最初は、戦闘で攻撃役になれる放出系の魔法を覚えたいという気持ちが強かったのだが……実際に強化系の魔法や回復魔法を目の当たりにして、思いが揺らいでいたのだ。
長い長い長考の後に、ルアはある魔法を学ぶことを決めた。
「……ボク、回復魔法覚えたい。」
「ほぅ?回復魔法とな。放出系魔法じゃなくて良いのかの?」
「うん、回復魔法でいい。」
決意を固めたルアに、由良は微笑みながらコクリと頷く。
「わかった。では回復魔法を教えよう……じゃが、その前に魔力の使い方を教えねばな。」
ピッと由良がルアの心臓の位置を指差すと、ルアは自分の心臓に何かが集まってくるような不思議な感覚を感じた。
「今ルアが感じておるのが魔力の流れじゃ。まぁ、今動かしておるのはわしの魔力じゃが。」
由良は先ほど、回復魔法をやった見せたときにルアに自分の魔力を流し込んでいたのだ。
その魔力を今外から動かしてみせている。
「心臓を源泉として、血液のように全身を巡らせる。先ずはこの動きをできるようにするのじゃ。」
くるくると由良が指を動かすと、その指の動きに従ってルアの中で魔力が全身を駆け巡る。
ある程度やってみせると由良はきゅっと拳を握りしめた。すると、ルアの体を駆け巡っていた魔力がフッ……と消える。
「さぁやってみるのじゃ!!」
「えっ!?い、いきなり今のをやるの!?」
「最初はわしが少し手助けしてやるから安心せい。ほれ、目を閉じて心臓に意識を集中させるのじゃ。」
「わかったよ……。」
言われるがまま、ルアは目を閉じて心臓に意識を集中させてみた。
がしかし、さっきのように魔力を感じることはできない。
そして、目を閉じていたルアの背中に由良が手を当てた。……すると、トクン……と心臓の鼓動ではない、何か別の鼓動を感じる。
「今、わしの魔力でお主の魔力を刺激しておる。トクントクン……と鼓動を感じるじゃろ?それは内に秘めている魔力が、わしの魔力に驚いて表に出てきておるのじゃ。」
「……この後はどうすればいいの?」
「トクンと鼓動を感じた瞬間に意識を集中させてみよ。一度表に出た魔力を留めるように……。」
「………………。」
そして、ルアはトクンという鼓動に合わせて意識を集中させてみるが……まったく成功しない。
それどころか、どんどん体に疲労が溜まっていくのを体感していた。
「ふむ、そろそろ限界かの。」
ルアがそんな状態になっているのをわかったように、由良は背中から手を離した。
「ぷはっ!!はぁ……な、なんでこんなに疲れて……。」
「魔力を留められず放出させておるからじゃ。魔力の枯渇は体力の枯渇と同じじゃ。勉強になったじゃろ?」
「はぁ……はぁ……う、うん。」
「さて、疲れたじゃろうからな。今日は精のつく料理を作ってやるぞ~。」
そしてルアは、由良が作った料理を食べてお風呂に入ると、誘われるようにベッドに潜り込んだのだった。
一方その頃……エナ宅では
「も、もう無理……限界……パタッ……。」
「う~ん、初めてにしては粘りましたねぇ~。この分だったら明日の朝にはコツを掴めるかも?」
パタリと気絶するように倒れ、眠りについたクロロを抱えてエナはベッドへと向かう。
二人の魔法の修行はまだ始まったばかりだ。
そして由良はルアと向かい合うように椅子に腰かけると、話を始めた。
「さてさて、早速魔法について教えようかの。ルアは魔法と言われたら何を思い浮かべる?」
「う~ん、手から火を出したりとか……かな?」
「こんな感じでかの?」
由良は人差し指をピン……と立てると、指先に火の玉を作り出してみせた。
「こういうのは放出系魔法と言っての、まぁ最も一般的な魔法じゃな。火の他にもこんな風に様々な属性を扱うことも可能じゃ。」
ルアに説明しながら、由良は指先に水や雷、氷、風等々様々なものを作り出してみせる。
「すご……。」
「このぐらいならば、魔力さえ持っていれば誰でもできるようになる。問題はここからじゃ。」
おもむろに由良は立ち上がると、先ほど本を抜き取った本棚に手をかけた。
そして、なんと軽々と片手で持ち上げてしまった。
「ほっ……こんな風に自分の力などを大きく上げる強化系の魔法。」
本棚をもとに戻すと、今度は由良はルアの体に手を触れた。すると、ルアの体に突然元気が漲ってきた。
「な、なにこれ?」
「疲れが吹き飛んだじゃろ?これが回復魔法というものじゃ。」
三種類の魔法を実際に使って見せた由良は再び、ルアの前に腰かけた。
「さて、魔法は大きくわけて今の三種類に分けられるのじゃが……ルアはどれを使えるようになりたい?」
「う~ん……。」
ルアは思わず悩む。最初は、戦闘で攻撃役になれる放出系の魔法を覚えたいという気持ちが強かったのだが……実際に強化系の魔法や回復魔法を目の当たりにして、思いが揺らいでいたのだ。
長い長い長考の後に、ルアはある魔法を学ぶことを決めた。
「……ボク、回復魔法覚えたい。」
「ほぅ?回復魔法とな。放出系魔法じゃなくて良いのかの?」
「うん、回復魔法でいい。」
決意を固めたルアに、由良は微笑みながらコクリと頷く。
「わかった。では回復魔法を教えよう……じゃが、その前に魔力の使い方を教えねばな。」
ピッと由良がルアの心臓の位置を指差すと、ルアは自分の心臓に何かが集まってくるような不思議な感覚を感じた。
「今ルアが感じておるのが魔力の流れじゃ。まぁ、今動かしておるのはわしの魔力じゃが。」
由良は先ほど、回復魔法をやった見せたときにルアに自分の魔力を流し込んでいたのだ。
その魔力を今外から動かしてみせている。
「心臓を源泉として、血液のように全身を巡らせる。先ずはこの動きをできるようにするのじゃ。」
くるくると由良が指を動かすと、その指の動きに従ってルアの中で魔力が全身を駆け巡る。
ある程度やってみせると由良はきゅっと拳を握りしめた。すると、ルアの体を駆け巡っていた魔力がフッ……と消える。
「さぁやってみるのじゃ!!」
「えっ!?い、いきなり今のをやるの!?」
「最初はわしが少し手助けしてやるから安心せい。ほれ、目を閉じて心臓に意識を集中させるのじゃ。」
「わかったよ……。」
言われるがまま、ルアは目を閉じて心臓に意識を集中させてみた。
がしかし、さっきのように魔力を感じることはできない。
そして、目を閉じていたルアの背中に由良が手を当てた。……すると、トクン……と心臓の鼓動ではない、何か別の鼓動を感じる。
「今、わしの魔力でお主の魔力を刺激しておる。トクントクン……と鼓動を感じるじゃろ?それは内に秘めている魔力が、わしの魔力に驚いて表に出てきておるのじゃ。」
「……この後はどうすればいいの?」
「トクンと鼓動を感じた瞬間に意識を集中させてみよ。一度表に出た魔力を留めるように……。」
「………………。」
そして、ルアはトクンという鼓動に合わせて意識を集中させてみるが……まったく成功しない。
それどころか、どんどん体に疲労が溜まっていくのを体感していた。
「ふむ、そろそろ限界かの。」
ルアがそんな状態になっているのをわかったように、由良は背中から手を離した。
「ぷはっ!!はぁ……な、なんでこんなに疲れて……。」
「魔力を留められず放出させておるからじゃ。魔力の枯渇は体力の枯渇と同じじゃ。勉強になったじゃろ?」
「はぁ……はぁ……う、うん。」
「さて、疲れたじゃろうからな。今日は精のつく料理を作ってやるぞ~。」
そしてルアは、由良が作った料理を食べてお風呂に入ると、誘われるようにベッドに潜り込んだのだった。
一方その頃……エナ宅では
「も、もう無理……限界……パタッ……。」
「う~ん、初めてにしては粘りましたねぇ~。この分だったら明日の朝にはコツを掴めるかも?」
パタリと気絶するように倒れ、眠りについたクロロを抱えてエナはベッドへと向かう。
二人の魔法の修行はまだ始まったばかりだ。
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