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第二章 呪われた運命
第152話 ドレスの力
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先ほどまでルアのことを拘束していた天使が徐々にルアから距離をとる。彼女はこちらからは見えていないと思って完全に油断している。
しかしドレスの力のおかげで彼の目には天使が移動している姿がはっきりと映っていた。そしてルアのドレスが妖しく輝くと、彼の体は再び勝手に動き出す。
「わっ!?」
音もなく地面を蹴ると、ルアの体は先ほどの天使へと向かって急接近した。
「っな!?やはり私が見えてっ!!」
一直線に自分へと向かってくるルアの姿を見て、自分の姿がルアにみえていることを確信した天使は、大きく距離をとろうとする。
だが、ルアのスピードの方が圧倒的に速く、天使の懐に潜り込む。
「はやっ……!!」
顔をひきつらせる天使……。そしてルアのドレスから声が響く。
『常闇解放。』
「っ!?」
ドレスから声が響くと、天使の足元の地面から黒いオーラが這い上がり、天使の体を包み込んでいく。
「これはぁッ…………ぁ……………。」
天使の体全体を闇が包むと、いつの間にか天使の姿は闇の中へと消え去っていた。
何が起こったのかわからず、ルアが呆然としていると間髪いれずにドレスから声が響く。
『標的を殲滅。目標を変更します。30m範囲に四体の天使を確認。殲滅開始します。』
「え、ちょ……わぁッ!?」
そしてまたしてもドレスによって体を動かされ、ルアはどこかへと向かわされてしまう。
次に彼が向かった場所では、由良達が天使と戦いを繰り広げていた。
「むっ!?ルア!?どうしてここに。」
由良の問いかけに答える間もなく、ドレスから声が響く。
『三体の天使を確認。殲滅開始。』
ドレスに操られているルアは、由良とクロロ、そしてエナを突き飛ばし、三人の天使の前に立った。
「な、なぜここにっ!!お前は…………ぁっ?」
ルアの姿をみて驚きの声をあげた天使が闇に包まれて消える。そして仲間の一人が消えたことで足を止めた二人の天使も連鎖的に闇に引きずり込まれていく。
「な、なんと……三体の天使をあっという間に……。」
「わ、わわっ!?ご、ごめんなさいお母さん、クロロさん、エナさんっ!!」
「あ、えっ……えっ?ルアちゃん!?」
あっという間に天使を倒し終えたルアは再びドレスに操られどこかへと向かってしまう。
「あ、い、行っちゃった……。ルアちゃん凄いなぁ~。」
「天使をあっという間に倒してしまいましたねぇ~。」
「流石はルアじゃな。……にしてもどこへ向かったのじゃ?」
取り残された由良達はポカンとしながらも、ルアが向かっていった方向を見送っていた。
その頃ロレットはというと……。
「フンッ!!」
ロレットの剣が天使の目の前を掠めていく。当たれば即死に繋がるその一撃を食らうまいと天使は防戦一方になっていた。
(こいつの剣……危険ですね。マトモに当たれば消滅は必死。ですが、幸い動きは単調……このまま避け続けて体力が切れるのを待ちますか。その間にあっちが終わらせてくれるでしょうしね。)
そしてまたロレットの剣が天使の目の前を掠めていく。一向に避けるばかりで攻撃してこない天使にロレットが口を開いた。
「貴様、なぜ攻撃してこない。」
「攻撃できないんですよ~、あなたの攻撃が激しすぎるせいでね。ふふふふっ……。」
まるでバカにするようにそう言い放った天使に、ロレットの眉間に青筋がビキリと浮かぶ。
「そうかそうか……激しすぎて攻撃する暇がないか。ならば真に激しい攻撃というものを見せてやる。」
ロレットはそう言うと、自分の剣を横向きにして力を込めた。……すると、一本の剣が二本へと別れた。
「っ!!」
「さて、我の新技を存分に試させてもらおうか。」
二刀流になったロレットは左記ほどの倍以上の速度で天使に切りかかる。ロレットの剣の速度に着いていくことが難しくなった天使の体には、徐々に浅い切り傷が蓄積していく。
「くっ……調子に……乗るなっ!!」
「むおっ!?」
天使は体の内側から力を放出し、ロレットを吹き飛ばす。そしてロレットへと向かって手を伸ばした。
「遊びは終わりです。断罪っ!!」
天使が伸ばした手の先からロレットへと光線が放たれる。それがロレットへと当たる直前、二人の間に黒いドレスを身に纏ったルアが割り込んだ。
『攻撃を無力化。』
ドレスに操られるがまま光線へと手を伸ばしたルア。すると、彼の手に集まっていた黒いオーラが天使の攻撃を掻き消した。
「る、ルア!?」
「なっ!!なぜあなたがここにいるのですかっ!?」
『天使を肉眼で確認。殲滅開始。』
「くっ……作戦は失敗ですか。ならばっ!!」
天使はポツリと悔しそうに何かを呟くとその場から飛び上がり、遥か上空へと向かって飛んでいく。
『天使の逃走を確認。追撃します。』
「えっ……追撃しますってま、まさかっ!?」
慌てるルアだったが、その意思とは別に彼の体は地面を蹴り大空へと向かって飛び上がっていた。
「あの方達をお呼びしなければっ……!!私たちではもう……。」
そして必死に逃げている天使の前に黒い影が降りた。
「えっ……。」
突如自分に影が降りたことを不思議に思った天使が上を見上げたその瞬間……天使の体が深い闇の中に包まれた。
『標的を殲滅。周囲に天使の反応無し……。検索範囲を広げます………………反応無し。天使の消滅を確認。機能停止します。』
「え、き、機能停止って…………ここでぇっ!?」
ドレスの機能が無くなった瞬間、ルアの体は重力に従って下へ下へと落ちていった。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
しかしドレスの力のおかげで彼の目には天使が移動している姿がはっきりと映っていた。そしてルアのドレスが妖しく輝くと、彼の体は再び勝手に動き出す。
「わっ!?」
音もなく地面を蹴ると、ルアの体は先ほどの天使へと向かって急接近した。
「っな!?やはり私が見えてっ!!」
一直線に自分へと向かってくるルアの姿を見て、自分の姿がルアにみえていることを確信した天使は、大きく距離をとろうとする。
だが、ルアのスピードの方が圧倒的に速く、天使の懐に潜り込む。
「はやっ……!!」
顔をひきつらせる天使……。そしてルアのドレスから声が響く。
『常闇解放。』
「っ!?」
ドレスから声が響くと、天使の足元の地面から黒いオーラが這い上がり、天使の体を包み込んでいく。
「これはぁッ…………ぁ……………。」
天使の体全体を闇が包むと、いつの間にか天使の姿は闇の中へと消え去っていた。
何が起こったのかわからず、ルアが呆然としていると間髪いれずにドレスから声が響く。
『標的を殲滅。目標を変更します。30m範囲に四体の天使を確認。殲滅開始します。』
「え、ちょ……わぁッ!?」
そしてまたしてもドレスによって体を動かされ、ルアはどこかへと向かわされてしまう。
次に彼が向かった場所では、由良達が天使と戦いを繰り広げていた。
「むっ!?ルア!?どうしてここに。」
由良の問いかけに答える間もなく、ドレスから声が響く。
『三体の天使を確認。殲滅開始。』
ドレスに操られているルアは、由良とクロロ、そしてエナを突き飛ばし、三人の天使の前に立った。
「な、なぜここにっ!!お前は…………ぁっ?」
ルアの姿をみて驚きの声をあげた天使が闇に包まれて消える。そして仲間の一人が消えたことで足を止めた二人の天使も連鎖的に闇に引きずり込まれていく。
「な、なんと……三体の天使をあっという間に……。」
「わ、わわっ!?ご、ごめんなさいお母さん、クロロさん、エナさんっ!!」
「あ、えっ……えっ?ルアちゃん!?」
あっという間に天使を倒し終えたルアは再びドレスに操られどこかへと向かってしまう。
「あ、い、行っちゃった……。ルアちゃん凄いなぁ~。」
「天使をあっという間に倒してしまいましたねぇ~。」
「流石はルアじゃな。……にしてもどこへ向かったのじゃ?」
取り残された由良達はポカンとしながらも、ルアが向かっていった方向を見送っていた。
その頃ロレットはというと……。
「フンッ!!」
ロレットの剣が天使の目の前を掠めていく。当たれば即死に繋がるその一撃を食らうまいと天使は防戦一方になっていた。
(こいつの剣……危険ですね。マトモに当たれば消滅は必死。ですが、幸い動きは単調……このまま避け続けて体力が切れるのを待ちますか。その間にあっちが終わらせてくれるでしょうしね。)
そしてまたロレットの剣が天使の目の前を掠めていく。一向に避けるばかりで攻撃してこない天使にロレットが口を開いた。
「貴様、なぜ攻撃してこない。」
「攻撃できないんですよ~、あなたの攻撃が激しすぎるせいでね。ふふふふっ……。」
まるでバカにするようにそう言い放った天使に、ロレットの眉間に青筋がビキリと浮かぶ。
「そうかそうか……激しすぎて攻撃する暇がないか。ならば真に激しい攻撃というものを見せてやる。」
ロレットはそう言うと、自分の剣を横向きにして力を込めた。……すると、一本の剣が二本へと別れた。
「っ!!」
「さて、我の新技を存分に試させてもらおうか。」
二刀流になったロレットは左記ほどの倍以上の速度で天使に切りかかる。ロレットの剣の速度に着いていくことが難しくなった天使の体には、徐々に浅い切り傷が蓄積していく。
「くっ……調子に……乗るなっ!!」
「むおっ!?」
天使は体の内側から力を放出し、ロレットを吹き飛ばす。そしてロレットへと向かって手を伸ばした。
「遊びは終わりです。断罪っ!!」
天使が伸ばした手の先からロレットへと光線が放たれる。それがロレットへと当たる直前、二人の間に黒いドレスを身に纏ったルアが割り込んだ。
『攻撃を無力化。』
ドレスに操られるがまま光線へと手を伸ばしたルア。すると、彼の手に集まっていた黒いオーラが天使の攻撃を掻き消した。
「る、ルア!?」
「なっ!!なぜあなたがここにいるのですかっ!?」
『天使を肉眼で確認。殲滅開始。』
「くっ……作戦は失敗ですか。ならばっ!!」
天使はポツリと悔しそうに何かを呟くとその場から飛び上がり、遥か上空へと向かって飛んでいく。
『天使の逃走を確認。追撃します。』
「えっ……追撃しますってま、まさかっ!?」
慌てるルアだったが、その意思とは別に彼の体は地面を蹴り大空へと向かって飛び上がっていた。
「あの方達をお呼びしなければっ……!!私たちではもう……。」
そして必死に逃げている天使の前に黒い影が降りた。
「えっ……。」
突如自分に影が降りたことを不思議に思った天使が上を見上げたその瞬間……天使の体が深い闇の中に包まれた。
『標的を殲滅。周囲に天使の反応無し……。検索範囲を広げます………………反応無し。天使の消滅を確認。機能停止します。』
「え、き、機能停止って…………ここでぇっ!?」
ドレスの機能が無くなった瞬間、ルアの体は重力に従って下へ下へと落ちていった。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
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