187 / 249
第三章 終焉を呼ぶ七大天使
第185話 嫉妬と葛藤
しおりを挟む
そして一日はあっという間に過ぎていき……気が付けば夜の帳が降り始めていた。
夕食を食べ終えたルアはお風呂へと入るため、ルシファーとともに浴場へと向かっていた。
「うぅぅ……ルシファーさん、お風呂くらい一人で入らせてください。」
「いけません。無防備に裸体をさらけ出し、リラックスしている時こそ最も危険なのです。」
ルアが憂鬱になっている理由はただ一つ……ルシファーはルアのお風呂にまで共に入り、見守ると言っているのだ。
そして当然……そんなことを由良が見過ごすはずもなく。
「おいルシファーとやら、お主風呂までルアに付きまとうのかっ!!」
「当然です。これも私の使命ですから。」
「ルアに変なことをするつもりではなかろうな!?」
「そんなに心配でしたら、一緒に入って私のことを監視しては?」
「なっ……い、一緒にじゃと?」
「あなたはルア様の母上なのでしょう?ならば別に普通のこと……ではありませんか?」
「うむむむむ……。」
ルシファーの唐突な提案に、思わず悩み始める由良。
(確かにわしはルアの母親じゃが……常識的に考えて子供と親が共に風呂に入るのは、自分で体を洗えるようになるまで。……じゃが、こやつを監視するのもわしの親としての務め。ならば、今宵は母としてルアの背中を流そうではないかっ!!)
悩んでいた由良は、何かを決意した目をしながら顔をあげると、ルアの手をとった。
「ルア、今日は久しぶりにわしがルアの背中を流してやるからの。」
「えっ……えぇっ!?お母さん!?」
「フフフ、それでは行きましょうか。」
強引に二人に浴場まで連れていかれたルアは、もう逃げられないと観念し服を脱ぎ、腰を覆うように布を巻いた。もちろん大事なところを見られないようにするためだ。
そしてルアが服を脱ぎ終わると、すかさずルシファーが彼を背後から抱き締めた。
「準備ができようですね。では参りましょう。」
肌に直にあたる感触から、ルシファーが服を脱いでいないことを察し、少しホッとするルア。しかし、そんな彼の元にあられもなくすっぽんぽんになった由良が姿を現した。
「わぁっ!?おぉぉお、お母さん!?み、見え…………。」
目の前に飛び込んできた全裸の由良に、思わずルアは両手で目を覆った。顔を真っ赤にして目を開けることができずにいるルアを尻目に、由良はルシファーへと問いかける。
「む?お主は風呂に入らんのか?」
「もちろん入りますよ?」
「ではなぜ服を脱がぬ?」
「脱ぐのが一般的……なのですか?人間のこういった文化は深くは知りませんので……。」
「風呂に入るときは基本は服は脱いで入るものじゃ。」
「なるほど、ではそうします。」
「…………っ!?」
パチンとルシファーが指を鳴らすと同時に、ルアの背中にあたる感触が突然変わる。先程までのきめ細かい服の感触ではなく、柔らかく……それでいて温かい人肌の感触へと変わった。
その変化でルアはルシファーがあられもない姿をしていることを感じとり、余計に目を開けられなくなってしまった。
「これで良いでしょうか?」
「う、うむ……それで良い。良いのじゃが……うむ、うむむ……。」
「…………?いかがなさいました?」
由良は裸体になったルシファーの自分よりも遥かに大きく整った胸へと視線を向けていた。
(なんじゃこの馬鹿デカイ牛乳は……わしも胸の大きさにはそこそこ自信はあったんじゃが、これを目の当たりにすると小さく見えてしまうのじゃ。)
そんなことを思いながら、ルシファーと自分の胸を交互に見てがっくりと肩を落とす由良。
(はぁ、やはりルアは胸は大きい方が好みじゃろうか?かといってこれ以上この身長で胸を大きくしようと努力すれば不釣り合いな体になってしまうやもしれんし……うむむむ……うむむむむ。)
ルシファーは身長が高い故に規格外に大きな胸をしていても然程違和感がない。だが、今の由良の身長で彼女と同じサイズの胸になると考えると、体のバランスがとれていない。要は違和感しかない体になってしまうのだ。
(となればまずはわしは背を伸ばすことを考えた方が良いのかもしれんな。うむ、そうするのじゃ。)
由良が一人でそんなことを思っていると、ルアが二人に向かって言った。
「あ、あの……そろそろお風呂入らない?ボク寒くなってきちゃった。」
「お、おぉすまぬルア。すぐに温かい湯に浸かろうな。」
「病におかされても困りますからね。では、ルア様歩きますよ。」
一日の疲れを癒すはずの入浴の時間が、ルアにとっては油断ならない緊張の走った時間になったのだった。
一方由良とルシファーは、裸の付き合いで少しお互いに打ち解けたようで、何気ない会話を弾ませていた。
夕食を食べ終えたルアはお風呂へと入るため、ルシファーとともに浴場へと向かっていた。
「うぅぅ……ルシファーさん、お風呂くらい一人で入らせてください。」
「いけません。無防備に裸体をさらけ出し、リラックスしている時こそ最も危険なのです。」
ルアが憂鬱になっている理由はただ一つ……ルシファーはルアのお風呂にまで共に入り、見守ると言っているのだ。
そして当然……そんなことを由良が見過ごすはずもなく。
「おいルシファーとやら、お主風呂までルアに付きまとうのかっ!!」
「当然です。これも私の使命ですから。」
「ルアに変なことをするつもりではなかろうな!?」
「そんなに心配でしたら、一緒に入って私のことを監視しては?」
「なっ……い、一緒にじゃと?」
「あなたはルア様の母上なのでしょう?ならば別に普通のこと……ではありませんか?」
「うむむむむ……。」
ルシファーの唐突な提案に、思わず悩み始める由良。
(確かにわしはルアの母親じゃが……常識的に考えて子供と親が共に風呂に入るのは、自分で体を洗えるようになるまで。……じゃが、こやつを監視するのもわしの親としての務め。ならば、今宵は母としてルアの背中を流そうではないかっ!!)
悩んでいた由良は、何かを決意した目をしながら顔をあげると、ルアの手をとった。
「ルア、今日は久しぶりにわしがルアの背中を流してやるからの。」
「えっ……えぇっ!?お母さん!?」
「フフフ、それでは行きましょうか。」
強引に二人に浴場まで連れていかれたルアは、もう逃げられないと観念し服を脱ぎ、腰を覆うように布を巻いた。もちろん大事なところを見られないようにするためだ。
そしてルアが服を脱ぎ終わると、すかさずルシファーが彼を背後から抱き締めた。
「準備ができようですね。では参りましょう。」
肌に直にあたる感触から、ルシファーが服を脱いでいないことを察し、少しホッとするルア。しかし、そんな彼の元にあられもなくすっぽんぽんになった由良が姿を現した。
「わぁっ!?おぉぉお、お母さん!?み、見え…………。」
目の前に飛び込んできた全裸の由良に、思わずルアは両手で目を覆った。顔を真っ赤にして目を開けることができずにいるルアを尻目に、由良はルシファーへと問いかける。
「む?お主は風呂に入らんのか?」
「もちろん入りますよ?」
「ではなぜ服を脱がぬ?」
「脱ぐのが一般的……なのですか?人間のこういった文化は深くは知りませんので……。」
「風呂に入るときは基本は服は脱いで入るものじゃ。」
「なるほど、ではそうします。」
「…………っ!?」
パチンとルシファーが指を鳴らすと同時に、ルアの背中にあたる感触が突然変わる。先程までのきめ細かい服の感触ではなく、柔らかく……それでいて温かい人肌の感触へと変わった。
その変化でルアはルシファーがあられもない姿をしていることを感じとり、余計に目を開けられなくなってしまった。
「これで良いでしょうか?」
「う、うむ……それで良い。良いのじゃが……うむ、うむむ……。」
「…………?いかがなさいました?」
由良は裸体になったルシファーの自分よりも遥かに大きく整った胸へと視線を向けていた。
(なんじゃこの馬鹿デカイ牛乳は……わしも胸の大きさにはそこそこ自信はあったんじゃが、これを目の当たりにすると小さく見えてしまうのじゃ。)
そんなことを思いながら、ルシファーと自分の胸を交互に見てがっくりと肩を落とす由良。
(はぁ、やはりルアは胸は大きい方が好みじゃろうか?かといってこれ以上この身長で胸を大きくしようと努力すれば不釣り合いな体になってしまうやもしれんし……うむむむ……うむむむむ。)
ルシファーは身長が高い故に規格外に大きな胸をしていても然程違和感がない。だが、今の由良の身長で彼女と同じサイズの胸になると考えると、体のバランスがとれていない。要は違和感しかない体になってしまうのだ。
(となればまずはわしは背を伸ばすことを考えた方が良いのかもしれんな。うむ、そうするのじゃ。)
由良が一人でそんなことを思っていると、ルアが二人に向かって言った。
「あ、あの……そろそろお風呂入らない?ボク寒くなってきちゃった。」
「お、おぉすまぬルア。すぐに温かい湯に浸かろうな。」
「病におかされても困りますからね。では、ルア様歩きますよ。」
一日の疲れを癒すはずの入浴の時間が、ルアにとっては油断ならない緊張の走った時間になったのだった。
一方由良とルシファーは、裸の付き合いで少しお互いに打ち解けたようで、何気ない会話を弾ませていた。
0
あなたにおすすめの小説
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる