もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第二章 呪われた運命

第142話 エルフの集落へ

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 そして東雲から行き先を聞いたクロロは、なぜ今になってエルフの集落へ行くのか……と疑問に思い問いかける。

「エルフの集落に行くのはわかったんですけど、何でまたそんなところに行くんですか?」

「観光だ。」

 そう即答した東雲にクロロは怪しむように目を細めた。

「東雲さんが観光ですか~?」

「なんだ、悪いか?」

「な~んか怪しいなぁ……。」

「怪しいとはなんだ!!相変わらず失礼なやつだ。」

「だって東雲さんって観光とかそういうの興味なさそうですもん。」

「なっ、クロロ貴様ぁ……言ってくれるな。」

 ハッキリとそう言ったクロロに、東雲は詰め寄った。

「だってホントのことじゃないですか。東雲さん観光とかそういうのよりも修行の方が好きですよね?」

「くっ……それは……そうだが。」

 言葉が詰まる東雲。それもそのはずである。なぜなら、クロロの言っていることは全て的を射ていたからだ。

「ほら何にも言い返せないじゃないですか。」

「こいつっ……口だけは達者だな。胸は小さいくせに……。」

「胸の大きさは関係ないじゃないですか!!それにこの前トリトニーさんに測ってもらって一緒の大きさだったじゃないですか。」

「あれは何かの間違いだ!!妾と貴様が同じバストサイズな訳がないだろう!!」

 ルアの前でクロロと東雲の二人は言い争いを始めてしまう。そんな二人の争いを治めるためにルアが口を開く。

「クロロさん、本当にボクと東雲さんはエルフの集落に観光に行くだけなんです。」

「え、ホントなの?」

 嘘をついている様子の無いルアにクロロは思わずきょとんとした表情を浮かべた。

「だから最初からそうだと言っているだろうが!!」

「だって東雲さんも観光はあんまり興味ないって雰囲気だったじゃないですか。そりゃあ疑いますよ。」

「ふん、そんなに気になるのなら着いてくればいいだろう。」

「え、いいんですか?」

「別に構わん。ここで時間を食っているよりマシだ。」

 やれやれと言った様子でパチンと東雲が指を鳴らすと、三人の足元に魔法陣が現れ、そこから溢れ出た光が三人を包み込んだ。

 そして三人が次に目を開けたとき……一行は青々とした木々に囲まれた森の中にいた。

「さて、ここから少し歩くぞ。」

 東雲が先頭に立って歩きだすと、ルアとクロロの二人も彼女のあとに続いた。

「ふぇ~……綺麗な森~。やっぱりエルフが護ってると違うなぁ~。ルアちゃんもそう思わない?」

「なんか空気が違いますよね。澄んでるっていうか……何て言うか……。」

 ルアも普通の森とは違う雰囲気を感じ取っていた。

 そして少し歩くと……奥の方に集落らしきものが見えてきた。

「あそこがエルフの集落だ。」

 東雲が指差した先には、木で造られた建造物がいくつも並んでいる。そしてその入り口には、弓矢を背中に担いだ耳の長い女性が門番のように立っていた。
 そしてルア達がエルフの集落に近付くと、その二人が声をあげた。

「止まれ。」

「ここから先は我らエルフの集落だ。何用でここまでやって来た?」

「妾達はエルフの朝市を見に来ただけだ。お主らに危害を加えるつもりは一切ない。」

「朝市が目的か……よかろう通るがいい。だが、中で問題を起こせば二度とこの地を踏めぬことになると肝に銘じておけ。」

「もちろんだ。」

 門番のエルフ達から許可を得てルア達はエルフの集落の中へと入る。

「あのエルフの人達……凄い怖かったですね。町に来るエルフとは全然雰囲気が違う。」

「当たり前だ。あやつらはこの集落の守り人……つまりエルフの中でも腕利きの者。邪悪な者を見分けるため目を光らせているのだ。」

「へぇ~……。」

 そして三人がエルフの集落の中を歩いていると、ようやく目的の朝市が目前に見えてきた。

「うむ、ここも以前から変わらず……だな。」

「ふわぁ~っ!!」

 ルアの目に飛び込んできたのは、エルフ達が様々な野菜や果物等々を並べ、売買している様子だった。
 一際彼の目を惹いたのは、見たことのない果物や野菜がたくさん並べられているということ。

 キラキラと目を輝かせているルアに、ひっそりと東雲は歩み寄ると、ボソリと彼の耳元で囁いた。

「ルア、妾の目的は忘れていないだろうな?ナッツだぞ、ナッツ。」

「わ、わかってます……で、でも他にも何か買ってもいいですよね?」

「構わん。ナッツさえ忘れなければ好きにして良い。」

 そしてルアから少し東雲は距離をおくと、クロロに見えないところでニヤリと笑ったのだった。

(くくくくく、クロロ……貴様の察しの良さには驚かされたが、妾の本当の目的まではわからなかったようだな。)

 
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