冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト

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第1章

第4話 遭遇してしまったようです①

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「ありがと!お兄ちゃん!」
「あ、ああ」

俺は全く面識のない小学生の女の子からこれ以上ないような満面の笑みでお礼を言われる。……のはいいのだが、なんだこれは。この子の家、完全に屋敷じゃないか。
―――俺は盛大にため息を吐いた。

「どうしてこうなった……」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

遡ること1時間前。

「これなら全然余裕だな」

俺は5時10分頃を表示するスマホを見ながら安心する。

6時までに夕佳の家に行けばいいんだ。全然余裕だろ―――え?それは死亡フラグだって?はっはっはっ、そんな簡単に死亡フラグが立つ訳ないだろう?
……今更なんだが誰に向かって話してるのだろう。

「―――ああ、そういえば、愛海に買い出し頼まれてたな」

先程のしょうもない雑念は振り払い、カバンの中から愛海からもらったメモ用紙を取り出す。

「えーっと、粗挽き肉、コショウ、卵、牛乳―――」

今日の晩御飯はハンバーグかな。
俺は愛海が作ってくれるなら何でもおいしいと感じるっ!

俺の家の家事担当は愛海だ。そして那月は部活。……訳あって、俺の両親は今はいないのだ。
仕事関係ということは知っているのだが―――それ以上のことは何も知らない。
ちなみに俺はバイトをしていない。両親が仕送りしてくれている為、その必要はないのだ。

愛海は小学生ながら何でもできる超有能妹だ。
俺はしているのかって?ああ、俺はサボってるわけじゃないぞ。この前、愛海を手伝おうとしたのだが、全力で拒否されてしまった。
『お兄ちゃんはゆっくりしていて!これは私のお嫁さん修行なの!』だとさ。……そこまで言わなくてもいいじゃないか、お兄ちゃん泣くよ?

まあそんな冗談はさておき。

それが祟ったのか、愛海は風邪をひいてしまったのだ。
そのときは勉強会を中止して夕佳に家事を一緒に手伝ってもらったが、愛海は『お兄ちゃんは私のものなんだから』と夕佳に言い放った。俺は、愛海は家族として大事に思っているのかと思ったのだあれが、なぜか夕佳は顔を赤くしていた。……何か深い意味があったのか?
愛海が大声で叫んだせいで一時的に体温が上がったが、その後すぐに体温は落ち着き、風邪は治った。―――が、少し機嫌を悪くしていた。
そのとき偶然那月が部活から帰ってきたのだが―――

『ちゃんと機嫌とってあげなよ~』
『言われなくても分かってるわ』
『はあ、まったく素直じゃないなぁ』
『……は?』




―――というように途中から不毛な応酬をすることとなった。
何故か分からないが、那月と話しているとどうしても途中から不毛な争いになるのだ。

……ついでにスーパーで愛海の好きなお菓子―――パンダのマーチ、買ってきてやるか。
いつも愛海と買い物に行く時は、必ずと良いほど買い物かごの中にパンダのマーチが入っているのだ。よっぽど好きなのかと思って以来、俺は頭の片隅に記憶している。

今は愛海は病み上がりなのでできる範囲で家事をしている。
先程も行ったが那月は部活なので家事をしていない。正確にはできないのだが。
そのことを本人の前で言うと怒られるので、わざわざ自爆するような発言はしない。

俺ができることなんて限られているが、やることはやっている。これでも、少しでも愛海の役に立ちたいのだ。

再度、メモ用紙を見る。

「……やっぱり食べたかったのかよ―――パンダのマーチ」

メモ用紙の右下に小さく『パンダのマーチ買ってきてね』と小さな文字で書いていた。そしてなぜか語尾にハートマーク。とにかく食べたかったのだろう。
あまり深読みせずに理解することにした。

と、そうこうしているうちに俺の家の近くのスーパーの前まで来ていた。

「さてと、スーパーで買い物を―――」
「うえええええん」

俺の言葉は途切れた。小さな子供の泣き声によって―――
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