もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第185話 嫉妬と葛藤

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 そして一日はあっという間に過ぎていき……気が付けば夜の帳が降り始めていた。

 夕食を食べ終えたルアはお風呂へと入るため、ルシファーとともに浴場へと向かっていた。

「うぅぅ……ルシファーさん、お風呂くらい一人で入らせてください。」

「いけません。無防備に裸体をさらけ出し、リラックスしている時こそ最も危険なのです。」

 ルアが憂鬱になっている理由はただ一つ……ルシファーはルアのお風呂にまで共に入り、見守ると言っているのだ。

 そして当然……そんなことを由良が見過ごすはずもなく。

「おいルシファーとやら、お主風呂までルアに付きまとうのかっ!!」

「当然です。これも私の使命ですから。」

「ルアに変なことをするつもりではなかろうな!?」

「そんなに心配でしたら、一緒に入って私のことを監視しては?」

「なっ……い、一緒にじゃと?」

「あなたはルア様の母上なのでしょう?ならば別に普通のこと……ではありませんか?」

「うむむむむ……。」

 ルシファーの唐突な提案に、思わず悩み始める由良。

(確かにわしはルアの母親じゃが……常識的に考えて子供と親が共に風呂に入るのは、自分で体を洗えるようになるまで。……じゃが、こやつを監視するのもわしの親としての務め。ならば、今宵は母としてルアの背中を流そうではないかっ!!)

 悩んでいた由良は、何かを決意した目をしながら顔をあげると、ルアの手をとった。

「ルア、今日は久しぶりにわしがルアの背中を流してやるからの。」

「えっ……えぇっ!?お母さん!?」

「フフフ、それでは行きましょうか。」

 強引に二人に浴場まで連れていかれたルアは、もう逃げられないと観念し服を脱ぎ、腰を覆うように布を巻いた。もちろん大事なところを見られないようにするためだ。

 そしてルアが服を脱ぎ終わると、すかさずルシファーが彼を背後から抱き締めた。

「準備ができようですね。では参りましょう。」

 肌に直にあたる感触から、ルシファーが服を脱いでいないことを察し、少しホッとするルア。しかし、そんな彼の元にあられもなくすっぽんぽんになった由良が姿を現した。

「わぁっ!?おぉぉお、お母さん!?み、見え…………。」

 目の前に飛び込んできた全裸の由良に、思わずルアは両手で目を覆った。顔を真っ赤にして目を開けることができずにいるルアを尻目に、由良はルシファーへと問いかける。

「む?お主は風呂に入らんのか?」

「もちろん入りますよ?」

「ではなぜ服を脱がぬ?」

「脱ぐのが一般的……なのですか?人間のこういった文化は深くは知りませんので……。」

「風呂に入るときは基本は服は脱いで入るものじゃ。」

「なるほど、ではそうします。」

「…………っ!?」

 パチンとルシファーが指を鳴らすと同時に、ルアの背中にあたる感触が突然変わる。先程までのきめ細かい服の感触ではなく、柔らかく……それでいて温かい人肌の感触へと変わった。
 その変化でルアはルシファーがあられもない姿をしていることを感じとり、余計に目を開けられなくなってしまった。

「これで良いでしょうか?」

「う、うむ……それで良い。良いのじゃが……うむ、うむむ……。」

「…………?いかがなさいました?」

 由良は裸体になったルシファーの自分よりも遥かに大きく整った胸へと視線を向けていた。

(なんじゃこの馬鹿デカイ牛乳うしちちは……わしも胸の大きさにはそこそこ自信はあったんじゃが、これを目の当たりにすると小さく見えてしまうのじゃ。)

 そんなことを思いながら、ルシファーと自分の胸を交互に見てがっくりと肩を落とす由良。

(はぁ、やはりルアは胸は大きい方が好みじゃろうか?かといってこれ以上この身長で胸を大きくしようと努力すれば不釣り合いな体になってしまうやもしれんし……うむむむ……うむむむむ。)

 ルシファーは身長が高い故に規格外に大きな胸をしていても然程違和感がない。だが、今の由良の身長で彼女と同じサイズの胸になると考えると、体のバランスがとれていない。要は違和感しかない体になってしまうのだ。

(となればまずはわしは背を伸ばすことを考えた方が良いのかもしれんな。うむ、そうするのじゃ。)

 由良が一人でそんなことを思っていると、ルアが二人に向かって言った。

「あ、あの……そろそろお風呂入らない?ボク寒くなってきちゃった。」

「お、おぉすまぬルア。すぐに温かい湯に浸かろうな。」

「病におかされても困りますからね。では、ルア様歩きますよ。」

 一日の疲れを癒すはずの入浴の時間が、ルアにとっては油断ならない緊張の走った時間になったのだった。
 一方由良とルシファーは、裸の付き合いで少しお互いに打ち解けたようで、何気ない会話を弾ませていた。
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