151 / 249
第二章 呪われた運命
第149話 ルア防衛戦
しおりを挟む
飛び出していった東雲達を追いかけるように、アル達も城の外へと飛び出していった。すると、彼女達の前に天使達が降り立った。
「大人しくそこの♂を渡しなさい。さすれば命だけはとりません。」
降り立った天使の放った言葉に、ビキリと額に青筋を浮かべたものがいた。
「わしの可愛い可愛いルアを渡せ……じゃと?ふざけたことを……。」
「ふざけてなどいません。この滅び行く運命の世界ならば繁殖も必要ない……違いますか?」
無表情でそう言った天使に、ロレットが口を出した。
「滅び行く運命の世界……か。いったいその運命とやらは誰が決めたのだ?」
「もちろん我らが主神です。その決定は揺らぐことはありません。」
「ほぅ?ならば貴様らの主神を倒せば滅びは避けられそうだな。」
「なんですって?」
クスリと笑ったロレットに初めて天使は怒りの表情を浮かべた。
「やはり裏切り者が造り出した世界の者は愚かですね。下界の者が神に楯突くなど……。」
天使は怒りの表情を浮かべながら、背中の羽を大きく広げた。
「主神を侮辱した罪はその身をもって償ってもらいましょう。」
「フフフフ……そう来なくては面白くない。我らはその滅びの運命に……全力で抵抗させてもらうぞっ!!」
ロレットは強く地面を踏み込むと、天使に向かって切りかかる。
「っ!?これはっ…………!!」
滑らかに防御の体勢をとった天使だったが、ロレットの剣に大きく吹き飛ばされていった。
「まだまだ、我の力はこんなものではないぞっ!!」
吹き飛んでいった天使へと向かってロレットは追撃しに向かう。
「下界の者が……まさか……。」
その様子を見ていた他の天使が呆然としていると、彼女達に由良はゆっくりと歩み寄った。
「よそ見している余裕があるのかの?」
「ッ!!いつの間に……。」
「ルアを奪いたいのならば……まずはわしを越えていってもらおうかのぉ~?」
「由良さん、私達も手伝いますっ!!」
「ルアちゃんは渡しませんよぉ~っ!!」
由良と共に天使達の前にクロロとエナも立ちはだかり、臨戦態勢に入った。
「さっさとそこの♂を渡せば命を失うことはなかったというのに……。」
呆れ顔でそう呟く天使。そんな天使にクロロは急接近し、腰の短刀を引き抜いた。
「隙ありッ!!」
「ッ!!愚か者が……私の言葉を遮るなッ!!」
「わわっ!?」
天使が放った攻撃をクロロは驚きながらも回避する。すると、避けた本人が驚きの声をあげた。
「おぉ……避けれる…………。私でも避けれるっ!!」
「一度避けた程度で……図に乗るなっ!!人間っ!!」
「させませんっ!!」
再び攻撃を加えようとする天使の前にエナが立ち塞がり、天使の攻撃からクロロを守る。
「チッ……邪魔を……。」
「エナちゃんありがとっ!!」
着地したクロロは由良の横に降り立つ。
「クロロ、わしのサポートに回れ。わしが奴等の動きを止める。」
「由良さん……了解ですっ!」
「うむ、では行くぞ。」
そして由良たちも天使と戦いを始めてしまった。そんな彼女達の様子を見て、ルアのとなりに立っていたアルは満足そうに大きく頷いた。
「うんうん、ただの天使ぐらいならあの子達でも問題なさそうね。あっちはどうかしら?」
アルはチラリと空中の方へと目を向けた。すると、一人の天使に三人で向かっていく東雲達の姿があった。
「……問題なさそうね。」
ほっと安心したように一つ息を吐き出したアル。そんな彼女の前に三人の天使が降り立った。
「高みの見物とは……良いご身分ですね。女神アルテミス。」
「あら、私を呼び捨てにするなんて……一介の天使の癖に偉そうね?」
「私たちはあなたより高位の神によって産み出されました。故に、あなたに敬意を払う必要はありません。」
「へぇ?言ってくれるじゃない。」
にこやかに笑いながらも、アルの瞳の奥深くには怒りの色が浮かんでいた。
「最後に聞いておきます。そこの♂を渡すつもりはないのですか?」
「ないわ。」
そう即答したアルに、三人の天使たちは呆れた表情を浮かべた。
「ふむ……あなたはあの太陽の神とは違いますね。血が繋がった兄妹と言えど、思想は裏切り者……ですか。」
「太陽の神ですって!?それは兄様のこと!?」
「その通り、彼は良い仕事をしてくれましたよ。私達の道を開いてくれたのですからねぇ。」
「やっぱり……兄様が…………。」
ふるふるとアルは爪が掌に食い込むほど拳を握りしめ、怒りで体を震わせる。
「あ、アルさん?」
そんな時、彼女に冷静さを取り戻させたのは、隣にいるルアの声だった。
「……はっ!?私としたことがつい感情的になってたわ。ありがとね。」
我に返ったアルは優しくルアの頭を撫でた。そして天使達に向き直る。
「兄様が開けた道は私が塞ぐ。これ以上あんた達の好き勝手にはさせないわよ。」
アルは背中に背負った銀色の弓を手に取り、天使たちへと向かってその弦を強く引いた。
「大人しくそこの♂を渡しなさい。さすれば命だけはとりません。」
降り立った天使の放った言葉に、ビキリと額に青筋を浮かべたものがいた。
「わしの可愛い可愛いルアを渡せ……じゃと?ふざけたことを……。」
「ふざけてなどいません。この滅び行く運命の世界ならば繁殖も必要ない……違いますか?」
無表情でそう言った天使に、ロレットが口を出した。
「滅び行く運命の世界……か。いったいその運命とやらは誰が決めたのだ?」
「もちろん我らが主神です。その決定は揺らぐことはありません。」
「ほぅ?ならば貴様らの主神を倒せば滅びは避けられそうだな。」
「なんですって?」
クスリと笑ったロレットに初めて天使は怒りの表情を浮かべた。
「やはり裏切り者が造り出した世界の者は愚かですね。下界の者が神に楯突くなど……。」
天使は怒りの表情を浮かべながら、背中の羽を大きく広げた。
「主神を侮辱した罪はその身をもって償ってもらいましょう。」
「フフフフ……そう来なくては面白くない。我らはその滅びの運命に……全力で抵抗させてもらうぞっ!!」
ロレットは強く地面を踏み込むと、天使に向かって切りかかる。
「っ!?これはっ…………!!」
滑らかに防御の体勢をとった天使だったが、ロレットの剣に大きく吹き飛ばされていった。
「まだまだ、我の力はこんなものではないぞっ!!」
吹き飛んでいった天使へと向かってロレットは追撃しに向かう。
「下界の者が……まさか……。」
その様子を見ていた他の天使が呆然としていると、彼女達に由良はゆっくりと歩み寄った。
「よそ見している余裕があるのかの?」
「ッ!!いつの間に……。」
「ルアを奪いたいのならば……まずはわしを越えていってもらおうかのぉ~?」
「由良さん、私達も手伝いますっ!!」
「ルアちゃんは渡しませんよぉ~っ!!」
由良と共に天使達の前にクロロとエナも立ちはだかり、臨戦態勢に入った。
「さっさとそこの♂を渡せば命を失うことはなかったというのに……。」
呆れ顔でそう呟く天使。そんな天使にクロロは急接近し、腰の短刀を引き抜いた。
「隙ありッ!!」
「ッ!!愚か者が……私の言葉を遮るなッ!!」
「わわっ!?」
天使が放った攻撃をクロロは驚きながらも回避する。すると、避けた本人が驚きの声をあげた。
「おぉ……避けれる…………。私でも避けれるっ!!」
「一度避けた程度で……図に乗るなっ!!人間っ!!」
「させませんっ!!」
再び攻撃を加えようとする天使の前にエナが立ち塞がり、天使の攻撃からクロロを守る。
「チッ……邪魔を……。」
「エナちゃんありがとっ!!」
着地したクロロは由良の横に降り立つ。
「クロロ、わしのサポートに回れ。わしが奴等の動きを止める。」
「由良さん……了解ですっ!」
「うむ、では行くぞ。」
そして由良たちも天使と戦いを始めてしまった。そんな彼女達の様子を見て、ルアのとなりに立っていたアルは満足そうに大きく頷いた。
「うんうん、ただの天使ぐらいならあの子達でも問題なさそうね。あっちはどうかしら?」
アルはチラリと空中の方へと目を向けた。すると、一人の天使に三人で向かっていく東雲達の姿があった。
「……問題なさそうね。」
ほっと安心したように一つ息を吐き出したアル。そんな彼女の前に三人の天使が降り立った。
「高みの見物とは……良いご身分ですね。女神アルテミス。」
「あら、私を呼び捨てにするなんて……一介の天使の癖に偉そうね?」
「私たちはあなたより高位の神によって産み出されました。故に、あなたに敬意を払う必要はありません。」
「へぇ?言ってくれるじゃない。」
にこやかに笑いながらも、アルの瞳の奥深くには怒りの色が浮かんでいた。
「最後に聞いておきます。そこの♂を渡すつもりはないのですか?」
「ないわ。」
そう即答したアルに、三人の天使たちは呆れた表情を浮かべた。
「ふむ……あなたはあの太陽の神とは違いますね。血が繋がった兄妹と言えど、思想は裏切り者……ですか。」
「太陽の神ですって!?それは兄様のこと!?」
「その通り、彼は良い仕事をしてくれましたよ。私達の道を開いてくれたのですからねぇ。」
「やっぱり……兄様が…………。」
ふるふるとアルは爪が掌に食い込むほど拳を握りしめ、怒りで体を震わせる。
「あ、アルさん?」
そんな時、彼女に冷静さを取り戻させたのは、隣にいるルアの声だった。
「……はっ!?私としたことがつい感情的になってたわ。ありがとね。」
我に返ったアルは優しくルアの頭を撫でた。そして天使達に向き直る。
「兄様が開けた道は私が塞ぐ。これ以上あんた達の好き勝手にはさせないわよ。」
アルは背中に背負った銀色の弓を手に取り、天使たちへと向かってその弦を強く引いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
76
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる