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第一章 転生そして成長
第25話 人魚
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朝食を食べ終えたルア達は、早速他の町へと出かける準備を進めていた。
というのも、ルアの方はいつでも準備ができていて、今は由良がなにやら家の扉に御札のようなものを張り付けているだけなのだが……。
「お母さん何してるの?」
「これか?これはな、移動魔法の準備じゃ。後はここにこの札を張って………良し!!完成じゃ。」
由良は等間隔に5枚の御札を扉に張り付けた。どうやらこれで準備完了らしい。
「最初はどの町が良いかの~。ルアはどんな町に行きたい?」
「どんな町……かぁ~。ん~…………。」
そう聞かれても、この町以外の町を知らないルアである。考えて、考えて……考え抜いた先にルアが出した答えは…………。
「み、港町……とか?」
「港町か。海に近い町が良いのじゃな?となると~……あ~、人魚の町シーレーヌへ……繋げ。」
由良が魔力を込めた言葉を発すると、扉に張られた5枚の御札が光り輝いた。
すると、由良はくるりと身を翻しルアの手を取った。
「さぁまずは、シーレーヌへと向かうのじゃ~。」
そして由良がドアノブに手をかけて、扉を開けると……その先にはいつもの町の景色ではなく、今までみたことがない風景が広がっていた。
「えっ……えぇっ!?ここ……どこっ!?」
「くっふふふふ、驚くのも無理はないか。これが移動魔法じゃ。」
ルアの前に広がっていたのは、いつもの町の景色ではなく、白く塗られた建物が沢山建っており、噴水などの設備までそこにはあった。
「これが移動魔法かぁ~……。(ジ○リのハ○ルの動く城みたい。)」
ちなみに移動魔法の原理はルアが今思っているそれと、全く同じである。
「そういえば、この町の名前……人魚の町ってお母さん言ってたよね?」
「うむ、この町の近くにある海には人魚が住んでおるのじゃ。ちなみに地上で暮らすことができる人魚もおるのじゃぞ?例えば……あやつを良く見てみよ。」
そういうと由良は、噴水の近くを歩いていた女性を指差した。その女性に視線を向けたルアはあることに気が付いた。
「んん?あれ?鱗みたいなのが光ってる。」
「うむ、あれが人魚じゃ。この町ではなんら珍しくもないぞ?」
「ボクのイメージでは人魚って……海で歌を歌ってるイメージがあったよ。」
「それはオスがまだいた頃のやつらの生態じゃな。人魚はその歌声でオスを魅了し、海へと誘う。そして精を搾り取り繁殖する魔物娘なのじゃ。」
町中を歩きながら由良は人魚の生態について、ルアに説明する。
「精を搾り取るって……そのあとオスはどうなっちゃうの?」
「そのまま人魚と一生を添い遂げる者もいれば、搾り取られ過ぎて死ぬ者もおった。」
「に、人魚って案外怖い人達なんだね……。」
搾り取られ死ぬ……という言葉を聞いて、思わずルアの背筋には悪寒が走った。
そんな彼に笑いながら由良は言う。
「魔物娘は皆そんなものじゃぞ?まぁ、それこそ今はオスがおらん故に凶暴な魔物娘も大人しくなっておるがな。」
由良の言葉にホッと胸を撫で下ろしたルア。
「さて、せっかくシーレーヌに来たことじゃし……名物の人魚の歌でも聞きに行くかの。」
「うえっ!?そ、それボク聞いても大丈夫なの!?」
「問題ない。やつらもオスがいないとわかっておるし、民衆の前で魅了の歌は歌わぬはずじゃ。」
「な、ならいいんだけど……。」
少し不安になりながらも、シーレーヌの町を歩き砂浜へとやって来た。そこには何人も人が集まっている。
「あの人達は?」
「あやつらも人魚の歌を聞くために集まっておるのじゃろう。ちょうどあそこの岩の上に姿を現すのじゃ。」
群衆の先には確かにちょうど人一人が座れるような形の岩がある。人魚はどうやらあそこに姿を現すらしい。
群衆に紛れて少しの間待っていると……。
バシャッ!!と水しぶきをあげながら海から一人の女性が飛び上がり、岩の上へと降り立った。
すると、周りにいた人達から歓声が沸き上がった。
その女性は上半身は人間の姿をしていたが、下半身は魚のようになっていた。まさにルアが思い描いていた通りの人魚だった。
「みんな~今日も来てくれてありがと~っ!!今日も頑張ってみんなのために歌うからっ最後まで聴いていってね!!」
マイクもないのに辺りにハッキリと聞こえる声で彼女は言った。そして彼女は大きく息を吸い込むと、やさしく歌い始めた。
「~~~~~♪♪」
ルアは彼女のきれいな歌声にすっかり聞き入ってしまっていた。
「凄い……きれいな声。」
まるで海のさざめきがBGMとなっているかのような、アカペラに周囲の女性達もうっとりとしてしまっている。
そして彼女は一曲を歌い終えると、激しく肩で息をしながら観衆へと向かって言った。
「はぁ……はぁ……みんな最後まで聴いてくれてありがとう!!次はまたお昼にね!!」
人魚は手を振ると再び海へと戻っていった。
「あ、もう行っちゃった。」
「久しぶりにわしも聴いたが、相変わらずよい歌声じゃったな。」
「もっと聴きたかったな~。」
「であれば、また今度来ようかの。」
「うん!!」
由良とそう約束したルアは再びシーレーヌの町へと戻るのだった。
というのも、ルアの方はいつでも準備ができていて、今は由良がなにやら家の扉に御札のようなものを張り付けているだけなのだが……。
「お母さん何してるの?」
「これか?これはな、移動魔法の準備じゃ。後はここにこの札を張って………良し!!完成じゃ。」
由良は等間隔に5枚の御札を扉に張り付けた。どうやらこれで準備完了らしい。
「最初はどの町が良いかの~。ルアはどんな町に行きたい?」
「どんな町……かぁ~。ん~…………。」
そう聞かれても、この町以外の町を知らないルアである。考えて、考えて……考え抜いた先にルアが出した答えは…………。
「み、港町……とか?」
「港町か。海に近い町が良いのじゃな?となると~……あ~、人魚の町シーレーヌへ……繋げ。」
由良が魔力を込めた言葉を発すると、扉に張られた5枚の御札が光り輝いた。
すると、由良はくるりと身を翻しルアの手を取った。
「さぁまずは、シーレーヌへと向かうのじゃ~。」
そして由良がドアノブに手をかけて、扉を開けると……その先にはいつもの町の景色ではなく、今までみたことがない風景が広がっていた。
「えっ……えぇっ!?ここ……どこっ!?」
「くっふふふふ、驚くのも無理はないか。これが移動魔法じゃ。」
ルアの前に広がっていたのは、いつもの町の景色ではなく、白く塗られた建物が沢山建っており、噴水などの設備までそこにはあった。
「これが移動魔法かぁ~……。(ジ○リのハ○ルの動く城みたい。)」
ちなみに移動魔法の原理はルアが今思っているそれと、全く同じである。
「そういえば、この町の名前……人魚の町ってお母さん言ってたよね?」
「うむ、この町の近くにある海には人魚が住んでおるのじゃ。ちなみに地上で暮らすことができる人魚もおるのじゃぞ?例えば……あやつを良く見てみよ。」
そういうと由良は、噴水の近くを歩いていた女性を指差した。その女性に視線を向けたルアはあることに気が付いた。
「んん?あれ?鱗みたいなのが光ってる。」
「うむ、あれが人魚じゃ。この町ではなんら珍しくもないぞ?」
「ボクのイメージでは人魚って……海で歌を歌ってるイメージがあったよ。」
「それはオスがまだいた頃のやつらの生態じゃな。人魚はその歌声でオスを魅了し、海へと誘う。そして精を搾り取り繁殖する魔物娘なのじゃ。」
町中を歩きながら由良は人魚の生態について、ルアに説明する。
「精を搾り取るって……そのあとオスはどうなっちゃうの?」
「そのまま人魚と一生を添い遂げる者もいれば、搾り取られ過ぎて死ぬ者もおった。」
「に、人魚って案外怖い人達なんだね……。」
搾り取られ死ぬ……という言葉を聞いて、思わずルアの背筋には悪寒が走った。
そんな彼に笑いながら由良は言う。
「魔物娘は皆そんなものじゃぞ?まぁ、それこそ今はオスがおらん故に凶暴な魔物娘も大人しくなっておるがな。」
由良の言葉にホッと胸を撫で下ろしたルア。
「さて、せっかくシーレーヌに来たことじゃし……名物の人魚の歌でも聞きに行くかの。」
「うえっ!?そ、それボク聞いても大丈夫なの!?」
「問題ない。やつらもオスがいないとわかっておるし、民衆の前で魅了の歌は歌わぬはずじゃ。」
「な、ならいいんだけど……。」
少し不安になりながらも、シーレーヌの町を歩き砂浜へとやって来た。そこには何人も人が集まっている。
「あの人達は?」
「あやつらも人魚の歌を聞くために集まっておるのじゃろう。ちょうどあそこの岩の上に姿を現すのじゃ。」
群衆の先には確かにちょうど人一人が座れるような形の岩がある。人魚はどうやらあそこに姿を現すらしい。
群衆に紛れて少しの間待っていると……。
バシャッ!!と水しぶきをあげながら海から一人の女性が飛び上がり、岩の上へと降り立った。
すると、周りにいた人達から歓声が沸き上がった。
その女性は上半身は人間の姿をしていたが、下半身は魚のようになっていた。まさにルアが思い描いていた通りの人魚だった。
「みんな~今日も来てくれてありがと~っ!!今日も頑張ってみんなのために歌うからっ最後まで聴いていってね!!」
マイクもないのに辺りにハッキリと聞こえる声で彼女は言った。そして彼女は大きく息を吸い込むと、やさしく歌い始めた。
「~~~~~♪♪」
ルアは彼女のきれいな歌声にすっかり聞き入ってしまっていた。
「凄い……きれいな声。」
まるで海のさざめきがBGMとなっているかのような、アカペラに周囲の女性達もうっとりとしてしまっている。
そして彼女は一曲を歌い終えると、激しく肩で息をしながら観衆へと向かって言った。
「はぁ……はぁ……みんな最後まで聴いてくれてありがとう!!次はまたお昼にね!!」
人魚は手を振ると再び海へと戻っていった。
「あ、もう行っちゃった。」
「久しぶりにわしも聴いたが、相変わらずよい歌声じゃったな。」
「もっと聴きたかったな~。」
「であれば、また今度来ようかの。」
「うん!!」
由良とそう約束したルアは再びシーレーヌの町へと戻るのだった。
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