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第三章 終焉を呼ぶ七大天使
第198話 激怒
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ルアが怒りに任せて再びメタモルフォーゼという言葉を口にすると、彼の体を真っ赤な炎が包み込んだ。
「……っ、これはいったい。」
炎から放たれる熱風に当てられ、ルアに近づくことができないガブリエル。近づけないと判断し、審判の百合を伸ばして使うがルアの周りの炎に触れたそばから花弁が燃えて灰になっていく。
「審判の百合が燃える!?」
目の当たりにしたことのない現象に、ガブリエルが驚く最中……彼女の目の前でルアを包み込んでいた炎が爆ぜる。
包まれていた炎の中から姿を現したルアは、先程まで纏っていた黒い衣装ではなく……深紅に染まったドレスを身に付けていた。そして彼がゆっくりと目を開けると、その両目には紅色の淡い炎が宿っていた。
「また姿が変わった?」
「…………許さない。」
ポツリとルアがそう呟くと、突如としてガブリエルの目の前からルアは姿を消した。
「き、消え…………どこにッ!!」
ガブリエルが辺りを見渡すと、ルアは既に地上に降りていた。そしてルアはリリィを拘束する天使達を炎の灯った瞳で睨み付けると腰に差していたハンドガンのようなフォルムの真っ赤な銃を抜き天使達へと向かって構えた。
「リリィを放せ。」
ルアが二回引き金を引くと、タン……タン!!と破裂するような音が辺りに木霊し、その直後リリィを拘束していた天使の体を真っ赤な銃弾が貫く。
胸の中心を貫かれた天使は、まるで火花が散るように姿を消していった。
天使の手から解放されたリリィをルアは優しく抱き止める。
「ルア……。」
「ごめんねリリィ。怖かったよね……でももう大丈夫。怖いのは全部いなくなるから。」
ルアはリリィの目を覆い隠すように手で覆った後、周りにいる天使達へと向かって何度も……何度も引き金を引いた。
そしてルアが引き金を引く音が止まる頃……リリィとルアの周りにいた天使達の姿はなくなっていた。
「リリィ、ちょっとここで待ってて?すぐに戻るから。」
「あ……ルア………………。」
安全な場所にリリィを運ぶと、ルアは黒い翼を羽ばたかせガブリエルのもとへと向かった。彼が近づいてくると、ガブリエルは苦虫を噛み潰したような表情で口を開いた。
「…………その炎、憤怒の炎ですね。傲慢に加え、憤怒までもその身に宿しているとは……やはり人間は欲深く罪深い。」
「どんな基準で罪深いとか決めてるのかわかんないけど、ボクは皆を傷付けるそっちの方がよっぽど罪深いと思うよ。」
「戯れ言を……人間の矮小な秤で物事を語るな。神が悪と決めたものは悪なのです。」
ガブリエルはルアの発言に憤りを見せると、彼へと向かって審判の百合を伸ばした。
すると、ルアの深紅のドレスから機械的な声が響いた。
『迎撃開始。』
そう声が響くと、ルアはガブリエルが持つ審判の百合へと向かって銃弾を放った。
「ッ!!」
ルアが放った銃弾は、ガブリエルが手にしていた審判の百合を弾き飛ばす。地上へと落下していくそれにガブリエルが目を移していると、彼女の眼前に銃口が突き付けられた。
「みんなは………………。」
「~~~っ!!!!」
「ボクが守る!!」
そして引き金にあてた人差し指にルアが力を込めたその時だった。
『活動限界を検知。これ以上の活動は危険です、安全装置起動します。』
「うっ…………。」
ドレスから声が響くと同時にルアの瞳から炎が消え、彼は眠ったようにゆったりと目を閉じ、地上へと落ちていく。
一瞬何が起こったのかわからずにいたガブリエルだったが、状況を理解するとくつくつと笑った。
「ふ、ふふ………なるほど、欲に耐えきれず意識を失いましたか。あと一歩のところでしたが、残念でしたね。結局人間なんぞには運命は味方しないということです!!」
高らかに笑っていたガブリエル。そして彼女は落ちていく最中のルアへと向かって手を翳した。
「さぁ、これで浄化……完了です。」
眩い光が彼女の手に集まりルアへと放たれようとしたその時。
「フフフ、ガブリエル。詰めが甘いですね。」
ズッ………………。
突然後ろから声が聞こえたかと思うと、ガブリエルは胸の辺りに強い衝撃を感じた。ゆっくり視線を下ろすと、ガブリエルの胸から一本……腕が突き出ていた。
「カハッ……!?る、ルシ、ファー……なぜ、生きて…………。」
ガブリエルの胸を貫いていた者の正体は、先ほど審判の百合を食らったはずのルシファーだった。
「フフフ、天使の力を吸収しているのはあなただけではないのですよ。」
そう笑いながら口にしたルシファーの体からは、カラカラに枯れてしまった百合がポロポロと落ちていた。
「さぁ、今度はあなたの力をもらいましょうか。」
「く…………あ…………申し訳……ありませ…………我が主神。」
ガブリエルが最後にそう言うと、彼女の体は光の粒子となってルシファーの体へと吸収されていった。
「……っ、これはいったい。」
炎から放たれる熱風に当てられ、ルアに近づくことができないガブリエル。近づけないと判断し、審判の百合を伸ばして使うがルアの周りの炎に触れたそばから花弁が燃えて灰になっていく。
「審判の百合が燃える!?」
目の当たりにしたことのない現象に、ガブリエルが驚く最中……彼女の目の前でルアを包み込んでいた炎が爆ぜる。
包まれていた炎の中から姿を現したルアは、先程まで纏っていた黒い衣装ではなく……深紅に染まったドレスを身に付けていた。そして彼がゆっくりと目を開けると、その両目には紅色の淡い炎が宿っていた。
「また姿が変わった?」
「…………許さない。」
ポツリとルアがそう呟くと、突如としてガブリエルの目の前からルアは姿を消した。
「き、消え…………どこにッ!!」
ガブリエルが辺りを見渡すと、ルアは既に地上に降りていた。そしてルアはリリィを拘束する天使達を炎の灯った瞳で睨み付けると腰に差していたハンドガンのようなフォルムの真っ赤な銃を抜き天使達へと向かって構えた。
「リリィを放せ。」
ルアが二回引き金を引くと、タン……タン!!と破裂するような音が辺りに木霊し、その直後リリィを拘束していた天使の体を真っ赤な銃弾が貫く。
胸の中心を貫かれた天使は、まるで火花が散るように姿を消していった。
天使の手から解放されたリリィをルアは優しく抱き止める。
「ルア……。」
「ごめんねリリィ。怖かったよね……でももう大丈夫。怖いのは全部いなくなるから。」
ルアはリリィの目を覆い隠すように手で覆った後、周りにいる天使達へと向かって何度も……何度も引き金を引いた。
そしてルアが引き金を引く音が止まる頃……リリィとルアの周りにいた天使達の姿はなくなっていた。
「リリィ、ちょっとここで待ってて?すぐに戻るから。」
「あ……ルア………………。」
安全な場所にリリィを運ぶと、ルアは黒い翼を羽ばたかせガブリエルのもとへと向かった。彼が近づいてくると、ガブリエルは苦虫を噛み潰したような表情で口を開いた。
「…………その炎、憤怒の炎ですね。傲慢に加え、憤怒までもその身に宿しているとは……やはり人間は欲深く罪深い。」
「どんな基準で罪深いとか決めてるのかわかんないけど、ボクは皆を傷付けるそっちの方がよっぽど罪深いと思うよ。」
「戯れ言を……人間の矮小な秤で物事を語るな。神が悪と決めたものは悪なのです。」
ガブリエルはルアの発言に憤りを見せると、彼へと向かって審判の百合を伸ばした。
すると、ルアの深紅のドレスから機械的な声が響いた。
『迎撃開始。』
そう声が響くと、ルアはガブリエルが持つ審判の百合へと向かって銃弾を放った。
「ッ!!」
ルアが放った銃弾は、ガブリエルが手にしていた審判の百合を弾き飛ばす。地上へと落下していくそれにガブリエルが目を移していると、彼女の眼前に銃口が突き付けられた。
「みんなは………………。」
「~~~っ!!!!」
「ボクが守る!!」
そして引き金にあてた人差し指にルアが力を込めたその時だった。
『活動限界を検知。これ以上の活動は危険です、安全装置起動します。』
「うっ…………。」
ドレスから声が響くと同時にルアの瞳から炎が消え、彼は眠ったようにゆったりと目を閉じ、地上へと落ちていく。
一瞬何が起こったのかわからずにいたガブリエルだったが、状況を理解するとくつくつと笑った。
「ふ、ふふ………なるほど、欲に耐えきれず意識を失いましたか。あと一歩のところでしたが、残念でしたね。結局人間なんぞには運命は味方しないということです!!」
高らかに笑っていたガブリエル。そして彼女は落ちていく最中のルアへと向かって手を翳した。
「さぁ、これで浄化……完了です。」
眩い光が彼女の手に集まりルアへと放たれようとしたその時。
「フフフ、ガブリエル。詰めが甘いですね。」
ズッ………………。
突然後ろから声が聞こえたかと思うと、ガブリエルは胸の辺りに強い衝撃を感じた。ゆっくり視線を下ろすと、ガブリエルの胸から一本……腕が突き出ていた。
「カハッ……!?る、ルシ、ファー……なぜ、生きて…………。」
ガブリエルの胸を貫いていた者の正体は、先ほど審判の百合を食らったはずのルシファーだった。
「フフフ、天使の力を吸収しているのはあなただけではないのですよ。」
そう笑いながら口にしたルシファーの体からは、カラカラに枯れてしまった百合がポロポロと落ちていた。
「さぁ、今度はあなたの力をもらいましょうか。」
「く…………あ…………申し訳……ありませ…………我が主神。」
ガブリエルが最後にそう言うと、彼女の体は光の粒子となってルシファーの体へと吸収されていった。
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