もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第196話 vsガブリエル

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 数多の天使達を率いているガブリエルは、ロレットの城の上空へと辿り着くと、自分の後ろで隊列を組む天使達へと向けて号令を放った。

「抵抗する者は浄化しなさい。また、標的を見つけた際……生け捕りが不可能と判断したのなら浄化しても構いません。」

「「「はっ!!」」」

 そう彼女が号令を放つと同時に、大量の天使がロレットの城へと向けて飛び立っていく。

 天使達が向かっていったのを上空で眺めていたガブリエルの背後から、突然声が響く。

「フフフ、天使達に号令を出して……自分は傍観ですか?」

「その声は……まさかっ!?」

 遠い昔に聞いた声を聞き、ガブリエルが驚きながら後ろを振り返ると、そこにはルシファーとルアが立っていた。

「……ルシファーっ、生きていたのですかっ!!」

「フフフ……アハハハっ♪その驚いた表情……良いですねぇ。ゾクゾクします。」

 ルシファーを睨み付けるガブリエル。露になる彼女の怒りで辺りの空気が歪み始める。

「ルシファー……神を傷付けたあなたに、今をのうのうと生きている資格はありませんよ。」

 そしてガブリエルは自身の神器である審判の百合を手に取ると、顔に近づけ……そっと息を吸い込んだ。

「七大天使、第三席……ガブリエル。使命を果たします。」

 彼女がそう名乗りをあげた瞬間……ガブリエルの周りを囲うように白い花弁が漂い始めた。
 それを見てルシファーは、眉を細める。

「ルア様、ガブリエルの周りを花弁が舞っているのがわかりますか?」

「は、はい。」

「あれがガブリエルの神器、審判の百合の効果範囲です。」

 ぼそりとルシファーはそうルアに言った。

「私が七大天使に属していた時より少し範囲が広がっているようなので、感覚を掴むまで少し時間を下さい。」

 ルシファーがそう口にしていると……。

「呑気に作戦会議ですか?そこの堕天使とずいぶん関係が深いようですね。」

「フフフ、あなたの目にも堕天使に見えますか。」

「……?どういうことでしょう?」

「この方は、今あなた達が目標にして来ている御方……なのですよ。」

 ルシファーのその言葉にガブリエルはハッとなり、ルアの顔をじっと見つめた。

「……なるほど。それが報告にあった姿を自在に変えるという技ですか。ですが、よりにもよって堕天使へと姿を変えるとは……墓穴を掘ったようですね。先程までは、生かして捕らえることも考えていましたが……気分が変わりました。さっさと浄化するとしましょう。」

「わっ!?」

 ガブリエルは再び怒りを露にすると、一直線にルアへと向かって距離を詰める。そしてルアの体が審判の百合の効果範囲ギリギリに近付いたその瞬間、ルアの体がガブリエルから距離をとるように一気に飛び退いた。

「どうやらルシファーから私の神器について少し聞かされているようですね。まったく……どこまでも罪を重ねるつもりですかルシファー。」

「フフフ、生憎私はもう既に堕天している身……これから先いくら罪を重ねようが関係はありませんからね。」

「神器の情報まで伝えられているのなら……なおさらこの世界の者達を生かしておくわけにはいきませんね。」

「おやおや、物騒なことを言うようになりましたねガブリエル。昔はもっと粛々としていたと思ったのですが……。」

「誰のせいでこうなったと思ってッ!!」

 ルシファーの言葉にビキリと青筋を浮かべたガブリエルは、自身の周りを漂っていた花弁を一点に集めると、ルシファーへと向かって一直線に伸ばす。

 思いもよらなかったガブリエルの行動にルシファーは一瞬驚愕したような表情を浮かべるが、花弁が眼前に迫ってくる最中……彼女は歪に口角を吊り上げて笑った。

「フフフ……アハハハハハ!!ずいぶん技のレパートリーが増えたようですねガブリエル。まさか審判の百合の効果範囲を引き絞って一直線にするとは、驚きです♪」

「直線だけだと思わないことですルシファー。」

「……!!」

 審判の百合をギリギリでかわしたルシファーだったが、突然直線に伸びていた効果範囲がうねうねとまるで鞭のようにしなりルシファーのことを追い始める。

「この際そこの人間は後回しです。まずはルシファー……あなたから浄化するッ!!」

「フフフ♪」

 予測不可能な動きで審判の百合を操り、ルシファーを追い詰めるガブリエル。しかし、追い詰められているはずのルシファーの表情にはずっと笑みが張り付いていた。
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