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第1章
第20話 予想外の事実のようです
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さて、今この状況を整理するとだな……
那月は宿題(笑)をするために自室に退避、那月は家に帰りーーーという名目上の逃走? ーーーそして俺は妹の愛海とリビングに2人きりの密室状態。つまるところ……鋼の檻の中で虎に睨まれている飼育員ってところか? いやちょっとわかりにくいな。まあどちらにせよ絶体絶命ということには変わりない。
この何度見たかわからない状況に危機感しか感じられない俺。そろそろ俺としても学んでくれとも言いたいところだが、もはやこれは不可避な案件である。
「うーん……奈菜だけじゃなくって那月も部屋に帰っちゃったけど……まあ、いつか話すことになるし別に今はいっか」
「……んーっと、何が? あ、もしかして俺怒られない感じ? 帰ってもいい?」
「なんでいいと思ったの? 1番大事な時に帰ってもいいなんて発想どこから出てくるの? 頭の中お花畑になっちゃった? お兄ちゃん??」
「いや、なってないです。すみません……」
全く俺には愛海のやってることの予測がつかない。何かしら匂わせるような発言ではあったが、今まで俺に隠し事なんてしたことがあっただろうか……ーーーそりゃあ1つや2つは秘密を隠していたとしても別におかしい話でもない。寧ろそれが普通だというのに。
「……今は身内しかいないし、お説教の前に少し話しておきたいことがあるんだ」
「……はぁ」
少し深刻な表情をして愛海は言う。別に愛海が何を隠していても驚くことはないし、ましてや怒るなんてこともない。絶対にない。
「実は……お兄ちゃんとは血が繋がってないの!」
「ふーん、そっかぁーーーじゃねぇ!! はあ?! 何でこのタイミングで!?」
正直何言ってるのか一瞬分からなかった。俺が今まで愛海と暮らしてきてそんな説明なんてされたこともなかったし、いやされるなんて思っても見なかったし……。
「……あ……あのね……この話、つい最近知ったの……」
「さ……最近??」
愛海の話によると一週間くらい前に両親から連絡が来たらしい……その新事実をこのタイミングで言い出した意図はサッパリ分からないが、何かしらの理由があるとは思う。
そもそも繋がっていないと言うことは養子……なのか? そこら辺のことはよく知らない。
「今まで隠しててごめんなさい……」
愛海は泣いているのだろうか、顔に隠すように手を当てている。
「……そうか……繋がってないのか……」
目の前で鼻を啜らせている愛海の頭上に、俺は手を当て撫でる。愛海は驚いた表情でこちらを見る。
「別に何とも思ってないよ、愛海は俺の大事な大事な妹だからな」
「お兄ちゃん……」
愛海は顔に当てていた手を離して、こちらを見る。その目は真っ赤になっていて、涙も流していた。
……うーん、かわいい。
この状況で言うべきことではないってわかってるけど、甘える愛海も悪くない。むしろ良い!! また違う意味で涙流しちゃうよ、お兄ちゃん……。
「さて、話は終わった! 晩御飯作ろうぜ!」
もう外は暗くなりかけている。
「そうだね……ご飯つくろっか…………あれ? 何か忘れてるような……??」
「ん? んん? 気のせいじゃない?」
「そうだよね……気のせいだよね……」
まあ重要な話に紛れて俺が説教されることについては有耶無耶にすることができた。細かいことは気にしたら負けだ。
「ああ、そうだちょっと愛海に相談したいことが……」
そう、例のあいつ……夕佳のことだ……。機嫌悪くしたまま放っておくことは流石にできないので、何とかしようとは思っているが、何をすればいいのかサッパリ分からない。ましてや乙女心って何? ってレベルだ。そんなやつ単騎でそんな問題に立ち向かえなんて、赤子が白鵬ぐらいの横綱に挑むのと同レベルなことだ。
「いいよー何でも言ってみてー?」
「えっとだなー、女子の機嫌を直す方法ってどんなのがおすすめ?」
「え~、面倒くさ~い、GGったら?」
「いや駄目だろ、ネットは信用できない」
「毎日使ってるくせにぃ~……まあ良いや、ご飯食べる時に相談に乗るから……ほら、那月も呼んできて! ご飯の準備するよ!」
もう愛海の沈んだような表情はどこへいったのやら、すでに満面の笑みだった。少し心配したが、全くの杞憂だったようだ。
……結局、両親の狙いは何だったのか分からないが、大体ロクなことがないか理由がないかの二択……まあロクなことがない場合はほぼないので、どうせ忘れたってところかな。今更気にしたって仕方ないところだが。
「お兄ちゃ~ん? 何してるの~?? お姉ちゃん呼んできて~?」
愛海がキッチンから大きな声で俺に言った。
「はいよ、分かりましたぁー!」
血が繋がってなくとも、妹(愛海)は妹(愛海)だ。今までと態度を変えるなんてしない。だって可愛いからな!!
那月は宿題(笑)をするために自室に退避、那月は家に帰りーーーという名目上の逃走? ーーーそして俺は妹の愛海とリビングに2人きりの密室状態。つまるところ……鋼の檻の中で虎に睨まれている飼育員ってところか? いやちょっとわかりにくいな。まあどちらにせよ絶体絶命ということには変わりない。
この何度見たかわからない状況に危機感しか感じられない俺。そろそろ俺としても学んでくれとも言いたいところだが、もはやこれは不可避な案件である。
「うーん……奈菜だけじゃなくって那月も部屋に帰っちゃったけど……まあ、いつか話すことになるし別に今はいっか」
「……んーっと、何が? あ、もしかして俺怒られない感じ? 帰ってもいい?」
「なんでいいと思ったの? 1番大事な時に帰ってもいいなんて発想どこから出てくるの? 頭の中お花畑になっちゃった? お兄ちゃん??」
「いや、なってないです。すみません……」
全く俺には愛海のやってることの予測がつかない。何かしら匂わせるような発言ではあったが、今まで俺に隠し事なんてしたことがあっただろうか……ーーーそりゃあ1つや2つは秘密を隠していたとしても別におかしい話でもない。寧ろそれが普通だというのに。
「……今は身内しかいないし、お説教の前に少し話しておきたいことがあるんだ」
「……はぁ」
少し深刻な表情をして愛海は言う。別に愛海が何を隠していても驚くことはないし、ましてや怒るなんてこともない。絶対にない。
「実は……お兄ちゃんとは血が繋がってないの!」
「ふーん、そっかぁーーーじゃねぇ!! はあ?! 何でこのタイミングで!?」
正直何言ってるのか一瞬分からなかった。俺が今まで愛海と暮らしてきてそんな説明なんてされたこともなかったし、いやされるなんて思っても見なかったし……。
「……あ……あのね……この話、つい最近知ったの……」
「さ……最近??」
愛海の話によると一週間くらい前に両親から連絡が来たらしい……その新事実をこのタイミングで言い出した意図はサッパリ分からないが、何かしらの理由があるとは思う。
そもそも繋がっていないと言うことは養子……なのか? そこら辺のことはよく知らない。
「今まで隠しててごめんなさい……」
愛海は泣いているのだろうか、顔に隠すように手を当てている。
「……そうか……繋がってないのか……」
目の前で鼻を啜らせている愛海の頭上に、俺は手を当て撫でる。愛海は驚いた表情でこちらを見る。
「別に何とも思ってないよ、愛海は俺の大事な大事な妹だからな」
「お兄ちゃん……」
愛海は顔に当てていた手を離して、こちらを見る。その目は真っ赤になっていて、涙も流していた。
……うーん、かわいい。
この状況で言うべきことではないってわかってるけど、甘える愛海も悪くない。むしろ良い!! また違う意味で涙流しちゃうよ、お兄ちゃん……。
「さて、話は終わった! 晩御飯作ろうぜ!」
もう外は暗くなりかけている。
「そうだね……ご飯つくろっか…………あれ? 何か忘れてるような……??」
「ん? んん? 気のせいじゃない?」
「そうだよね……気のせいだよね……」
まあ重要な話に紛れて俺が説教されることについては有耶無耶にすることができた。細かいことは気にしたら負けだ。
「ああ、そうだちょっと愛海に相談したいことが……」
そう、例のあいつ……夕佳のことだ……。機嫌悪くしたまま放っておくことは流石にできないので、何とかしようとは思っているが、何をすればいいのかサッパリ分からない。ましてや乙女心って何? ってレベルだ。そんなやつ単騎でそんな問題に立ち向かえなんて、赤子が白鵬ぐらいの横綱に挑むのと同レベルなことだ。
「いいよー何でも言ってみてー?」
「えっとだなー、女子の機嫌を直す方法ってどんなのがおすすめ?」
「え~、面倒くさ~い、GGったら?」
「いや駄目だろ、ネットは信用できない」
「毎日使ってるくせにぃ~……まあ良いや、ご飯食べる時に相談に乗るから……ほら、那月も呼んできて! ご飯の準備するよ!」
もう愛海の沈んだような表情はどこへいったのやら、すでに満面の笑みだった。少し心配したが、全くの杞憂だったようだ。
……結局、両親の狙いは何だったのか分からないが、大体ロクなことがないか理由がないかの二択……まあロクなことがない場合はほぼないので、どうせ忘れたってところかな。今更気にしたって仕方ないところだが。
「お兄ちゃ~ん? 何してるの~?? お姉ちゃん呼んできて~?」
愛海がキッチンから大きな声で俺に言った。
「はいよ、分かりましたぁー!」
血が繋がってなくとも、妹(愛海)は妹(愛海)だ。今までと態度を変えるなんてしない。だって可愛いからな!!
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