たいして好みでは無い、と言われたので婚約解消した令嬢は、伯爵様と交渉する。

らりささ

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6.大精霊編

13.操

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セラが初めてキャロルと出会った時、セラは彼女を普通の女の子だと思っていた。
自分のタイプど真ん中の女の子が、セラに懐いてくるのだ。
嬉しくないわけがない。
セラとキャロルが親密になるのに、時間はかからなかった。
2人はいつも、キャロルの家で逢っていた。
キャロルの家には、常に家族がおらず、寂しい思いをしている、と彼女は言った。
セラはそれを真に受けて、しょっちゅう彼女の元に通うようになった。
キャロルは何もかもが初めてだったので、セラが全て教えた。
彼女の反応も素直で、セラはどんどんのめり込んでいった。そして、キャロルの体を開いたのは自分だ、とセラは思い上がっていた。

そんなセラでも暫くすると、何かおかしいな、と思い始めた。
セラは海の大精霊の愛し子だ。
本来ならば、初めに気付くべきだったのだ。

始まりは、時の精霊がセラに興味を持ち、セラのタイプの“女の子”に変化したことであった。

キャロルの誕生である。

セラは想像以上に、キャロルに優しくしてくれた。そして、彼女を何の見返りもなく愛してくれた。
キャロルはセラに溺れていくようになる。

セラは、キャロルが“時の精霊”だと気付いてからも、彼女とは別れなかった。
特段、別れる必要もないと思っていた。
海の大精霊に、小言に近いことを言われたこともあったが、セラは気にもしなかった。

キャロルは、それがもの凄く嬉しかった。

 今なら、陸の大精霊の気持ちが分かる

キャロルは、陸の大精霊とユーリの姿を思い出したりもした。

 それなのに!

 よりによって、“ユーリ”の生まれ変わりなどに!!

時の精霊は、激怒していた。

「どうせ、あと少しでルシンダはいなくなるのに…」
キャロルはそれまで、セラを閉じ込めておこうと思ったのだった。

「クルーズ様、また今日もセラさんはお休みですか?」
もう1週間ほどセラは出勤してきていない。
「長いお休みをするそうですよ。だから、ルシンダくんにちょっと頑張ってもらわないといけないかもしれませんので、そのつもりでね」
クルーズが、ニコっと笑って言った。

 おかしいなぁ?

アスランは、セラがどこか旅行に行ったりするようなことは言っていなかった。

その頃には既に、ルシンダも2人の結婚が白いものだと聞かされていた。
だから、余計にアスランと逢う頻度も多くなっていたのだ。
しかし、白い結婚のことは他言無用だと言われていたし、コソコソとしなければならないことに変わりはなかった。

アスランは、いちいちセラの行動は把握していないと言っていて、1週間もセラがいないことを特に気にもしていない様子だった。

「まぁ、1週間帰ってこないなんて、よくあるからね。お互いに」
「そうなんですか?でも、魔術部に1週間も出てこないなんて…」
セラの心配をしているルシンダを見て、アスランは酷く嫉妬した。
「きっと“彼女”と一緒だから、大丈夫だよ」
そう言ってアスランは、ルシンダがもう喋られないように、彼の唇で彼女の口を塞いだ。
これ以上、ルシンダの口からセラの名前など聞きたくなかった。
アスランは、ルシンダに自分のことだけを見て欲しいと思うようになっていた。

ルシンダの口の中に、アスランは自身の舌を入れた。

「ん…」

その舌に答えるように、彼女の舌を彼のものに纏わりつけていく。
静かな執務室で、その音だけが微かに聞こえていた。

興奮で、ルシンダの頬が赤くなってきた。
アスランは、そのルシンダの色気に目眩すら覚えた。

一瞬、ライトの顔がよぎる。

 ルシンダは、ライトともこんなふうにしているのだろうか…

そう思うと、アスランは胸が潰れそうなほど苦しくなった。

ライトが、ルシンダの胸を触り、足を弄り、大事な部分に彼の…

そう思うだけで、ライトを殺してしまいそうなほどの憎悪を感じてしまう。そんな自分に気付いて、アスランは自己嫌悪に陥った。

しかし、アスランは知らなかった。

ルシンダが、まだ処女であることを。

ライトは、ルシンダが自分のことを好きになってからことに及ぼう、そういう操を勝手に立てていたのだ。
初めは、ライトにも自信があった。ルシンダに愛されるという自信が。

しかし、ライトにそんな余裕は、既になくなっていた。
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