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第1章
第16話 お兄ちゃんは断れない性格をしているようです
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愛海から妹パワーを多量接種した俺は、その副作用によるニヨニヨをどうにか抑えつけながら、リビングの端っこにあるテレビに目を向ける。
「あー、〇リオカートか……」
正直に言うと、このゲームには嫌な思い出しか残っていない。―――なぜなら、愛海と那月にフルボッコにされたからだ。
普通に負けるならまだ許せる。ただ、二人ともいろんな意味でたちが悪い。
愛海は上位層で走行してるくせに無敵の星とか、キノコとか強いアイテムばかり引き当てる。……俺には全く来ないのに。
それに対して那月は先ほど言った星を使ったうえで何度もぶつかって来たり、沼や溶岩に突き落としてきたりと……とにかく散々な目に遭った。
「お兄ちゃんも、もちろんやるよね?」
「……いやー、やりたいのは山々なんだけどね、宿題が終わってないんだよねー」
嘘である。俺はこのゲーム、全くやりたくない。今すぐにでもここから逃げ出したい。
「え? レンお兄ちゃんって問題児じゃなかったの?」
俺の心に50のダメージ!
「問題児……ってのは誰から聞いたのか知らないけど、だからと言って宿題をやってないって決めつけるのはよくないと思うけどなー」
懐疑の目を向けてくるな、俺もやってることの愚かさは分かってんだよ。
「……この前、夕佳お姉ちゃんが家に来た時聞いたんだけど……宿題言われないとやらないんじゃなかったっけ? それも夕佳お姉ちゃんとかに」
俺の心に100のダメージ!
「いや、ちゃんとやってるから」
「……じゃあ夕佳お姉ちゃんが言ったことは嘘なんだね。今度会った時に伝えておくよ」
クリティカルヒット! 俺の心は劣化した。
「あ、それだけはマジ勘弁」
「じゃあお兄ちゃんの言ったことは嘘って認めるの?」
「……私がわるぅございましたぁ、どうもすいませんでしたぁ」
真面目に謝ったら負けた気がしてならない。ほらもう、愛海がニヤニヤ顔でこっち見てくるじゃないか。
「あー、やっぱりこれは伝えておくしかないかなー」
「ごめんなさい、愛海様あああ!!!」
いちげきひっさつ! 俺の心は砕け散った。
手の平を超高速で翻したかのような究極のDO☆GE☆ZA(本気の謝罪)。
本当は宿題なんて出ていなかった。今日はゆっくり自分の部屋でゴロゴロする予定だったのに……。
結果、俺は不本意ながらもこのゲームをやる羽目になった。
……もし、俺が正直に寝たかったって言っていたら…………いや、『もし』はやめておこう。あとが辛い。
「……どうしても、あれ、やるんすか?」
「やるよね??」
「……はい」
かくして俺は二人との口論に負けた上でゲームをすることとなった。
コントローラーを取り出し、電源をつける。
「じゃあ私たちが勝ったらお兄ちゃんの部屋見せてね♪」
「いいね、それ!」
「何勝手に決めてるんだよ、しかも俺の部屋って」
「いつもお兄ちゃん見せてくれないじゃん」
見せたくないんだよ。分かってくれ。
「お兄ちゃんが勝ったら、さっきのことは夕佳お姉ちゃんに言わないであげる」
「……さっさと終わらせんぞ」
勝てばいいんだよ、勝てば。そうすれば行き着く先はハッピーエンドだ。
俺の運命はこのハンドル《コントローラー》が握ってんだよ! ……あと愛海。
さて、キャラクター選択画面で1秒かからず選択したのは、〇ッシーだ! 前からこれは決めてんだよ。毎回那月が〇ッシーで妨害してくるからコイツじゃなければいいんじゃね? という発想だ。
「よっし絶対負けねぇからな、負けたら俺はDEATHだから気合い入れなければ……」
「お兄ちゃんお菓子食べる?」
「レンお兄ちゃんジュース飲む?」
「……駄目だ、集中できん」
結局全部貰うんですけどね。……ハッ! こんなことしてたら今日の晩御飯が食べられなくなる?! 愛海の手料理が食べられなくなるとは困る。ここはなんとしても耐えねば……!!
「お兄ちゃん早くやろー」
「あ、ああ」
謎の葛藤をしている間にレースの準備が終わっていた。
「約束は破らないでねー!」
「分かってるよ、もちろんそっちも俺が勝ったら問題児というイメージは変えろよ」
「もちろん! 言質とったりー♪」
そして、運命のレースが始まる。
「あー、〇リオカートか……」
正直に言うと、このゲームには嫌な思い出しか残っていない。―――なぜなら、愛海と那月にフルボッコにされたからだ。
普通に負けるならまだ許せる。ただ、二人ともいろんな意味でたちが悪い。
愛海は上位層で走行してるくせに無敵の星とか、キノコとか強いアイテムばかり引き当てる。……俺には全く来ないのに。
それに対して那月は先ほど言った星を使ったうえで何度もぶつかって来たり、沼や溶岩に突き落としてきたりと……とにかく散々な目に遭った。
「お兄ちゃんも、もちろんやるよね?」
「……いやー、やりたいのは山々なんだけどね、宿題が終わってないんだよねー」
嘘である。俺はこのゲーム、全くやりたくない。今すぐにでもここから逃げ出したい。
「え? レンお兄ちゃんって問題児じゃなかったの?」
俺の心に50のダメージ!
「問題児……ってのは誰から聞いたのか知らないけど、だからと言って宿題をやってないって決めつけるのはよくないと思うけどなー」
懐疑の目を向けてくるな、俺もやってることの愚かさは分かってんだよ。
「……この前、夕佳お姉ちゃんが家に来た時聞いたんだけど……宿題言われないとやらないんじゃなかったっけ? それも夕佳お姉ちゃんとかに」
俺の心に100のダメージ!
「いや、ちゃんとやってるから」
「……じゃあ夕佳お姉ちゃんが言ったことは嘘なんだね。今度会った時に伝えておくよ」
クリティカルヒット! 俺の心は劣化した。
「あ、それだけはマジ勘弁」
「じゃあお兄ちゃんの言ったことは嘘って認めるの?」
「……私がわるぅございましたぁ、どうもすいませんでしたぁ」
真面目に謝ったら負けた気がしてならない。ほらもう、愛海がニヤニヤ顔でこっち見てくるじゃないか。
「あー、やっぱりこれは伝えておくしかないかなー」
「ごめんなさい、愛海様あああ!!!」
いちげきひっさつ! 俺の心は砕け散った。
手の平を超高速で翻したかのような究極のDO☆GE☆ZA(本気の謝罪)。
本当は宿題なんて出ていなかった。今日はゆっくり自分の部屋でゴロゴロする予定だったのに……。
結果、俺は不本意ながらもこのゲームをやる羽目になった。
……もし、俺が正直に寝たかったって言っていたら…………いや、『もし』はやめておこう。あとが辛い。
「……どうしても、あれ、やるんすか?」
「やるよね??」
「……はい」
かくして俺は二人との口論に負けた上でゲームをすることとなった。
コントローラーを取り出し、電源をつける。
「じゃあ私たちが勝ったらお兄ちゃんの部屋見せてね♪」
「いいね、それ!」
「何勝手に決めてるんだよ、しかも俺の部屋って」
「いつもお兄ちゃん見せてくれないじゃん」
見せたくないんだよ。分かってくれ。
「お兄ちゃんが勝ったら、さっきのことは夕佳お姉ちゃんに言わないであげる」
「……さっさと終わらせんぞ」
勝てばいいんだよ、勝てば。そうすれば行き着く先はハッピーエンドだ。
俺の運命はこのハンドル《コントローラー》が握ってんだよ! ……あと愛海。
さて、キャラクター選択画面で1秒かからず選択したのは、〇ッシーだ! 前からこれは決めてんだよ。毎回那月が〇ッシーで妨害してくるからコイツじゃなければいいんじゃね? という発想だ。
「よっし絶対負けねぇからな、負けたら俺はDEATHだから気合い入れなければ……」
「お兄ちゃんお菓子食べる?」
「レンお兄ちゃんジュース飲む?」
「……駄目だ、集中できん」
結局全部貰うんですけどね。……ハッ! こんなことしてたら今日の晩御飯が食べられなくなる?! 愛海の手料理が食べられなくなるとは困る。ここはなんとしても耐えねば……!!
「お兄ちゃん早くやろー」
「あ、ああ」
謎の葛藤をしている間にレースの準備が終わっていた。
「約束は破らないでねー!」
「分かってるよ、もちろんそっちも俺が勝ったら問題児というイメージは変えろよ」
「もちろん! 言質とったりー♪」
そして、運命のレースが始まる。
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