たいして好みでは無い、と言われたので婚約解消した令嬢は、伯爵様と交渉する。

らりささ

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4.蜜月編

18.お願い

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私は、ノーランド様のことが気になってはいたが、アスラン様の手前、あまりそのことに言及することができなかった。

なぜかアスラン様は、私がノーランド様のことを話すのを嫌がるのだ。

アスラン様は確か、以前はノーランド様との関係に依存していた、と言われた。
そのことが、私がノーランド様と関わるのを嫌がる原因なんだろうか?

なんだか、モヤモヤしてきた。

本当に、相棒や親友というだけの関係だったのだろうか?

そんなことを考えるようになってしまったのだ。

でも、だったら初めから私をノーランド様に紹介しなければよかったのではないか?
疑問が疑問を呼ぶ。
最悪の状態だった。

そんなことを考えている間に、私たちは王都に帰ってきた。

久々の、ターリー家本邸。

私は、なんだかんだ言って、ちょっとホッとした。

 帰ってきたな…

そんなふうに思っていた。

しかし、私にはまだやることがある。

自分が自分らしく生きるために、苦渋の決断をしなければならない時があるのだ。

「あの…アスラン様?」
私は、様子を伺っていた。
「どうしました?今日は疲れたでしょう?さぁ、早く寝ましょう」
アスラン様は、私の手をとって言った。
すっかり夜は更けていた。

「そのことなのですが…お願いがありまして」
「話なら、寝室で聞きましょう」
アスラン様は、私を抱き上げて、自身の寝室に連れて行こうとした。

「そ、そのことですが!元々あった通り、寝室は別々でお願いしたいのです!」
私はこれ以上、アスラン様に溺れたくなかったのだ。

「え…っ!!?」
想定外のお願いに、アスラン様は暫く固まった。
「そんな…僕と別れたりしないと約束してくれたじゃないですか…」
「別れないですって!」
なんて説明してよいか分からない。

「だったら…!なぜ?!嫌ですよ。僕は、絶対に嫌です!」
アスラン様は、怖いほど真剣な目だった。

「と、とにかく降ろしてください」
私はその目を見ると、申し訳なさでいっぱいになった。

「それも嫌です」
そう言って、アスラン様は私をそのまま彼の寝室に連れ込んだ。

「アスラン様、話を聞いてください!」
だめだ、このままでは流されてしまう。
彼の側はひどく居心地がいい。
絶対に抜け出せなくなる。

彼の甘さ、美しさ、儚さは、媚薬だ。

「ルシンダ!君も僕の話を聞いて!」
アスラン様は、私をベッドに降ろした。
そして、私の上に覆いかぶさるようにして、彼の顔を私の顔に近づけてきた。

彼は泣きそうな顔をしていた。
それはそれは、ひどく美しく、たまらない色気があった。

私は、見惚れてしまった。

だめだ。
私は、すぐこうなってしまう。

「何が嫌なんですか?僕の何が…?」
アスラン様は、そう聞いてはきたものの、すぐに私の唇を彼の唇で塞いだ。

嫌なわけがない。

私は、アスラン様の全てに魅力されているというのに。

私は、彼を拒むことなどできなかった。

その晩のアスラン様は、いつもよりずっと切ないお顔をされた。

それが私には、
 

 ……堪らなかった。


私の背筋に、ゾクゾクっと快感が走った。

いつもの何倍も声が出た。

そして、アスラン様は、朝方まで私を寝かせてはくれなかった。

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